劇場版『ONE PIECE FILM RED』が特別な1作となった理由とは?すごい座組を解説

大ヒット間違いなしの劇場版15作目『ONE PIECE FILM RED』。原作者である尾田栄一郎が総合プロデューサーを務めた本作を、映画館で観るべき理由についてわかりやすく解説します。

『ONE PIECE FILM RED』は座組がすごい

©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

 

今年の夏、また“ONE PIECE旋風”が到来です。前作『ONE PIECE STAMPEDE』(19)から3年ぶりとなる劇場版15作目『ONE PIECE FILM RED』が、遂に8月6日より公開となりました。夏休み中ということで、大勢のファミリーが映画館に足を運ばれたことでしょう。

1997年より週刊少年ジャンプで連載が開始された『ONE PIECE』。単行本は今や103巻まで発売され、テレビアニメも2021年に1000話という大台を突破。今年7月で25周年を迎えた原作は7月25日に連載が再開され、遂に最終章へと突入しました!

©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

 

主人公・ルフィ役の声優・田中真弓が、先日開催されたワールドプレミアで「長く続く『ONE PIECE』ですが、毎回この手があったかと驚かされます。今回も見たことのないものが出来上がっているのでぜひ見届けてください」と力強くアピールしていた本作。一体どこがどうすごいのか、スタッフやキャストの座組について解説します。

尾田栄一郎が気合十分に総合プロデューサーを務めた1作

©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

 

『ONE PIECE FILM RED』で一番のポイントは、原作者である尾田栄一郎が総合プロデューサーを務めている点です。

個人的な感想で言うと、人気コミックの映画化作品での成功作は、原作者自らが前のめりに参加し、きちんと作品に目配りをされている場合が多い気がします。たとえば現在メガヒット中の『キングダム2 遥かなる大地へ』もしかりで、1作目と同様に原作者の原泰久が脚本に参加しています。

©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

 

もちろん、これまでの劇場版『ONE PIECE』も軒並みに大ヒットしてきましたが、今作は尾田さん自らが総合プロデュースしているので、ファンの期待値も高いはず。

また、脚本を手掛けたのは、前々作『ONE PIECE FILM GOLD』の脚本も担当した黒岩勉という点にもご注目。黒岩さんは『LIAR GAME』シリーズや『キングダム』シリーズなど、原作コミックをリスペクトしながら、作品の本質をしっかり抽出してくれる逸材だと思います。

©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

 

黒岩さんは、尾田さんや谷口悟朗監督と話し合いながら脚本を手掛けたそうですが、できあがった脚本については尾田さんから「脚本、素晴らしい!」とお墨付きをもらったとか。

谷口監督は、『コードギアス』シリーズなどで知られ、監督デビュー作では、『ONE PIECE』初のアニメ作品『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』も手掛けていますが、劇場版の監督は初となりました。今作で24年ぶりに『ONE PIECE』へ戻り、きっと新風を吹き込んでくれたのではないかと思います。

シャンクスの娘である歌姫ウタは名塚佳織とAdoWキャスト

©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

 

今回、物語のカギを握るのが、世界で最も愛されている歌姫、ウタです。素性を隠したまま歌を発信するウタの歌声は別次元だと高く評価されています。そんなウタが初めて公の前に姿を現すライブが開催されることになり、ルフィ率いる麦わらの一味も楽しみに会場へやってきます。

ところが、ライブ会場で彼女がシャンクスの娘という衝撃の事実が明かされます。赤髪海賊団の大頭・シャンクスといえば、ルフィの命の恩人で、憧れの人。どうやらゴードン(演:津田健次郎)という謎の人物が、ウタの過去を知っているようです。こうして「歌で世界を幸せにしたい」と願うウタを中心に、心揺さぶる“家族の物語”が動き出します。

©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

 

特筆すべきは、本作のオリジナルキャラクターであるウタを演じるのが、ボイスキャストとして声優の名塚佳織、歌唱キャストとしてAdoというWキャストで担う点です。「うっせぇわ」で令和の歌姫として大ブレイクしたAdoは、顔出しをせずに活動しているので、まさにウタという役柄とシンクロしていますね。

さらにウタの楽曲は、中田ヤスタカが提供した主題歌をはじめ、劇中歌をMrs. GREEN APPLEVaundyFAKE TYPE.、澤野弘之、折坂悠太、秦 基博という総勢7組の豪華アーティストが手掛けています。実に贅沢なコラボレーションとなり、まさに音響の良い映画館で体感するにふさわしい内容となりました。

従来の『ONE PIECE』ファンはもちろん、Hugkumの親子世代にとってもドストライクな映画となった『ONE PIECE FILM RED』。シリーズのファンにはたまらないエピソードを描きつつ、心躍る音楽もたっぷりとフィーチャーした作品となったので、ぜひ夏の思い出として、映画館へ家族でお出かけください。

ONE PIECE FILM RED』は86日(土)より全国公開中
原作・総合プロデューサー:尾田栄一郎(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)監督:谷口悟朗
声の出演:田中真弓、中井和哉、岡村明美、山口勝平、平田広明、大谷育江、山口由里子、矢尾一樹、チョー、宝亀克寿、名塚佳織、Ado、津田健次郎、池田秀一、山田裕貴、霜降り明星(粗品 せいや)、新津ちせ…ほか
公式HP:onepiece-film.jp

文/山崎伸子

©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

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