【新1年生の宿題問題】子どもがなかなか宿題をしないとき、親はどう関わる?やってはいけない5大行動とは

入学早々、宿題が出る小学校もあります。簡単で楽しめる宿題から始まり、次第にドリルやプリントなど本格的な宿題に移行するケースが多いようです。しかし、なかには「声をかけても宿題を始めない」「間違いが多い」「字が汚ない」と、子どもの宿題に悩むママ・パパも。東京都公立小学校と大学附属小学校の教諭を8年間務めた、國學院大學 准教授 吉永安里先生に、1年生の宿題とのかかわり方について聞きました。吉永先生は、1年生を2回受け持った経験をお持ちです。

「宿題のルール」は、親子で話し合って「子どもが決めること」が大事です

どんなルールであれ、子どもが決めたルールではなく、親の決めたルールを守らせるのはNGです

「小学校の宿題にストレスを感じる」というママ・パパは意外と多いです。原因の1つが、子どもがなかなか宿題を始めないためです。

そうした場合は親子で話し合って、子どもが宿題を始める時間を決めましょう。親が決めるのではなく、子どもが決めることが大切です。よく「宿題が終わってから、友だちと遊んでいいよ」「宿題が終わったら、テレビを見ていいよ」など、宿題が終わってから楽しいことはするように、親がルールを作る家庭がありますが、これは逆効果です。宿題嫌いになってしまいます。

子どもがルールを決め、守れたかどうかを子ども自身が振り返るように声がけする、という方法を取ることで主体的に学ぶ生活態度が身につくのです。

宿題をしなかったときは、どうなるのかを学ぶよい機会と捉えて

子どもから「夕食を食べて、夜7時から宿題をする」と言ったのに、約束を守らないこともあるでしょう。しかし、頭ごなしに叱るのはやめましょう。「宿題しなくて大丈夫? もうすぐママ、寝るから宿題見てあげられないよ」と伝えて、どうしたらよいか子ども自身で考えるように促してください。

「ずっと待っていたのに、子どもが眠くなって結局、宿題ができなかった」ということもあるでしょうが、宿題をしないとどうなるのかを学ぶよい機会と考えてください。先生に注意されるかもしれませんし、クラスで宿題をしていないのは自分だけで恥ずかしい思いをするかもしれません。しかし、そうした経験をすると自発的に宿題をするようになると思います。心配なときは宿題ができなかった理由を連絡帳に書いて、先生に渡すように子どもに伝えましょう。

大切なのはママ・パパが叱ったりして強制的に宿題をさせるのではなく、自発的に宿題をする習慣作りです。

宿題を見るのが大変なときは、夫婦で分担を

一年生の時は、宿題は親子で取り組みましょう。親が子どもの横でスマホを見るのもやめて

小学校によっては宿題が多かったり、親が丸付けをしたりすることもあります。きょうだいがいたり、働いていたりすると「毎日、宿題を見てあげるのが大変」と思うこともあるでしょう。

大変なときは、今日はママ、明日はパパが見る番など、夫婦で分担して宿題を見てあげるといいでしょう。小1の宿題ならばママもパパも教えられると思います。

ただし次のことはやってはいけません。

宿題でやってはいけない5つのこと

1 子どもだけで宿題をする

1のうちは、親子で一緒に宿題に取り組むことが大切です。宿題が終わるまでは、ママ・パパが子どもの横でスマホを見たりするのも避けてください。

忙しくて横で見てあげられない場合は、宿題にかける時間を見直しましょう。1年生のうちは、集中力はそんなに長くは続きません。目安としては110分程度です。10分だけでも、子どもの宿題を見てあげる時間を作ってほしいと思います。宿題に時間がかかる場合は、計算ドリルの宿題は夕食前にやって、音読の宿題は夜、寝る前に聞くようにするなど工夫しましょう。

1年生のうちは「わからないところは、ママ(パパ)が教えてくれるから大丈夫」という安心感が学習意欲の向上につながります。

2 親が子どもに代わって宿題をする

「子どもに代わって宿題をする親なんているの?」と驚いたママ・パパもいるかもしれませんが、ときどきいます。もし字が上手に書けないために、ママ・パパが子どもに代わって宿題をしようと思うならば、ママ・パパが薄く鉛筆で書いて、その上からなぞり書きをするように教えましょう。1年生のうちから「宿題は自分でするもの」と教えてください。

3 我流で教える

子どもが勉強につまずいたときは、必ず教科書やノートを見返して、学校の先生の教え方と同じ方法で教えましょう。たとえば小学校では算数の繰り上がり、繰り下がりはさくらんぼ計算で教えますが、我流で教えると子どもがますます混乱してしまいます。

4 わからないと叱る

足し算、引き算などがわからないときは「授業中、先生の話ちゃんと聞いてる?」などと叱るのはやめましょう。わからないときはつまずきの原因を探り、多少時間がかかっても、ていねいに教えてあげることが大切です。放っておくと、学習の遅れにつながりやすいです。

5 先生を否定する

宿題を見ながら「先生の教え方、わかりにくいね。教え方が下手だね」などと、先生を否定するのはやめましょう。ママ・パパがそうしたことを言うと、子どもは先生を信頼しなくなります。ママ・パパの意見に影響を受けて、学校での学習態度などが悪くなる子もいます。

塾に入ると、宿題がさらに増えてパンクする子も

宿題を見ていて間違いが多かったりすると「小1だけど塾に入れたほうがいいの?」と悩むママ・パパもいるでしょう。しかし塾に入ると小学校の宿題に加えて、塾の宿題もしなくてはいけません。宿題が倍に増えてパンクしてしまう子もいるので、子どものキャパシティをよく考えて、塾に入れたほうがよいか検討してください。

前述の通り、小1ならば塾に入れなくても、ママ・パパが家庭で教えられます。

主体的に学ぶことの楽しさに気づける環境を作ろう

学習指導要領の改訂によって、小学校では2020年度からアクティブ・ラーニングといって主体的・対話的で深い学びを養うための新しいタイプの授業が始まっています。

本来は、日々の宿題にも主体的・対話的で深い学びを養うような内容を取り入れたほうがよいのですが、夏休みでなければそのような宿題はほとんど出ません。そのため宿題のやり方に創意工夫を加えて、家庭学習の中で楽しみながら主体的に学ぶ習慣をつけましょう。

ひらがな探しゲームや親子読書がおすすめ!

たとえばひらがなで「ぬ」を習った日は、親子で新聞を見ながらどっちが先に「ぬ」を探せるか競争すると楽しく学べます。読書が好きな子ならば、夜、寝る前に親子で本を読んでも。親子で同じ本を読んで、感想を述べ合うのもおすすめです。水族館で見てきた魚について、親子で図鑑を見て調べるのもよいでしょう。

1年生のうちから、主体的に学ぶことの楽しさに気づける環境を作ってほしいと思います。

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記事監修

吉永安里先生|國學院大學 人間開発学部 子ども支援学科 准教授
博士(子ども学)。私立幼稚園勤務の後、東京都公立小学校教諭、東京学芸大学附属小金井小学校教諭を経て現職。専門は、幼児期のことばの発達、小学校国語科教育。

取材・構成/麻生珠恵

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