目からウロコ!小学生のプリント整理や忘れ物防止アイデアを整理収納アドバイザーが伝授

どうなる?プリント整理と忘れ物問題

「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。

8歳、5歳、3歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。

今回のテーマは「プリント整理と忘れ物防止アイデア」です。

この春、小学校入学を迎える皆さま、おめでとうございます!先輩ママパパから「小学生はプリントが多いよ」と聞いて身構えたり「うちの子、忘れ物は大丈夫かな」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。

今回は、様々なご家庭に訪問してお悩みを解決してきた実績と、小学校2年生のわが子を通した実体験。それらを掛け合わせて「プリント整理と忘れ物防止アイデア」をご紹介します。簡単な方法なのでぜひお読みくださいね!

①まずは、全てのプリントを家に持ち帰る

小学校によって多少の差はあるかもしれませんが、日々の学習や連絡の周知にはプリントが使われる場合が多いです。子どもがプリントを持ち帰らなければ「保護者が情報を知らないまま」という事態に。そのため、連絡帳袋やファイルなどを活用しながら、子どもが全てのプリントをランドセルの中に入れて持ち帰る。これができて、はじめてプリント整理のスタートラインに立つことができます。

「全てのプリントを家に持ち帰るそんな当たり前のことができない?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、入学したばかりの子ども達は慣れない環境の中で一生懸命過ごします。多少のヌケ、モレは発生するもの。保護者会や面談などで小学校へ行った時、子どもの机の中からクシャクシャのプリントが!というのは小学生あるあるですね。完璧を求めずに温かい目で見守りながら、少しずつできるようになればOKとしましょう。

②親子で一緒にプリントを3つに分ける

プリントを持ち帰ることができたら、次は分類です。親子で一緒に【おたより】【もっていく】【もうつかわない】の3つに分けてみましょう。

【おたより】保護者が確認するプリントです。クラス、学年、学校全体、PTAなど発行元や発行頻度はさまざま。特に入学直後は情報が多いので、見逃さないように。

【もっていく】子どもが提出するプリントです。音読カード、宿題プリント、間違えた部分をやり直して再提出するプリント、体温や体調管理のためのチェック表など。丸つけやサインをして、家と小学校を何度も往復するプリントもあります。

【もうつかわない】授業で使ったプリントやテストなど、役目を終えてもう使うことがないプリントです。ひとつ前の「もっていく」プリントは、ゆくゆくはこちらに分類されます。

3つに分類すると、それぞれのプリントの目的(=誰が、何をしなければいけないのか)がわかるようになります。これがプリント整理の基本です。なお、3つの分類名はあくまで一例なので、それぞれの小学校やご家庭に合わせた言い方で問題ありません。

③余裕があれば、もうひと工夫!

3つの分類に慣れ、少し余裕が出てきたら、もうひと工夫。保護者が確認するプリントの【おたより】を、小学校で分けてもらうのです。

例えば、わが家の場合は先生から【おたより】が配られた瞬間に青いクリアファイルに入れるように伝えています。帰宅後は青いファイルの中身はそのまま親に渡してもらいます。既に1分類は完了しているので、その日のプリント整理が【もっていく】【もうつかわない】の2択に。少しだけラクになります。

【おたより】が分けられるようになったら、同じように子ども自身で【もっていく】【もうつかわない】も分けてきてもらってと、一気に欲張りたいところですが、はじめのうちは多くを求めないように。小学1年生は環境の変化についていくことで精一杯の場合も。子どもの様子を見ながら無理せずに、を心がけましょう。

④【おたより】は、保護者が見やすい場所に置く

保護者が確認する【おたより】の中には、持ち物や集金など重要な情報が書いてあることも。何度か見返したいプリントはしまいこまずに保護者が見やすい場所に置きます。基本的にはよくいる場所(拠点)の近くが便利です。キッチンに長くいる人は、その周辺に。冷蔵庫や収納扉の裏側、キッチンカウンターなど、確認しやすい場所を決めて置くと見逃しにくくなります。

私の場合、よくいる場所(拠点)は食事や仕事を行うダイニングテーブル。座ったまま振り返るとすぐに【おたより】を挟んだバインダーがあり、一時保管用の書類を収納しています。ほとんどのプリントは最新号が配布されたら処分していますが、中には「今見返す必要はないけど、保管しておきたいもの」もあります。それらはバインダーから抜き出して保管用の書類ボックスに収納します。

家でプリントを確認する時間が取れない場合は「通勤バッグの中」でもOK。バッグにお便り一式を入れておき、通勤時間や仕事の休憩時間を利用して確認する、というスタイルもアリですね。正解はありませんので、それぞれの暮らしに合った置き場所を工夫してみましょう。

⑤【もっていく】は、忘れにくい工夫を

3つの分類の最後は、子どもにとって一番重要な【もっていく】です。忘れてしまうと本人が困る場合も。低学年のうちは、宿題は保護者が丸つけやサインをする機会があります。また、最近は新型コロナ感染拡大予防のため、体温や体調管理のためのチェック表を提出する小学校も多いようです。【もっていく】プリントが、家の中のどこを経由するのか。どこに置くと忘れやすいのか。毎日のルーティンとして定着するまで、忘れにくい工夫を考えましょう。

例えば、わが家の場合、宿題は終わったら間髪入れずにランドセルに入れます。これは、宿題と筆箱をまるまる別の場所に「ちょい置き」してしまい、そのまま忘れてしまい、困った経験があるからです。また、昨年の新型コロナ以後に登場した体温チェック表も、うっかり忘れそうに。子どもがランドセルから出したらダイニングテーブルの定位置へ。体温計とセットにしておけば、毎朝バタバタせず検温とサインができるようになりました。

トライアンドエラーを繰り返しながら、無理なく実行できる方法を探りましょう。ただし、あまり保護者が先回りしすぎないように。あくまで子どもを主体に、子どもの経験に基づいて一緒に考えていくことができれば理想的ですね。

⑥【もうつかわない】は、確認して決めて

学習で使って毎日のように持ち帰ってくる【もうつかわない】プリントは、捨てていいの?保管するの?小学校やクラスによっても扱いが異なる場合があるので、分からない場合は担任の先生に確認してみましょう。

わが家の例をご紹介します。入学してから増え続ける【もうつかわない】プリントの取り扱いが分からず、保護者会の時に思い切って担任の先生に確認してみると「捨てていただいて構いません」とのお答えが。でも、毎日バタバタしている私自身、子どもと一緒にプリントを見極めて捨てる時間的な余裕はなく、間違えて必要なプリントを捨ててしまったら困る。そう考えて「学期中はひとまず保管。学期末に見分けをする」というスタイルに落ち着きました。保管場所は、学用品棚の一角。入学当初は一箇所にまとめ、しばらくして慣れてきた頃に子どものリクエストでふたつに分類するようになりました。

学期末に子どもと一緒に行うプリントの見分けでは、アッサリ捨てるものもあれば「100点だったから」「よく書けたから」など、子どもなりに「取っておきたいプリント」があることも発見しました。一緒にプリントを見分けることで成長を実感できることも楽しみのひとつとなっています。ここまでが、プリント整理のコツです。

⑦ノート切れを防止するために、ふせんでリマインド

プリント整理以外にも小ワザをご紹介します。

「ノートが最後のページになった。新しいノート買って!」と急に言われ「もっと早く言ってよ!」と親子間で揉める。どこのご家庭にもありそうな光景です。ノートはマス目や罫線の種類の指定があったり、表紙の好みが変わることもあり、何冊もストックしにくい品物…。そんな時は、ふせんを活用します。

残り数ページに「リマインドふせん」を貼っておくのです。わが家は最後のページから数えて5ページ目にペタリ。こうしておくだけで、余裕を持って準備することができます。お気に入りのふせんを選んで子ども自身が書けば、記憶に残りやすいですね。また、一度書いてしまえば新品のノートを使う度にふせんを移動できますし、使いかけのノートでも今からすぐに実践できます。ぜひ試してくださいね。

⑧ハンカチ&ティッシュは、スルーしにくい場所に置く

毎日身につけるハンカチ&ティッシュ、最近だとマスクも。必携だけど、ついつい忘れそうになるものってありますよね。子どもの動きを観察し、スルーしない場所に収納するだけで解決する場合があります。

わが家の娘の場合をご紹介します。衣類収納の引き出しにハンカチセット(ハンカチ、ティッシュ、移動ポケットの3点)が揃っているのに、持って行き忘れてしまうことが多々あり、「なんでだろう…」と思っていました。よく観察すると、着替えの時にその引き出しをスルーしていることが判明しました。そこで、ハンカチセットを毎日必ず開ける靴下の引き出しと一緒にしてみたら、毎日忘れずに持っていくように。

わが家の場合は靴下の隣でしたが、ランドセルの近くや、玄関ドアの近くなど、スルーしにくい場所は人それぞれ。子ども目線で観察してみると、今まで気がつかなかったアイデアが生まれるかもしれません。忘れ物が多い場合は参考にしてくださいね!

いかがでしたか?「プリント整理と忘れ物防止アイデア」でした。入学を控え、わが子への期待、楽しみの一方で、不安が入り混じるデリケートな時期だと思いますが、どうか「いつも完璧に!」と気負わないでください。子どもも親も、はじめは誰でも一年生。失敗しながら学んでいきますし、全ての経験が糧になるはずです。無理せず、子どもと一緒に少しずつ整えていきましょう!

記事監修

整理収納アドバイザー
水谷妙子
無印良品で商品企画&デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超。調べた他社商品は5,000点超。2018年「ものとかぞく」を起業し、個人宅や店舗などの整理収納サービスやお片づけ講座を行うかたわら、雑誌やWebでも活動中。フォロワー6万人を超えるInstagramでは、マネしやすい整理収納アイデアやモノ選び情報を発信中。8歳5歳3歳の3児の母。
公式ホームページ:http://taekomizutani.com/
Instagram:@monotokazoku
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