お盆は祝日じゃない?2023年の期間はいつからいつ?銀行や役所の営業や交通機関はどうなる?

8月に毎年ある「お盆」は、「お盆休み」と言われるのに祝日ではないのでしょうか? 当記事では、まずは2023年のお盆休みがいつからいつまでなのかチェックします。また、お盆が祝日ではないことや、そもそもお盆とは何なのか、地域で違うお盆の期間についてご紹介します。さらに、お盆休みの各機関の営業、交通機関などの情報もお伝えします。

お盆は祝日じゃないの?

多くの企業が休みになる8月のお盆。例年、家族そろって帰省したり、旅行に出かけたりするため、各地でUターンラッシュが起こります。この時期は「お盆休み」と呼びますが、お盆は平日と祝日のどちらなのでしょうか?

コロナ禍ではラッシュもひかえめになることも予想されますが、まずは2023年のお盆休みの期間についてご紹介しましょう。

2023年のお盆休みはいつからいつまで? カレンダーでチェック!

お盆とはいつからいつまでの期間なのでしょうか?

一般的に、お盆は8月13日から8月16日で、お盆の始まりにあたる8月13日は「盆入り(又は盆の入り)」、お盆の終わりになる8月16日は「盆明け」と呼びます。

10連休になる場合も

気になる2023年のお盆について、カレンダーを見て確認してみましょう。

2023年のお盆休みはいつからいつまで?カレンダーでチェック!
2023年のお盆休みはいつからいつまで?カレンダーでチェック!

2023年のお盆休み期間は、8月13日(日)から16日(水)の4日間になるところが多いでしょう。また8月11日(金)の「山の日」は祝日ですから、土日を入れて6連休になります。

さらに、8月17日(木)と18日(金)に休みを取ることができれば、10連休にすることも可能です。

お盆は祝日ではない

ここで、お盆は祝日なのか平日なのかをあらためて考えてみると、カレンダーでは祝日にはなっていないことに気づきます。

日本の祝日は「祝日法」という法律で決められており、内閣府のホームページで現在の「国民の祝日」がいつか公開されています。その祝日の一覧によると、お盆という祝日は定められていません。つまり、お盆は祝日ではないということです。

※参考:「国民の祝日」について(内閣府)

祝日ではないのに、なんで休みになるの?

祝日ではないのに、多くの企業が休みとなる理由は、昔からの風習があるから。

昔、住み込みで働いていた奉公人は、年に2回休みをもらい、実家に帰っていました。この風習を「藪入り(やぶいり)」と呼び、旧暦の1月16日と7月16日に行われていたといいます。この休暇の風習が現在のお盆休みになったとされているようです。

そもそもお盆って何?

ところで「お盆」とはどんな日であり、どんな意味があるのでしょうか?

お盆の意味

お盆とは、亡くなった先祖の霊を供養するための行事です。仏教の多くの宗派では、代々の先祖の霊がお盆の時期に帰ってくると考えられています。そのご先祖様の霊をお迎えし、また帰っていくときにお送りし、おもてなしします。

お盆の由来

お盆は、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という正式名称があります。これは、インドのサンスクリット語の「ウラバンナ(逆さ吊りの意味)」、ペルシャ語の「ウラヴァン(霊魂の意味)」を語源とした言葉と言われています。

お釈迦様の弟子が、母親が地獄に落ちて逆さ吊りにされて苦しんでいることを知り、どうしたら母親を救えるかお釈迦様に相談しました。すると「夏の修行期間が終わった7月15日に、僧たちに供物をささげて供養すればよい」と教えられ、その通りに行うと母親は極楽往生をとげることができたそうです。

地域で違うお盆の期間

お盆の期間について一般的には8月13日から8月16日とお伝えしましたが、地域によって7月13日から7月16日とすることもあります。地域によってお盆の時期がなぜ違うのでしょうか?

なぜお盆の時期が違うの?

日本ではご先祖様を供養するお盆の習慣は、古くから行われていました。江戸時代には旧暦の7月14日と7月15日にお盆が行われていたと言われています。

日本では明治5年に明治政府が改暦を行い、現在使われている新暦(西暦)に変更されました。改暦によってお盆も新暦の7月15日前後に定められましたが、ちょうどその時期は農家の繁忙期でもあり、都市部以外にはなかなか定着しなかったようです。よって、農作業もひと段落つき、8月15日の終戦記念日とも重なる8月15日前後をお盆とする地域が多くなったと言われています。そのため、お盆を8月に行う地域と7月に行う地域が生じるようになったのです。

沖縄地方などの旧盆はいつからいつまで?

沖縄県と奄美諸島の一部では、旧暦の7月13日から7月15日をお盆とする「旧盆」が採用されています。

旧暦は、新暦にあてはめると時期が毎年大きく異なります。そのため、沖縄県で販売されているカレンダーには、毎年お盆の時期も記載されているそうです。2023年は、8月28日(月)、8月29日(火)、8月30日(水)の3日間となります。

東京・横浜・静岡などの新盆はいつからいつまで?

東京や横浜などの関東地方、さらに静岡県などでは、新暦の7月13日から7月16日に行う「新盆」が一般的。

7月のこの時期になると、例年では花火大会や夏祭りが開かれるのは、お盆にちなんでいることも関係あるでしょう。また7月13日になると、ご先祖様の霊をお迎えする「迎え火」を焚いている風景を目にすることもあるかもしれません。

その他の地域の月遅れの盆はいつからいつまで?

関東以外の地域では、8月13日から8月16日に「月遅れの盆」が行われます。もともと7月にお盆があったのですが、ちょうど多忙な農作物の収穫シーズンと重なることから、1ヶ月遅らせた8月に行われるようになったと言われています。

お盆休みの各機関の営業、交通機関はどうなる?

祝日ではなく平日の扱いとなるお盆ですが、お盆休み期間中の各種交通機関や銀行、役所などの営業はどうなるのでしょうか?

電車やバス、公共機関のダイヤは通常通り運行

電車やバスなどの公共交通機関は、お盆休み期間中でも平日なら平日ダイヤ、週末なら週末ダイヤで運行するのが一般的です。

ただ、交通機関ごとに、お盆休みは土日祝日ダイヤで運行することを決定している場合もあります。帰省を予定している方やお盆でも出勤しなければならない方などは、利用する交通機関の発表を確認することをおすすめします。

2022年度以降、高速道路はお盆に休日割引を適用しない

全国の高速道路、および道路公社は、2022年度以降、お盆をはじめ、ゴールデンウイーク(GW)、年末年始に休日割引を適用しないと発表しました、

これまでは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、国土交通省からの依頼で休日割引の適用除外を行ってきましたが、今回の措置は長期休暇での渋滞発生を抑止することが狙いとなっています。

参考:ゴールデンウイーク・お盆・年末年始は休日割引が適用されません(NEXCO東日本)

銀行や役所は通常通り営業

銀行については、「土曜日と日曜日、年末年始を休日とする」銀行法という法律があるため、お盆でも祝日と週末を除いて、お休みにはなりません。ATMも通常通り利用することができます。

また区役所や市役所などの役所についても、従来の開庁時間通りに業務が行われます。

お盆休みは日本ならではの風習

考えてみれば、祝日ではないのに仕事を休む人が多くなるお盆は、珍しいものなのかもしれません。お盆は、日本で昔から長く受け継がれている風習のひとつです。そんな歴史にも目を向けながら、ご先祖様への想いを馳せてみるのはいかがでしょうか。

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文・構成/HugKum編集部

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