お盆に飾る「精霊馬」の意味は? 作り方・飾り方・処分方法やお盆飾りセットのおすすめ

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お盆になると、キュウリとナスを使った「精霊馬(しょうりょううま)」を飾ります。そこで当記事では、精霊馬とはどんなもので、どんな意味があるのかをご紹介します。精霊馬の作り方やアレンジ、飾り方、処分方法についてもチェックしてみましょう。さらに、市販のかわいい精霊馬やお盆飾りセットもセレクトしてみました。

お盆に飾る精霊馬とは?

お盆になると、お墓参りをしたりお供え物を飾ったりします。そこで使われるのが、キュウリとナスを使って作られる「精霊馬」。この精霊馬にはどんな意味があり、何のために飾るのでしょうか?

お盆に精霊馬を飾る意味

精霊馬は、キュウリとナスに割り箸や爪楊枝を刺して、精霊棚または盆棚に飾るもののこと。
これはキュウリを馬、ナスを牛に見立て、お盆の時期にご先祖様の霊が戻ってくるときに、あの世と行き来する乗り物として作られています。
ご先祖様の霊が家に戻ってくるときは、できるだけ早く家に帰ってきてもらいたいため、キュウリで作った足の速い馬を使い、あの世に帰るときは少しでもこの世にいてほしいと、ナスで作った足の遅い牛を使う意味があるとされます。
一方、家に戻ってくるときは、ご先祖様にゆっくりと景色を楽しんで欲しいのでナスの牛、あの世に帰るときは、疲れているのでなるべく早く帰してあげたいという思いからキュウリの馬、という逆の説が用いられることもあるそうです。

飾る地域と飾らない地域がある

精霊馬は、地域により飾るタイミングや意味が異なることもあります。精霊馬にキュウリとナスが使われる理由については明確な根拠はありませんが、お盆の時期にどこでも入手しやすい野菜ということも一因と考えられています。しかし精霊馬を用意しない宗派があったり、沖縄では精霊馬と同じ意味でサトウキビを飾ることもあるそうです。

精霊馬の作り方

精霊馬はお自分で簡単に用意することができます。子どもでもできる作業なので、親子で一緒に作ってもいいでしょう。

キュウリの精霊馬

◆材料

・キュウリ
・割り箸1本または爪楊枝4本

◆作り方

割り箸を使う場合は、カッター等で1本を4等分に切っておきます。小さな子どもと一緒に作るなら爪楊枝の方が安全でしょう。

キュウリのヘタを頭に見立て、お腹にあたる部分にカットした割り箸または爪楊枝4本を刺します。前脚と後脚の間を少しあけると、足の速そうな馬に見えてきます。

キュウリは足の速い馬に見立てるため、速く走れそうなスラッとした形のキュウリを用意しましょう。まっすぐ育ったキュウリより少しカーブを描いて曲がったものの方が、飾ったときに馬らしく見えます。

ナスの精霊牛

◆材料

・ナス
・割り箸1本または爪楊枝4本

◆作り方

ナスのヘタを頭に見立て、キュウリと同様に胴の部分に4本の割り箸または爪楊枝を刺します。

ナスは牛を表すので、大きくどっしりとした雰囲気のものを準備します。キュウリと同じで、ナスも少し曲がったものを選ぶと牛らしく見せられます。

精霊馬の作り方アレンジ

精霊馬はキュウリとナスを使うのが一般的ですが、他の野菜を使って作ったり、現代にあわせて車に見立てたり、アレンジを楽しむ方も増えています。

とうもろこしなどの野菜で作る

キュウリとナス以外では、とうもろこしやミニトマト、ズッキーニなどの夏野菜を使って精霊馬を作ることもできます。ベースとなる作り方は、割り箸または爪楊枝を馬や牛の足に見立てて、野菜に4本刺すだけ。
とうもろこしやズッキーニは胴体部分が大きいので割り箸を使って太くしっかりした足を作ってあげると〇。ミニトマトには短くカットした割り箸や爪楊枝を4本刺すと、ミニサイズの動物ができあがります。

車やマッドマックスのジープも!

精霊馬は馬と牛を見立てて作りますが、キュウリとナスを組み合わせて、現代風にオープンカーやジープのような車に見立てることもできます。中には、キュウリとナスを軽く彫ってガンダムを作ったり、映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」に出てくるジープを作った例もあるなど、お盆の精霊馬の現代版を楽しくアレンジする方もいて話題になっています。

精霊馬の飾り方

精霊馬には、飾る場所や時期、置き方などに決まりがあります。

飾る期間

ご先祖様の霊は8月13日の夜にやってきて16日の明け方に帰るため、精霊馬は盆入り(迎え火)から盆明け(送り火)までの期間中に飾ります。ただ、お盆の時期は地域により7月に行う場合と8月に行う場合がありますので、それぞれの地域にあわせて精霊馬も飾りましょう。

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飾る場所

お盆には、ご先祖様の霊を迎えるために「精霊棚」を準備します。ここにご先祖様の霊が滞在するとされています。そして精霊馬も、この「精霊棚」に飾ります。もし精霊棚がない場合は、机や台などを使って代用しても構いません。

飾る向き

精霊馬を飾るときは、その向きにもルールがあります。まず13日にご先祖様の霊がやってくるときに使うとされる精霊馬は、頭を自宅の中の方へ向くようにします。またご先祖様の霊があの世に戻るときに使う精霊牛は、玄関や屋外の方向へ向けます。精霊棚には、両端に精霊馬を置く場合と、手前に置く場合など、地域や慣習によってさまざまです。

精霊馬の処分方法

ご先祖様の霊を迎えて送るために用意した精霊馬は、お盆が過ぎたら正しい方法に従って処分します。昔は自宅で他のお供え物と一緒に燃やしていたり、精霊流しとして川や海に流したりしていました。しかしこれは環境問題や条例違反となる場合もあるため注意が必要です。

現代にどの家庭でもできるやり方は、丁寧に手を合わせて塩をかけて清めたら、家庭の一般ゴミとして処分する方法。白い紙などで包んで処分すれば、より丁寧になるでしょう。また土に埋めたり、菩提寺に持って行って処分してもらう方法もあります。

もっともやってはいけないのは、食材として食べるという方法。他のお供え物は食べて供養できますが、精霊馬は例外となりますので、お役目に感謝して処分することが大切です。

また精霊馬を処分するタイミングですが、お盆が明けた17日以降に行いましょう。最も暑い時期で野菜は傷みやすいため、17日になったら早めに処分してください。

かわいい精霊馬・お盆飾りセットのおすすめ

自分で精霊馬を準備するのは大変という方は、お盆の時期に毎年使える精霊馬やお盆飾りセットを利用してみてはいかがでしょうか? 見た目にもかわいらしいものがたくさんあります。

「精霊馬キャンドル」

キュウリとナスそっくりに見えますが、実はキャンドルになっていて火をつけることができます。ご先祖様の霊をお迎えしたり、お見送りするときに使えます。手のひらにのるほどのミニサイズがキュート。

「お盆飾り 6点 セット」

精霊馬のほか、精霊馬を置くために使う敷物「まこもござ」、蓮の葉・まこも縄・麻がら・精霊箸など、お盆の供養に使えるアイテム6点のセット。どの地域でも使えます。

「精霊馬」

本物のキュウリとナスに見立てた精霊馬です。本物ではないため、夏場に腐ったり虫がついたりする心配が必要ありません。雰囲気のある竹カゴ付き。

「ちりめん 牛馬飾り ほおずきセット」

ちりめん生地で作った精霊馬。デザインから製造まで手作業で行われており、温かみのあるやわらかい雰囲気を演出できます。置き場所に困らないコンパクトサイズ。

「お供え野菜ローソク」

精霊馬に見立てたナスとキュウリのほか、提灯を表現するホオズキ、さらに季節の野菜で昔は精霊馬を作っていたと言われるひょうたん、さつまいもの5つの野菜型ローソクです。ころんとしたフォルムがどれもかわいらしさいっぱい。

お盆は精霊馬とともにご先祖様に感謝をしよう

精霊馬は見た目にもかわいらしく、子どもと一緒に作ることもできます。親子で精霊馬を準備することで、日本で昔から続くお盆の習慣やご先祖様に感謝する習わしを子どもにも教えてみてはいかがしょうか?

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文・構成/HugKum編集部

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