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同じ”異世界もの”でも全然違う、テレビシリーズと今作
テレビシリーズはクライマックスを迎えていますが、映画としての「仮面ライダーガヴ」は初ということでどんな感じでしょうか?
知念さん:まず舞台となる世界線がテレビシリーズとは全く違う、もう異世界なんです。
庄司さん:そう、いわゆる”異世界もの”だよね。
知念さん:テレビシリーズでもショウマはグラニュートの世界から人間の世界に初めて来て、知らないことばかりでいろいろ迷うんです。でも今回ショウマが迷い込んだ異世界では、自分は相手をよく知っているけど、相手は自分のことを知らないというのが、ポイントになっています。
ショウマにとって大切な居場所である「はぴぱれ」を取り巻く人たちがいて、そこで作り上げてきたものが急に取り上げられて自分は孤独なんだと改めて気づかせられるところも、今回の映画のひとつ肝になっている部分。そのショウマの「孤独」を今回描いてくれているところが、台本を見たときに面白いと思いましたし、テレビシリーズの1~2話を思い出してワクワクしました。だから撮影のクランクインもすごく楽しみでした!
庄司さん:スーパー戦隊なら冬にある「VSシリーズ」のお祭り感が、この映画に詰まっています。さっきの”異世界もの”という言葉を使うなら、元の世界にいた人たちが別の世界に来たときにどんな感じになるのかなとか。
またテレビシリーズで1年間オープニングを担当して大きく「ガヴ」を支えてくださったFANTASTICSのみなさんが、今回は演者として実際に映像に登場して、大きな役割を担ってくださっています。僕らも一ファンとしてFANTASTICSさんを映像の中で見られる喜びがあり、仮面ライダーファンの皆さんもきっとそれを共有できるんじゃないかなと思います。


テレビシリーズ主題歌を担当したダンス&ボーカルグループ「FANTASTICS」から、4人のメンバーが映画に登場!
確かにFANTASTICSのメンバーが4人も出演していて、その役割も今回かなり大きいですよね。
知念さん:今回の映画はテレビシリーズに増して、ショウマ視点メインで描かれているんです。この異世界で起きたことはショウマと映画を観てくださった人にしかわからない物語なんです。さらにテレビシリーズで亡くなった人たちが生きているというのもポイント。
仮面ライダーガヴの視聴者からは「もし○○が生きていたら」とか、そういった「if」の感想もよくいただくんですけど、それが映画で見られます。それぞれの大切な人が生きてる世界線、そしてみんなの姿や立場も全然違う。その違いも見ていてうれしいんじゃないかなって。それに今は絶対ありえない、ストマック家の勢ぞろいがあるので、そこも注目してほしいです。
庄司さん:そうだね。多分テレビシリーズを見ている人は、そこは本当に楽しめると思います。



FANTASTICSのメンバーと共演した印象や、エピソードなど教えてください
知念さん:中島さんとは映画の撮影の半分以上をご一緒させていただきました。
仮面ライダーガヴの世界観を作ってきたのは、一年通して演じている僕たちレギュラーキャストとスタッフさんなんですけど、そこに中島さんたちが入ってきたときに違和感がないように。また逆に新しく入った人たちがいるからこそ作れる雰囲気とか空気感を大切にしながら、たくさんお話しして作り上げていきました。
木村(慧人)さんと世界さんは、対峙するシーン以外あまり関わることはなかったんですけど、お二人の空気感を共有したいという気持ちがあり、撮影をずっと見学していました。
庄司さん:僕は撮影でFANTASTICSの皆さんと関わることがあまりなかったので、一視聴者として楽しむという感じですね。

今回の映画でそれぞれ印象に残ったシーンや、大変だったシーンはありますか
知念さん:映画の山場となるシーンはたくさんあるんです。その中でもショウマが今まで見せたことない怒りの感情をバーっと爆発させるシーンがあります。一年以上ショウマを演じてきましたけど、あのシーンは自分も出したことのない力で演じました。中島さんと築いたタオリンとの思い出ものせるシーンだったので、台本にも「一番伝えたいところ」って星マークをつけました。体力的にも精神的にも大変だったなって思います。
お気に入りのシーンは、ショウマのお母さんの店に行くシーンです。そこには手描きの値札や飾ってあるお花、店の内装とか、かつて母がやりたかったと言っていたものがあって、そこで働いている母の姿を見たときのショウマの感情は、うれしい気持ちもあり、自分の知らない母を感じる瞬間でした。すごく複雑なシーンだったんですけど、そこは演じていてやりがいのあるシーンだったなって。浩平くんは?
庄司さん:ショウマが異世界のお祭りみたいなガヤガヤしたところに迷い込んじゃって、っていうシーンがあるんですよ。そこは実際にTTFC(東映特撮ファンクラブ)会員の皆さんにご協力いただいて、エキストラの方も含めて200人くらいの人たちと作り上げたシーンなんです。そこは東映特撮という歴史あるものがすごく愛されてきた形だなって部分が見られました。
あれはなかなかやれる規模じゃないので、映画としての特別さといいますか。映画ならではの規模感であり華やかなシーンで、僕自身も楽しい時間になりました。



浩平くんとは恥ずかしいことは何にもないくらい話せる、頼れるお兄ちゃん(知念さん)
知念さんと庄司さんが初めて会ったときのお互いの印象はどうでしたか? 共演後に何か変化はありますか
知念さん:僕は浩平くんと楽屋で初めてあったんですけど、すごいクールで口数が少なそうなイメージだったんです。実際にものすごくストイックでそう言った意味でも仕事に対する向き合い方とか、現場でのあり方とか、浩平くんの背中を追いかけています。今後も浩平くんという指標が近くにいる、それは自分にとって財産だなって思います。
でも話していくうちに意外とチャーミングで、笑いにも貪欲で、浩平くんがいると現場も活気に満ち溢れ、空気が引き締まる。そういったことを意図せずにやってると思うんですけど、周りで見ていてそう感じました。浩平くんがいるだけで与えてくれる影響は大きいものだなって思っていて、今は頼れるお兄ちゃんです。仕事のことからプライベートなことまで、なんでも相談できるし、話せます。恥ずかしいことはもう何にもないくらい話せる間柄なので、これからもいろいろ頼っていきたいなって。

庄司さん:…今言ったところ、全部太字にしてもらっていいですか(笑)?
僕は途中参加なので「仮面ライダーガヴ」にクランクインしたときはもう4か月くらい経っていて、現場の雰囲気もある程度できあがっていたんですけど、現場の雰囲気が柔和だな、と。柔らかくてみんなリラックスした雰囲気でできてるなと感じました。少ない経験ですけど、やはり主演の方が現場の雰囲気を作るなと僕は思っています。だからきっと知念くんという子はそういう柔らかな部分が大きい子なんだろうなと思ってました。
作品に対しても役者という職業に対してもすごくまっすぐで高い志を持っている人なので、そこは僕自身、年齢やキャリアは関係なく、素敵だなと。尊敬するし見習わないとなって。僕はわりといろんなことをフラットに見ちゃうタイプなんですが、ヒデには「猪突猛進」みたいなところがあるんです。彼がなんで一心不乱にこの作品に取り組むかとか、仮面ライダーになりたいっていう1つのターニングポイントをどうして叶えられたかっていうのがすごくわかる人物だなって思います。
今はテレビシリーズも映画も撮り終わって、「仮面ライダーガヴ」というプロジェクト自体は徐々にクライマックスに向かっていますが、最初に会ったときとは彼の表情もだいぶ変わってきました。1年以上この作品に関わり、二十歳という年齢を迎えたこともあるけど、以前よりよっぽど大人っぽい顔をするようになりましたね。
ヒデは仮面ライダーガヴって作品が良い形で届くように、監督や役者陣、演出陣ともちゃんとディスカッションしながらやっていました。今回の映画は仮面ライダー作品に触れたことがないFANTASTICSさんのファンの方にも見てもらえるチャンスだからこそ、大人が見ても面白いと思うようにやらなくてはいけない、仮面ライダーの歴史だけに甘えてはいけないっていうところもありました。だからこそ、頑張ってるなっていうのはすごく見られたので、役者としてリスペクトしています。

家遊びも外遊びも目一杯楽しんだ二人の子ども時代
ご自身はどんなお子さんでしたか? また子どもの頃はどんな大人になりたかったですか
知念さん:僕は沖縄出身で、2年前に上京するまで沖縄で過ごしていました。ずっとテレビっ子で、習い事もいっぱいしてました。書道とか水泳とか、バドミントンとか、空手とか…。
庄司さん:字が上手いんですよ! 大人になってから気づくんですよね。字が上手いのって大切なんだな~って。
本当にそう思いますよね(笑) 。知念さんのその習い事は、みんな自分でやりたかったんですか?
知念さん:はい。テレビを見てるか習い事に行くかという毎日でした。学校では同級生の友だちと遊ぶよりは、少し上の学年のお兄さんたちと遊んでいました。例えば小学2年生なのに6年生のサッカーにいれて、って言って混ぜてもらったり。あと休み時間は職員室に行って、先生たちとしゃべってる方が楽しいとか、そんな感じでした。
庄司さん:大人たちと井戸端会議してたんだ(笑)。
テレビっ子といっても外遊びも好きだったんですね
知念さん:スポーツ全般、体を動かすのが大好きなんです。小さい頃のなりたいものは、三代目 J Soul Brothersさんか、「オールスター感謝祭」の司会者でした。そのくらいテレビを見るのが好きでした。
じゃあ今回FANTASTICSの皆さんと共演できたのは本当にうれしかったんですね。
知念さん:はい、かなりうれしかったです!
庄司さん:僕は小学2年生から大学までずっとバスケ一筋ですね。子どもの頃は父親が車で毎週末キャンプ場や大型の公園に連れていってくれたりしてアクティブに遊ぶけど、学校だと図書館にこもってるタイプで、年間50冊くらい本を読むほど本が好きだったんです。でもトレーディングカードが流行ったりゲーム機がいろいろ出てきたりした世代なので、一通りそういったものでも友だちと遊んでいました。


最後に映画の見どころを含めたメッセージをお願いします。
知念さん:ありがたいことにたくさんの方々に観ていただいているテレビシリーズがクライマックスに近付いてきて、作品にも勢いがあってという中での映画公開となり、とにかく早く皆さんに観ていただきたいです。今回は異世界が舞台ということで、オリジナルキャラがいつもと違う色を見せてくれると思います。仮面ライダー特有の「孤独」というのも今回の映画の肝になってくるので、ショウマ視点で描く物語を、よりたくさんの人に楽しんでいただきたいです。
そしてFANTASTICSのメンバーが「仮面ライダーガヴ」の世界観に入ったときにどう化学反応が起きるというのも楽しみにしていただきたいなと思います。自信を持って観てもらえる作品になっていますので、ぜひ劇場でお願いします。
庄司さん:たまたま以下同文です(笑)。
いや、そうですね、より多くの方に観てもらえる機会だなと思うのは先ほどもお伝えした通りで、冬映画がなかったことで、多くの仮面ライダーファンの皆さんが待ちに待った瞬間だと思います。そこは期待をパンパンに膨らませていただいて、その期待を裏切らない作品だと思いますので楽しみにしてください。「仮面ライダーガヴ」の根幹である、お菓子に関わるところも映画ではたくさん見られるし、きっと帰ったらお子さんと一緒にお菓子を作ったり、食べたりしたいって気持ちになれるようなこともあると思います。
すごくシンプルに楽しめる部分やポップな部分もあるし、ビターな部分もある。映画ならではのとてもこだわっているアクションシーンもたくさん見られると思うので、そこを楽しみにしていただければと思います。
知念さん:大事な人と、家族と、親子で、みんなで観に行ってほしいです!
映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』は映画『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』と同時上映。おまけムービー『ゴチゾウのなつやすみ』も!
ショウマと幸果の前に突如謎の扉が現れ、その扉にひきずり込まれてしまったショウマがたどり着いたのは、闇菓子が存在しない平和な世界でした。その世界にも「はぴぱれ」はあるけれど、そこではショウマの代わりにガヴをもつ”タオリン”という青年が働いていました。しかし彼には過去の一切の記憶がなく、タオリンの記憶を取り戻すためにショウマは協力することに。
そんな中、”カリエス”と名乗る男が平和な町を無差別に攻撃し始めます。平和を取り戻すため奮闘する二人がたどり着いたのは巨大な”お菓子の家”。何かをつかみかけた二人でしたが、カリエスは未知のゴチゾウで変身を遂げ、ショウマたちを追い詰めます。最恐の敵が手にした圧倒的パワーの根源とは、そして失われたタオリンの記憶とは…。

2025年7月25日(金)より全国ロードショー!
映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』
おまけムービー「ゴチゾウのなつやすみ」
同時上映:映画『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』
<キャスト>
知念英和 日野友輔 庄司浩平 宮部のぞみ
中島颯太 木村慧人 澤本夏輝 世界
千歳まち 滝澤 諒 川﨑帆々花 古賀瑠 / 塚本高史
原作:石ノ森章太郎
脚本:香村純子
音楽:坂部剛
アクション監督:藤田慧
特撮監督:佛田洋
監督:杉原輝昭
主題歌:FANTASTICS「Candy Blaze」 (avex trax)
映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会
©石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映
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取材・文/苗代みほ 撮影/黒石あみ(小学館)