その① 『色変わりムース』〜アルカリ性と酸性〜
身近にある、アルカリ性と酸性
紫陽花に青い花や赤い花があったり、アサガオの花が赤や青だったりするのはどうして?
同じように、食べ物に「酸っぱいもの」「苦いもの」があったりします。どうして?
この背景の1つには、アルカリ性と酸性という性質が関係しています。
【サイエンスポイント 】色素「アントシアニン」
今回登場するのが、「アントシアニン」という色素。小学生中学年なら見たことのある、「リトマス紙」という試験紙と同じ働きをする素材で、酸性の素材に触れると赤くなり、アルカリ性の素材に触れると青くなります。
例えば、「アントシアニン」を含むハーブティー(バタフライピー)を水に少量溶き、5個のグラスに注ぎます。左から、重曹/みりん/(何も加えない)/お酢/レモン果汁 を小さじ1ずつ加えて色変化を見比べてみましょう。
Ph値によって、アルカリ性〜酸性の度合いが色変化して可視化されます。紫キャベツやブルーベリーの煮汁、シソジュースにもアントシアニンが含まれるので、同じように実験をして確かめることができます。
こうすることで、身の回りの素材にアルカリ性〜酸性の性質があることがわかります。
紫陽花や朝顔の花の色も、実はこの働きが関係しているんですね。興味のあるお子さんは、さらに調べてみると面白いでしょう。
色が変わる!?サイエンススイーツ『色変わりムース』を作ろう
低学年のお子さんに、アルカリ性や酸性のお話は少し難しいけれど、「色が変わる!」という面白さをスイーツにして美味しく楽しく学ぶことができます。サイエンススイーツ「色変わりムース」のレシピを紹介します。
材料
豆乳クリーム 150ml、ブルーベリージャム 90g、顆粒ゼラチン 5g、レモン果汁 50ml、グラニュー糖 25g
作り方
鍋に豆乳クリームを入れて中火にかけ、鍋肌がふつふつとしてきたら火を止める。
ゼラチンを加えてゴムベラで混ぜ溶かし、ブルーベリージャムを加えて混ぜる。
型に流して、冷蔵庫で40分冷やし固める。ミントを添える。
レモン果汁にグラニュー糖を溶かしたシロップを、かけていただく。
レモン果汁をかけると、ブルーベリーに含まれる色素「アントシアニン」がレモンの酸性に反応して赤色に変化していく様子を確認できる。
実際に作って色変わりを体感したら、美味しく味わいましょう。
その② 『ふりふりアイス』〜凝固点降下〜
身近にある、凝固点降下
真夏日によく登場する「瞬間冷却パック」。叩くと冷たくなるの、どうして?
雪が降った翌朝、道路に白い粉が撒かれているの知ってる?どうして?
この背景には、「凝固点降下」という作用があります。
サイエンスポイント!「凝固点降下」
水は0度で氷になりますが、塩が加わった塩水は「凝固点」といって、冷え固まる温度が下がります。最大マイナス21度まで凝固点が降下するため、一般の冷凍庫の温度-18度よりも低い温度環境が出来上がります。
通常なら冷凍庫で数時間以上冷やし固めてつくるアイスクリーム。この塩水を使えば、冷凍庫と同等もしくはそれよりも低い温度であっという間にアイスクリームを作ることができます。
3分でできる!?サイエンススイーツ『ふりふりアイス』を作ろう
学年関係なく、どのお子さんにも楽しんでもらえるのが、「ふりふりアイス」。3分間シェイクシェイクして、美味しいアイスクリームを作りましょう。レシピを紹介します。
材料
生クリーム 100ml、グラニュー糖 10g、オリーブオイル 大さじ1、氷 300g、塩 30g
作り方
封付きポリ袋に、生クリームとグラニュー糖、オリーブオイルを入れる。
ひとまわり大きな封付きポリ袋に、氷と塩を入れる。
小さなポリ袋を中に入れて封をし、タオルでまく。
タオルの両端を持って、3分間上下に振る。
3分って、結構長いよ!親御さんと交代しながら、音楽に合わせながら、ふりふりシェイクです!
ポリ袋を取り出すと、アイス液が固まっていることがわかります。ディッシャーで器に盛り、お好みでスプリンクルをトッピング。
猛暑に嬉しいアイス。思い立ったら3分で出来上がるから、自由研究と言わずに楽しんでくださいね。
学べておいしい!サイエンススイーツに挑戦してみよう
おうちで、夏のサイエンススイーツ2選いかがでしたか? ここでは、「アルカリ性〜酸性」「凝固点降下」の2つのテーマを学び体験することができます。さらに、楽しく美味しく味わうことができるのも、サイエンススイーツの醍醐味。理科の要素は、男女問わず面白いテーマ。家族揃って、ぜひお楽しみください。
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文・構成/太田さちか