岡田将生&松坂桃李、映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』プレミアイベントで日本人特有の文化を痛感!「言葉にしないとちゃんと気持ちは伝わらない」

岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥の豪華キャストによるあの大ヒットドラマ「ゆとりですがなにか」が、6年ぶりにパワーアップして劇場版でカムバック!映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』が、いよいよ10月13日(金)より公開となりました。

あの大ヒットドラマが豪華キャスト勢揃いで帰ってきた!

2016年に日本テレビ系列で放送され、当時数々のドラマ賞を受賞するなど大反響を呼んだドラマ「ゆとりですがなにか」。<野心がない><競争意識がない><協調性がない>と揶揄される「ゆとり世代」のアラサー男子3人が迷いながらも人生に懸命に立ち向かうストーリーは、熱狂的な支持を集めました。

実に6年ぶり!の映画化となる今作では、ドラマに引き続き『舞妓Haaaan!!!』(07)や『謝罪の王様』(13)など、多くの大ヒット作品を生みだしてきた宮藤官九郎(脚本)&水田伸生監督による最強タッグと、岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥ら豪華キャストが全員再集結。

ドラマから月日が経ち、年齢も30代半ばとなった彼らにのしかかる家族や仕事、さらに新時代となるZ世代の登場や、叫ばれるコンプライアンス、台頭するSNSグローバル化など…令和ならではの様々な社会派問題にも絶妙に切り込みながら、爆笑あり人情ありのすべての世代が楽しめる人間ドラマに仕上がっています!

10月13日(金)より公開中の映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』(C)2023「ゆとりですがなにか」製作委員会

外国人限定のインターナショナルプレミアを開催!

インターナショナルな要素が多く盛り込まれている本作にちなんで、10月9日(月・祝)には「インターナショナルプレミア」をなんと海外でも人気の高い観光地・秋葉原にて開催!39の国と地域から集まった約100人の外国人限定の試写会を行い、岡田将生、松坂桃李、宮藤官九郎、水田伸生監督が上映後に登壇しました!

最初は少し緊張気味だった岡田将生と松坂桃李

本作を鑑賞した約100人の外国人の方たちを前に、少し緊張気味の面持ちのキャスト&スタッフ。岡田さんはこういうイベントがなかなかないので、どういう感じなのかなと思って緊張していたんですけど、皆さんの迎え入れてくれた笑顔がとても嬉しく、楽しい時間を過ごせたらなと思っています。

(外国人の方々を前に)海外の映画祭に来ているような感覚なんですけど、『違う違う、ここ秋葉原だよね』と自分にいま言い聞かせてます(笑)」と茶目っ気たっぷりに挨拶。

サラリーマンを辞め、家業の酒蔵を継いだ坂間正和役を演じた岡田将生

同じく松坂さんも「今日という日を楽しみにしていました。こんな機会は本当になかなかないので、皆さんに今こうしてお会いできることをすごく嬉しく思っています。どうぞ最後まで楽しんで帰ってください!」と笑顔を見せました。

脚本の宮藤さんも思わず「なんか旅行に来たみたいになっていますけど(笑)」と吐露しつつ、「どれくらい皆さんにゆとり世代っていうことも含めて、映画の内容を楽しんでいただけたのかすごく不安ですが、まぁまぁウケていたと聞いて、ちょっといま自信を持っています(笑)」とにっこり。

水田監督も「今日のために、カンヌ国際映画祭にも出さず、釜山国際映画祭にも持っていかず、秋葉原が最初でございますので(笑)。本当に皆さんの笑い声、直接そこに座って聞きたかったんですけれども、後ほどお話ができればと思います」とこの日のイベントをとても楽しみにしていた様子をうかがわせました。

優しく真面目だが、いまだに女性経験ゼロの小学校教師・山路一豊役を演じた松坂桃李

現代の地球がはらんでいる問題も盛り込んだ本作

脚本の宮藤さんに、松坂さんが「映画『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』みたいな話を、ゆとりの3人でできないか」と相談したのをきっかけに、本格的に映画化へと動き出したという本作。映画では様々なインターナショナルな要素も含まれているが、岡田は「ゆとり世代という言葉は、日本の皆さんは知っていると思うんですけど、海外の方々がゆとり世代というのを理解して伝わっているのかがすごく気になります」と心境を告白。

いっぽう水田監督は、タイトルの「インターナショナル」の真意について、「海外の方が出演したり、海外の言語が使われたりすることがインターナショナルではなくて、映画の中に織り込んでいるのは、現代の地球がはらんでいる問題。女性が生きづらい世の中であるとか、ジェンダーの平等、ハラスメントであるとか、常識もどんどん変わってきています。なので日本だけの問題ではなくて、地球上の問題であると捉えてインターナショナルと名付けています」と明言。

ドラマに引き続きメガホンをとった水田伸生監督

また本作では海外の方たちとの共演も多かったが、この映画でインターナショナルだなと感じる瞬間があったかと問われた松坂さんは、「撮影中待っている時間、基本的に会話に入れない(笑)。皆さんずっと英語で喋られているので、すごいにこやかに見ていました(笑)」と明かし、「撮影の合間に外国人の子役の子がお母さんとお話をされている瞬間があって、僕のことを指さしながら喋っていて、悪口を言われているのかなってすごいだんだん不安になってきたんですけど、目が合ったのでとりあえずにこやかにしておきました(笑)」と術懐。水田監督が「たまたま桃李君を指さしたんじゃないですか」とフォローを入れつつ、出演していた外国人の子役の子を大絶賛しました。「大人よりも子どもの方が心にガードがないので、打ち解けるとバンとできるようになる」とこれまでの経験を語る一幕もありました。

脚本を手がけた宮藤官九郎 (C)2023「ゆとりですがなにか」製作委員会

なぜかすぐに謝ってしまう日本人…!「すみません」の文化?!

さらに「Q&A」のコーナーへうつると、アメリカ人女性から「映画はとても楽しむことができました。ゆとりの世代というのはミレニアムに近いものがあって、世代としても理解することができましたし、映画もとても楽しむことができました」と感想を伝え、さらに「いろんな国際的な要素というのが映画の中に飛び交う中、日本人の自分が考えたとしても、これはちょっと不思議だなと思うようなことはありますか?」という率直な質問が。

これに対して岡田さんは「先ほど宮藤さんがおっしゃっていた、おそらく癖になっているんですよね、謝ることが。ドラマの時ももう何の感情もなく『失礼しました』っていうセリフがあったりするので、それはすごくドラマを撮っていた最中にもずっと思っていることでした」と吐露しました。

イベント中、笑顔が絶えなかった岡田将生

すると質問をしたアメリカ人女性も「もしかしたら、いろんな矛盾やぶつかりというのを避けるために、とにかく謝っておけばその場としては収まる、喧嘩したくないとか、そういう争いを避けるために、とりあえず謝っておくということかもしれないですけど…。でもいま日本の方が『なぜ謝っているんだろう』と仰っているのを聞いて、面白いなと思いました」とズバリ指摘。

松坂さんも「本当にその通りですね」と納得するいっぽう監督が、「争いは当然避けたいわけだけれども、『ごめんなさい』って言っても、うちの妻は『謝って済むもんじゃない』って言います(笑)」と返し、これには宮藤さんも「結婚すると変わりますから(笑)」と苦笑い。

終始、仲のよさをのぞかせていた岡田将生と松坂桃李

さらに韓国人留学生の男性から、「もし海外からオファーが来たらやりたいですか?」という質問には、岡田さんは「いやそれは飛びつきますよね」と即答。

松坂さんも「無論やりたいですね!」と意気込み、司会者から「そのかわり英語が必要になってきますよ?」と言われると、「まぁ、今日だけ?(笑)」と岡田さんがまんざらでもない顔で返し、松坂さんも「普段、僕らは英語でずっとやり取りしてるんで(笑)」とジョークを飛ばし会場の笑いを誘っていました。

ともにシックな黒のレザージャケットで登場した岡田将生と松坂桃李 (C)2023「ゆとりですがなにか」製作委員会

「言葉で伝えないとわからないと言われ」(岡田将生)、「言葉にする時は絶対に必要だと常々実感」(松坂桃李

さらに劇中にも登場する、感情を言葉で表さない日本人に対しての質問が出ると、岡田さんは「それも日本人特有というか、本音をなかなか言うことがないということは確かにあります。僕自身もそういう経験がありまして、『言葉で伝えないと分からない』って言われたことはあるので…。そこから僕も自分の人生の中で、感謝していること、思っていることは常々言葉にして相手に伝えていこうとしています。なので(劇中に出てくる)シーンでは、ちょっとお酒の力を借りて言っていますが、本当に本音がこぼれる瞬間というのをこの映画の中で収めてくれたのは、僕自身の言葉なのかもしれないなと思いながら、今お話を聞いていました」と回答。

水田監督から「気持ちを言葉で表すように」とアドバイスされていた松坂 (C)2023「ゆとりですがなにか」製作委員会

すると水田監督が、「本当に桃李くんはね、心がけなきゃいけないですね」と松坂さんに話をふると、「おっしゃる通りで。特に日本の男性は、言わなくても分かるだろう精神というものがどこかにあるというか。ただそれだと先ほど岡田が言ってくれたように、言葉にしないとちゃんと伝わらないものは伝わらない。言葉にする時は絶対に必要だというのを、常々学んで実感はしてはいるんですが、いざ面と向かって言うとなると、なんていうんでしょうね…ちょっと恥ずかしくなってしまうのは、日本人特有なのかなと思いますね(笑)」と自分自身のことを振り返っていました。

外国人の方々を前に、トークにも熱が入っていた4人(C)2023「ゆとりですがなにか」製作委員会

そしてイベントの最後には、岡田さんが「僕たちゆとり世代の3人が、いま起きているこの社会的な問題に対して必死にもがいている姿が、海外の方にも伝わるんだなと思い、また一つ自信に繋がりました。本当にありがとうございます。公開は13日からなので、ぜひ皆さん広げていただけたら嬉しいなと思います!」と呼びかけていた。

ドラマを見ていなくても存分に楽しめる本作を、ぜひスクリーンで堪能していただきたいです!

 

映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』

10月13日(金)より全国公開中!

キャスト:岡田将生 松坂桃李 柳楽優弥 安藤サクラ 仲野太賀 吉田鋼太郎

脚本:宮藤官九郎

監督:水田伸生

主題歌:「ノンフィクションの僕らよ」/感覚ピエロ(JIJI.Inc)

公式サイト :https://yutori-movie.jp/

(C)2023「ゆとりですがなにか」製作委員会

取材・文/富塚沙羅

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