丸善ジュンク堂書店・児童書担当おススメ本が勢ぞろい!
今回は、東京駅・丸の内oazoにある丸善丸の内本店の児童書担当・兼森理恵さんにご協力いただき、子どもたちが春休みにじっくりと腰を据えて、新学年へのドキドキを堪能できるような、丸善ジュンク堂書店おススメの児童書を教えていただきました!
「売れている本」ではなく「売りたい本」を!
丸善ジュンク堂書店の児童書売り場のキャッチフレーズは、「売れている本」ではなく「売りたい本」を!
担当者たちは、常に児童書へのアンテナを張り、お客様へ響く棚づくりを心がけています。そうした中この春、心からおすすめしたいと強く願う本をテーマごとに厳選し、オリジナルPOP(=FUN LETTER )をつけて紹介する企画が全店をあげて始まっています。その名も、
『丸善ジュンク堂の推し本BOOK FUN LETTER~わたしの好きな本教えます~』
書店で興味をもったら本を手に取って読み、本に挟んである専用用紙に感想を書いて、お店のBOOK FUN LETTER専用ポストまたは応募箱に入れてもらうと、X(旧Twitter)上でお返事が届くかも?という企画です。
春休みのいつもよりゆっくりと本が読める機会に、BOOK FUN LETTER企画内で厳選した、丸善ジュンク堂書店員たちが熱く推す、読み応えたっぷり春の児童書をご紹介いたします。
小学校1,2年生向けのおすすめ
丸善 広島店・中村さん推薦
『ちいさなトガリネズミ』(作・みやこしあきこ 偕成社)
働き者のトガリネズミの一日は、朝6時に起きて7時8分の電車で職場に向かい、テキパキと仕事をして5時には退社。夕ご飯にミルクとくろパンを食べて9時半にはベッドへ。子どもたちにささやかな日常の愛おしさを伝えます。
【ポイント】
「いつもこんなふう」というトガリネズミの一日ですが、休憩時間にシャコッとかじるりんごや帰り道に寄るパン屋、ラジオから流れる天気予報など、同じような毎日でもトガリネズミの生活を通して見ると、とても愛しく感じられます。一人でじっくり味わいたくもあるし、誰かにトガリネズミのことを教えたくもなる絵童話です。
小学3,4年生向けのおススメ
ジュンク堂書店 吉祥寺店・嶺さん推薦
『コトノハ町はきょうもヘンテコ』(昼田弥子・作 早川世詩男・絵 光村図書出版)
「道草を食ってはいけません!」なんて言われたこと、ありませんか?
おつかいの途中、のんびり道草しているみんなを見て、ついつい自分もやわらかそうな草を口に入れてしまってむしゃむしゃ。そうしたらお尻に根っこが生えちゃって、お使いのあんころもちを待ちわびたおじいちゃんの首は長く伸びちゃって……おやおや、なんだか様子がおかしいですね。
そう、ここはコトノハ町。ことわざや慣用句が言葉通りに起こる町です。
【ポイント】
ちょっとふしぎでおかしなコトノハ町と、そこに住む小学生・レンちゃんの日常をこっそり覗き見しながら、知っていることわざや慣用句がいくつあるか、あなたも見つけてみませんか? 最後にはお話に出てきたことわざや慣用句を解説した「ことば辞典」もついていて、ことわざがより楽しくなってきますよ。
丸善 丸の内本店・木村さん推薦
『ひみつだけど、話します』(堀川理万子 作・絵 あかね書房)
電車が好きな足立くん、駄菓子屋のひもあめに憧れる小川さん、 生きもの博士のうっちゃん、学校に 行きたくないしゅうこの4人で織りなす、みんなの小さな「秘密」の物語。自分のクラスでもありそうな、とても身近なお話たち。
【ポイント】
5人目のクラスメイトになった気持ちになれます。生き生きとした 8歳の毎日が、ここにあります。最後のシーンでは一緒に踏切の前に立って、彼らとは昔からの友だちで、自分もいっしょに電車を見たような 気持ちになりました。
全ての 8歳経験者と、これから 8歳になる君へ。届け!!!
小学校5,6年生以上のおすすめ
丸善 高島屋大阪店・松本さん推薦
『どろぼうのどろぼん』(斉藤倫・作 牡丹靖佳・画 福音館書店)
どろぼんはどろぼうの天才。どんな家だって入れるし、「もの」の声が聞こえるどろぼん。そして絶対に捕まらない。そんなどろぼんがある雨の日、捕まった。なぜ?
【ポイント】
どろぼんが取調室で語るお話に、警察(!)も読者もぐんぐん引き込まれていきます。最後まで目の離せない展開に素晴らしい挿絵。詩人でもある著者、斉藤倫さんの選び抜かれた言葉の 数々がスッと心に響き、気付けば涙がつたって止まらない。これぞたくさんの人に読んでほしい愛読書候補ナンバーワンです。
ジュンク堂書店 藤沢店・鈴木さん推薦
『ハジメテヒラク』(著・こまつあやこ 講談社)
小学生の頃にある失敗をしたことで脳内実況をしつつ日常をやり過ごすという特技ができた主人公。ひょんなきっかけで生け花部に所属したところ……。
【ポイント】
生け花部の仲間たちと少しずつ打ち解けていく様子は”THE青春”。
先輩や友達の話を聞くうちにどんどん主人公も自分からチャレンジしていく姿は読んでいて一緒にどきどき、読み終わればぽっと温まった前向きな気持ち。脳内実況×生け花、という一瞬”奇抜な……”と感じてしまいそうな組み合わせですが、すとんと腑に落ちるように紡がれる物語の世界へあなたも踏み出してみませんか!
丸善 丸の内本店・木村さん推薦 ☆丸善 丸の内本店オリジナル推薦本
『メイドイン十四歳』(著・石川宏千花 講談社)
勉強はできるけど、特殊能力があるわけでも、特別かっこいいわけでもない、絵に書いたような「いい子」の主人公。そんな彼の元に透明人間の転校生がやってきた⁉
【ポイント】
うまく人生を生き抜いている(ように見える)主人公を書かせたらピカイチの作家。石川宏千花さんが今回主人公に選んだのは、なんの変哲もない“フツウ“の中学2年生! これまで、なんとか大変な問題もなく生き抜いてきたあなたにこそ読んでほしい、自分を見つける物語です。
本を読んだら「ファンレター」を書いてみよう!
丸善ジュンク堂書店の児童書コーナーには、ブックファンレターの専用ポストがあります。おススメの本を読んでみたら、読んだ感想・想いを書いてお店に行って、ポストにファンレターを投函してみましょう。
X(旧Twitter)でお返事が届くかもしれません。パパママのアカウントで、ぜひフォローしてみてください。
丸善ジュンク堂書店“ブックファンレター”の公式Xは>>こちらから
また、今回伺った丸善丸の内児童書売り場は「本との出会いの場所」となるよう、他にも様々な工夫がされています。
店内の壁面では常に人気絵本・児童書の原画展が展示されていて、現在は絵本作家こみねゆらさんの原画展が開催されています。
絵本も児童書も充実し、本との出会いを演出する様々なしかけや棚づくりが行われている丸善ジュンク堂書店の児童書コーナー。担当の兼森さんは「本屋さんにいくことで、いろいろな意味での“はじめの一歩”を踏み出す機会となります。ぜひ、直接書店で本に触れてみてください」と言っています。
春休みは宿題のない小学校がほとんどです。ぜひこの機会に、お子さんと一緒に近くのお店で、じっくりと物語の世界を楽しめるような本を選んでみてはいかがでしょうか?
教えてくれたのは・・・
丸善丸の内本店
〒100-8203
東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾ1階~4階
公式HPもチェック!
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取材・文/徳永真紀