発達性協調運動障害(以下DCD)は、Developmental Motor Coordination Disorderの略で、発達障害の一種です。主な特徴は、過度に運動が苦手だったり、不器用なことです。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などの発達障害と併存しているケースが多いと言われています。また学齢期のDCDの割合は5~10%とかなり高いのも特徴です。
乳児期のサインの1つは、むせやすいこと
DCDは、実は乳児期からサインが見られ、その1つがミルクを飲んだりするとむせやすいことです。
ウノも生後1ヵ月ぐらいからミルクを飲むとむせやすかったのです。離乳食を始めても、おかゆを食べるだけでむせていました。でも吐いたりしないので、とくに心配はしていませんでした。小児科や乳児健診で相談したこともなかったのです。
ハイハイは遅かったけれど、おとなしくて育てやすい子だった
寝返りやハイハイを始めるのが遅めだったり、動きがぎこちないのがDCDのサインとも言われています。ウノもハイハイを始めたのは少し遅めの10か月ごろでした。手の力だけでハイハイしようとしていたので、私の祖母に「抱っこばかりしているから、ハイハイが遅いんだよ」と言われて、私のせいなのかな?と思ったこともあります。スマホを触りたがるので、スマホを目の前に置いて、スマホを目指してハイハイするように働きかけたこともあります。
でも、そのほかは気になることはとくにありませんでした。よく寝てくれて、おとなしくて育てやすい赤ちゃんでした。
1歳半で、滑り台から落ちた!
DCDは、運動面に課題が多いのが特徴です。ウノも1歳半ごろ滑り台をさせようとしたら、上からコロコロ転がって落ちてきたことがあります。家の中でも、寄りかかって座っていることが多かったので体幹が弱いのかな?と思いました。
また、幼稚園年少のときキックバイクを買おうと思い見に行ったら、乗った途端にバランスがとれなくてそのまま倒れてしまったんです。ウノは怖くなってしまったみたいで「いらない!」と言い出しました。
幼稚園では縄跳びが跳べないなど、まわりの子と明らかな違いが
幼稚園に入園すると、ウノの運動オンチはさらに目立つようになりました。
縄跳びが飛べないんです。ウノから「上手な子は150回も跳べるよ~」と聞いて驚き、焦りました。担任の先生からは「練習してくださいね」と言われたのですが、私が必死で教えても、できないんです。
年長のとき、幼稚園でドッジボール大会があって応援に行ったのですが、ウノは逃げてばかり。ボールもキャッチできないし、投げるチャンスが回ってきても明らかにフォームがおかしいんです。私から見ても3歳ぐらいの子の動きに見えました。
でも、ウノは気にする様子がまったくありませんでした。ドッジボール大会の後も「僕は逃げる専門~」と言って笑っていました。幼稚園の先生も単なる運動オンチと思っていたようです。このころのウノは外遊びは嫌いで、私のおさがりのゲーム機に夢中になっていました。受診を勧められることもなかったので、楽しそうに遊ぶウノを見ながら、私は、このままでいいのだろうか、と不安になり始めていました。
入学後は、手先の不器用さからなぞり書きが上手にできない
でも、小学校に入学してから、ウノは壁に突き当たります。
ウノの小学校は、「外遊び月間」というのがあり、全員、休み時間に校庭で遊ぶルールがあります。どうやら友だちとトラブルがあったようです。帰宅後、詳しい事情は話してくれませんでしたが、「もう校庭では遊ばない!」の一点張り。先生からも「ウノくんが嫌がって校庭に出ないんです」と電話があり、「うちの子大丈夫かな?」と心配しました。後からわかったのですが、休み時間、ウノが苦手なサッカーをすることになりもめたようです。
学習面では、小学1年生のときは、なぞり書きが苦手。きれいになぞれないんです。DCDは、運動面の苦手だけでなく、過度な手先の不器用さも特徴です。
小学生になっても逆上がりができず、球技は苦手。体育の授業が苦痛になっていました。
自転車はやっと乗れるようになりましたが、明らかに友だちよりも下手でした。小学生のころは、友だちと自転車で出かけて、みんなについていけなくて迷子になったこともあります。
コロナ禍に突入したことで、ゲームを通しての友だち関係は良好に
そうこうするうちに、時はコロナ禍に突入。
生活様式はガラッと変わり、外遊びが苦手なウノは、家で正々堂々とゲームを楽しめる日々になったのです。オンラインゲームを通じで友達とも対等に遊べるようになり、親としては「子どもの居場所」ができたと感じ、「友だちがいないわけではないから…」と安心していたのですが…。
DCDと診断されたウノくん親子は…
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取材・構成/麻生珠恵