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最も高いハードルは本を読み始めること。まずは本選びに役立つ動画をチェックしよう
今まで読書感想文といえば、作文の書き方に焦点が当てられていたなか、「書く」段階の前のステップである「読む」ことに着目。課題図書を動画で紹介し、子どもたちが本に興味を持ち、楽しく読むことができるようになる新しい取り組みが今注目されています。
「あらすじ」や見どころを子ども向けの動画で紹介
読書感想文に取り組むときの一番高いハードルは、全く知らない本を手に取って読み始める段階です。そのハードルを下げてあげ、子どもたちが本に興味をもつきっかけをつくることを目的として誕生した今回のコラボ動画。
1冊の本につき約5分間の動画が作成されており、ヨンデミーの講師2人が課題図書の本の登場人物や背景、場面、見どころなどを対話形式で紹介。
まるで映画の予告編を見ているようなワクワク感が満載で、「話の続きが気になる!」「おもしろそう!」「本を読んでみたい!」と思わせてくれる本の紹介動画になっています。
本嫌いな子も本が読みたくなる導入の仕方に注目!
動画は、本のあらすじだけではなく、子どもたちの好きなものや身近な経験とつなぎ合わせながら本のテーマに近づけていく構成になっています。
例えば、アザラシが主人公の本の場合、以前行った水族館のことをまず思いだしてから、本題に入っていくようになっており、それぞれの子が自分の経験とつなぎ合わせながら、本の内容に好奇心が抱けるように工夫されています。
さらに、本のしかけや読むときのポイントの解説、作者や本の制作にかかわった人からのメッセージが動画の最後に添えられており、本が読みやすくなるヒントが盛りだくさん。
楽しく本が読めたら読書感想文を書くのもお手の物! 読書感想文の宿題の取り組み方をマスターして、夏休みの宿題を仕上げていきましょう!
本選びから書く前までが肝心!誰でも読書感想文がぐ~んっと書きやすくなる
読書感想文の宿題は、担任の先生によって課題図書がきまっていたりそうでなかったり…。本嫌いな子にとっては、読書感想文の宿題は毎年苦い思い出…。
しかし、実は本嫌いな子でも前述で紹介したコラボ動画をヒントに、ちょっとした工夫とサポートで感想がどんどんわいてくる方法があるんです!
ご家庭でできる本選び~感想文を書く材料集めまで、読書感想文の宿題の取り組み方をYondemy代表の笹沼さんに教えてもらいました!
読書感想文は難しくない!4つのステップで苦手意識をなくして楽しもう
読書感想文の宿題に取り組むときの大事なポイントは、①自分に合った本選び、②読書を楽しむ、③「自分のこと」について書くということ。
このポイントを意識しながら、以下の4つのステップで読書感想文の下準備を始めていきましょう!
ポイント① 自分に合った本選び
▼STEP1:興味のありそうな本をいくつか選んでみよう!
自分で本を選んで読書感想文を書く「自由読書」の場合、自分にぴったりの本選びの準備から始めましょう。まず、図書館に行って興味のあるテーマの本を5~6冊借りてきます。
動物園で見たことがある動物をテーマにしたものや、クッキングが好きな子は料理の本など自分が関心のあるテーマを題材にした本を探してみましょう。
本に全く興味がないというお子さんには、ヨンデミーの課題図書紹介動画を参考にしながら、保護者のみなさんが、登場人物や場面を描写したあらすじや見どころを簡単に解説してあげてみてください。その時に、お子さんが好きなものや過去の経験とつなげて話をしてあげると身近に感じやすく、その本に興味がわきやすくなるでしょう。
▼STEP2:一冊を決めてみよう!
次に、実際に読む本を一冊決めましょう。その時のポイントは、本人が読んでみたいと思った本を選ぶこと。
どうせ読むなら何か学べる本や、ちょっと難しい本にチャレンジしたほうがいいのかな…?と思いがちですが、背伸びする必要はありません。自分の読書レベルにあったものを選ぶようにして、少し簡単そうと思えるくらいの本を選ぶのがベストです。
また、「つまみ食い読書法」もおすすめです。借りてきたそれぞれの本を冒頭から5分ずつ読んでみて、「続きを読んでみたい!」と思った一冊を選んでみてください。
自分が興味のある本を読むことで、読書感想文が書きやすくなる近道となります。自分にぴったりの本を探して、いよいよ実際に本を読んでみましょう!
ポイント② 読書を楽しむ
▼STEP3:本を楽しみながら読んでみよう!
本を読むときの重要なポイントは、読むことに集中して、とにかく本を楽しむことです。
読書感想文を書くことを考えながら読んでしまうと、おもしろくなくなったり、途中で読むのが嫌になったりすることも。感想文を書くことを忘れて、ひたすら読書を楽しみましょう。
また、読書の途中で読むのが嫌になったら、無理に読もうとせず、読むのをやめてOK。興味がわく新しい本をまた探し直して、もう一度読書にチャレンジしてみてください。楽しい!と思える本を読むと、感想が自然とわいてでてくるはず。自分が気に入った一冊の本を探してみましょう。
ポイント③「自分のこと」について書く
▼STEP4:読書後に、自分の経験と照らし合わせてみよう!
本を楽しく読み終えたら、感想を親子で共有し会話を楽しみましょう。印象に残った場面を話してもらい、なぜそのように思ったのか「連想ゲーム」のようにひとつのポイントを深堀りしていきましょう。
「おもしろかった!」という感想だけがでてくることが多いかと思いますが、そんな時は、「おもしろかった!→どこの場面?→なんで?→自分だったらどうする?」という風に聞いてあげ、具体的に面白かったと思ったポイントを深堀りしていきましょう。
自分の過去の経験を振り返って比べてみたり、登場人物に似ている身近な人を思い浮かべたりすると連想しやすくなります。
<例>本のなかで印象に残ったシーンが、「夕焼け」だった場合
子:「わたしも夕焼けを見たことがある!」
親:「いつ見たの?」
子:「バレエの帰り道」
親:「どう思った?」
子:「練習を頑張って疲れていたけど、きれいだなと感じた」
バレエの練習後「なんでそう思ったのか?」という部分を深く考えていくと、感想文の内容がさらに広がっていくでしょう。
このように、本の全体の内容についての感想を絞り出していくより、物語の印象に残ったワンシーンを自分と比べて広げていくほうが、感想が出やすくなり、読書感想文の材料がどんどん集まっていきます。
また、本で出てきた事柄を実際にやってみると、より感想がでてきやすくなります。親子で一緒に考えながら、ぜひ連想ゲームのサポートをしてあげてください。
読み始める前から不安だらけ。そんな時は?
分厚くて難しそうな課題図書…本当に読めるか不安
読書感想文の本が指定されている「課題図書」の場合、高学年になるとページ数の多い本の課題が増えてきて、読み始める前から読書に対するプレッシャーを感じやすくなります。全部読み終えられるのか…、難しそうな本の読書感想文が自分に書けるのか…と不安になりがちです。
しかし、読書感想文は、本の紹介文ではなく、「自分のこと」について書くことなので、本を最後まで読み終えなくても読書感想文を書き上げることは可能です。本を読む前の不安をなくして、読書に集中して思いっきり楽しみましょう。
それでも読めない場合は、本のひとつの場面を取り上げて、過去の自分の経験を振り返り、照らし合わせてみるといいでしょう。
読書感想文に正解はなし!「自分」が思ったこと、感じたことを考えてみよう!
読書感想文は、一種の「自己紹介文」のようなものです。本の内容や登場人物に共感しなければいけないのかな…と思いがちですが、共感したこととそうでなかったこと、今までの自分の経験とどう違うのかなど、肯定的な意見だけではなく、否定的な意見を書いてもいいということをぜひお子さんに教えてあげてください。
自分だったらこうしたのに!自分はこう思う!といった主張を入れて「自分」についてどんどん書いていきましょう!
本選びに困ったときは、「ヨンデミーちゃんねる」の無料動画をチェック!
自由課題の本選びに悩んでいる場合は、ヨンデミーのYoutubeチャンネル「ヨンデミーちゃんねる」をチェック! 子ども向けに作った絵本・児童書の紹介動画が配信されており、無料で視聴することができます。
ヨンデミー独自の指標に基づいた本の難易度別に紹介されているので、それぞれのお子さんのレベルに合った本選びのサポートをしてくれます。
この夏の読書感想文は、自分にぴったりの本を探して読書を楽しむことから始めてみましょう!
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◆お話を伺ったのは…
教育に読書を取り入れる分野で第一人者の澤田英輔氏の指導を受ける。英語多読講師の経験も活かし、大学在学中の2020年4月に中学以来の友人と「Yondemy」を起業。「子どもの読書離れ」という課題の解決に向けて、同年12月にオンライン読書教育「ヨンデミーオンライン」のサービス提供を開始。2年間で累計3500人以上の会員登録者数を誇る。
文・構成/HugKum編集部