沖縄の「ポークたまごおにぎり」のポークって何? お弁当に便利! 基本の作り方とアレンジを紹介

沖縄でポピュラーなおにぎりといえば「ポークたまごおにぎり」。沖縄の家庭ではよく食べられていて、子どもから大人まで大人気のおにぎりです。本記事では、そんな「ポークたまごおにぎり」について、特に「ポーク」とは何か、作り方などを紹介していきます。

日本人のソウルフード「おにぎり」。全国各地には、その土地の名産を使ったおにぎりが多くありますよね。沖縄にも、ご当地おにぎりに「ポークたまごおにぎり」があります。

沖縄のおにぎり「ポークたまごおにぎり」とは?

「ポークたまごおにぎり」とは、「ポーク」と呼ばれるランチョンミートと、卵焼き、ご飯を海苔で挟んだ、沖縄発祥のおにぎりのことです。略して「おにポー」などとも呼ばれています。

一般的なおにぎりは、三角形や俵形をしているものが多いですが、沖縄の「ポークたまごおにぎり」は、「にぎる」というより「挟んだ」といったイメージ。「おにぎらず」に近い形をしているのが特徴です。

「ポーク」って何?

沖縄で「ポーク」と呼ばれているものは、「ランチョンミート」のことです。

「ランチョンミート」とは、主に豚肉などの食肉に、香辛料や調味料を加えて加熱したもので、主に缶詰にして売られています。牛肉や鶏肉を使用することもあります。

すでに加熱してあるため、炒めたりしなくてもそのまま食べることができるんです。

スパムやチューリップとの違いは?

食肉の加工品といえば、「スパム」や「チューリップ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

実は「スパム」も「チューリップ」も商品名で、ランチョンミートの一種。生産国が違うだけなのです。「スパム」はアメリカが生産国、一方で「チューリップ」は、デンマーク産のランチョンミートで、味や形は大きく変わりません。

ちなみに、沖縄県民には、それぞれ好みの「ポーク」があり、「スパム派」より「チューリップ派」のほうが多いそうです。

「ポーク」は沖縄でポピュラーな缶詰

「ポーク」は沖縄ではポピュラーな缶詰で、おにぎりの具や、ゴーヤチャンプルなどの炒め物など、家庭料理によく使われています。

ポーク入りのゴーヤちゃんぷる

戦後の食糧難に広まった

なぜ沖縄で「ポーク」が広がっていったのかというと、きっかけは戦後の食糧難。アメリカ軍から支給されたランチョンミートが沖縄の家庭に定着していったといわれています。

沖縄で開発製造された「ポーク」も

「スパム」や「チューリップ」といったランチョンミートの他にも、沖縄県産の豚肉を使うなど、沖縄で作られたオリジナルのポークもあります。

沖縄で買う「ポーク」は安い⁉︎

スパムなどのランチョンミートは、高いイメージがありませんか? しかし、沖縄では、本州で買うよりもずっと安く購入することができるそう。そのため家庭料理にもよく使われるているんですね。

子どもも大人も大好き「ポークたまごおにぎり」

「ポークたまごおにぎり」は、子どもから大人まで大人気のおにぎりです。沖縄には、コンビニやスーパーなどでは、必ず売られています。また、「ポークたまごおにぎり」の専門店もあります。

いろんなバリエーションがある

プレーンは、ポークと卵焼きを挟んだものですが、沖縄のあぶら味噌を入れたり、ゴーヤの天ぷら、ツナマヨなどを入れたものなど、最近ではバリエーション豊富な「ポークたまごおにぎり」が食べられています。

「ポークたまごおにぎり」の材料や作り方を紹介

「ポークたまごおむすび」の材料はいたってシンプル。それでいてボリュームもあり、忙しい朝のお弁当などにもおすすめです。材料や作り方を紹介していきます。

材料(1個分)

・ランチョンミート… スライス1枚
・溶き卵… 1個分
・焼き海苔… 1枚
・ご飯… お茶碗1杯分
・塩… 少々

作り方

1.ランチョンミートをお好みの太さにスライス(1cm弱くらいがおすすめ)します。

2.フライパンで油を入れずに、1のランチョンミートを両面焼きます。

3.焼けたら火からおろし、キッチンペーパーで余分な油をふきとっておきます。

4.軽くフライパンの汚れをとり、油をひき、溶き卵に塩を入れて混ぜ、焼きます。

スパムと同じ大きさくらいにするときれいに包めます。

包み方

1.ラップを敷き、その上に海苔をおきます。

2.ご飯を全体的に伸ばします。

3.2の上半分に焼いたランチョンミート、卵をおき、下から折るように挟みます。

4.形を整えたら完成です。

ラップで包むことで持ちやすく、またそのままお弁当に入れても、おにぎり同士がくっつきにくくなります。

また、レタスやチーズ、ツナマヨ、明太マヨ、大葉、かつお節などを一緒に挟んでも美味しいです。具材のアレンジを楽しんでみてください。

簡単「アンダンスー」の作り方

沖縄では「ポークたまごおにぎり」に、「アンダンスー」や「油味噌」と呼ばれる、肉味噌を入れることが多いそうです。

フライパンで簡単に作る「アンダンスー」の作り方を紹介していきます。

【材料(作りやすい量)】

・豚ひき肉… 150g
・味噌… 80g
・砂糖… 30g
・酒… 大さじ1
・みりん… 小さじ2
・おろししょうが… 小さじ1

【作り方】

1.ブライパンで豚ひき肉を炒め、出てきた余分な油をキッチンペーパーなどでしっかり拭き取ります。

2.1に酒を入れ、汁気がなくなるまで煮ます。

3.2に味噌、砂糖、みりん、おろししょうがを入れ、焦げないように混ぜながら弱火で5分ほど煮たら完成です。

保存用器に入れて冷蔵保存で2~3週間は日持ちします。

余ったランチョンミートはどうする? 保存方法は?

おにぎりだけでは使いきれなかったランチョンミートは、冷蔵保存か冷凍保存することができます。

ランチョンミートを使いやすい大きさにカットし、1枚ずつラップで包み、フリーザーバッグに入れます。冷蔵保存で約1週間、冷凍保存なら3~4週間の保存が可能です。

沖縄のおにぎり「ポークたまごおにぎり」はお弁当におすすめ

沖縄のご当地おにぎり「ポークたまごおにぎり」について紹介してきました。沖縄ではポピュラーなおにぎりですが、今や他府県でも広まってきていますよね。ランチョンミートと卵焼きが挟んである「ポークたまごおにぎり」はボリューム満点。それだけでお弁当として成立するので、忙しい朝のお弁当にもおすすめです。

また、中に入れる具材のアレンジをして楽しむこともできます。ぜひ沖縄の味を自宅でも楽しんでみてください。

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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

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