生活編:一緒にやってみる→見守りながらひとりで
傘を閉じた後のたたみ方
傘の開閉はできるけど、傘を閉じた後にきちんとたたむことができない、ネーム紐の留め方がわからない、という子もいます。お子さんができるかどうか確認してみてください。
また、午後から雨予報の日など、折りたたみ傘を持たせることもあるかと思いますが、普通の傘と違って収納に手間取る子も。折りたたみ傘の使い方も何度か試しておくとベター。
レインコートのたたみ方
レインコートを着用して登校する場合、学校に到着するとたたまなければならない学校もあります。フックにかけることができない学校の場合は、たたむ練習も必要です。
ビニール袋を持たせて、その中に入れて管理する学校もありますので、進学先の学校がどのような管理をしているのか、学校に聞いてみたり、近所の先輩パパさん、ママさんに聞いてみてください。
自分が食べられる食事量の目安
昔は「給食は残さず食べる」が基本でしたが、今は「チャレンジしてみよう」という考え方が基本です。好き嫌いや少食が心配な場合は、どれくらいの量のご飯が食べられるのか、自分の食べられる量を把握することを、普段の食事から意識してみてください。給食の時間には、初めから少なく取り分けるなどの配慮を行っている学校が増えています。
通学路を「子どもを先頭にして」歩いてみる
親御さんがびっくりされるのが、毎年おうちへの帰り道がわからなくなってしまうお子さんがいることです。朝は全学年が同じ時間帯に学校へ向かうので、なんとなく正しい道を行くことができますが、いざ帰宅する時間になると…「あれ? どっちから来たかな?」と迷ってしまうお子さんもいます。
盲点は、「入学前に何度も一緒に歩いたから大丈夫だろう」と親が思っていても、親が隣にいると、子どもは案外周りを見ていないことです。安心してしまうのですね。目印の建物など、親の説明を実は聞いていなかった、ということは少なくありません。
通学路の登下校の練習は、初めはお子さんと一緒に歩いてみて、その後は親御さんがお子さんの後ろからついて行き、ひとりでも道順を把握しているかどうかを確認しておくと安心です。
水筒のお水を補充するという考え
最近は学校に水筒を持参する学校が増えています。大人は、中身がなくなったら補充するという考え方がありますが、意外とお子さんにはなかったりします。「水筒の中身が空になったら、水道のお水を入れてもいいんだよ」と教えてあげてください。
学校によっては、ウォーターサーバーを設置しているところもあります。その場合は、使い方を含めて担任の先生に説明していただくなど、フォローが必要な場合もあります。
さらに夏になると、学校から自宅までの距離が遠い子の場合は脱水の危険性も。中身がなくなったら下校前に補充しておく、などの対策を取るといいでしょう。
学習編:机の上での勉強よりも体験を!
手先を使う遊びをふんだんに
ひらがなや漢字、計算の練習は、入学後にも授業や宿題で繰り返しやることになるので、先取りをしなくても心配ありません。十分な学習時間を確保することができます。
それよりも、低学年は感覚を養うのに大切な時期。粘土を使った工作とか、折り紙、ハサミなどを使って遊ぶことが多いと、脳を活性化させ集中力を養うことができ、後の学習に生きてきます。
担任の先生や学校の方針にもよりますが、毎日親御さんがチェックしないといけない宿題が出る学校もあります。その場合は、親御さんが「お子さんの宿題チェックの時間が必要になる」と心構えしておくといいかもしれませんね。
実物を持つ、数える
ぜひお子さんと一緒にスーパーに行って、野菜や果物を数えたり、実際に買ってきて、りんごの重さや丸みを感じたりしてください。数や量の概念、空間認識を養うことにも繋がります。
特に算数は、机の上での学習になると数字を使って計算をしていきますが、低学年のうちに数や量の感覚、空間認識能力が育っている子は理解がとても早いです。心配してプリント学習を早くから行うよりも、実物や数の量感覚を養うことを意識してみてください。
学習面での不安があるのはどのご家庭も同じです。読み書き計算などにとらわれずに、経験や体験をたくさんさせてあげてください。苦手なことやできないことがないお子さんはいません。子どもたちはそれぞれのペースで成長していきますので、焦らなくても大丈夫です。
最も大切はのは親子での会話!お父さん、お母さんの小学生時代のお話を
楽しかったエピソードでワクワク感を高めよう!
「うちの子は大丈夫かな?」と心配しても、実際に入学してみたらそんなに心配することはなかったというパターンもあれば、逆に「大丈夫だろう」と思っていたら、頻繁に学校で泣いてしまう…というお子さんも。実際に入学してみないと、お子さんの様子はわかりません。
お子さんがどうなるかわからない状況でも、親御さんがしてあげられることがあります。それは、お父さん、お母さんが自分が小学生だった頃のお話をたくさんすることです。
楽しかった思い出や、面白かったことなど、学校は楽しいところだよ、というエピソードをたくさん伝えてあげてください。不安があるお子さんは心強く感じますし、ワクワクしているお子さんはさらにワクワクして、楽しいスタートを切ることができます。
お父さん、お母さんの失敗談は子どもの支えに
学校は毎日たくさんのお友達がいて、いろいろな初めてを経験するところです。もしお子さんがお友達関係や、苦手なことで悩んでしまったら、まずはお父さん、お母さんも共感してあげてください。
そして、自分も子どもの頃に悩んだこと、解決することができた経験があればそのお話、解決できなかったけど、こんなことが自分の支えになっていたなど、失敗談や成功体験を何度でも話してあげてください。
お父さん、お母さんだって昔は子ども。その経験談がお子さんの学校生活の支えになります。
遠慮せずに担任の先生とのコミニュケーションを
何か少しでも不安なことがあれば、担任の先生に気軽に相談してみてください。相談でなくても、普段家庭でこんなことを話していますというような情報でも結構です。それをヒントに、教師は子どもたちと深く関わっていくことができます。
相談がある場合には、連絡帳に時間をとってほしい旨を書いていただければお時間を作ることができます。家庭と学校とで連携してお子さんを見守っていきましょう。
>>佐々木先生が保護者のお悩みに答えた記事はこちら
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構成・文/鬼石有紀