新しい環境への適応が難しい新学期、学用品の工夫で応援
もうすぐ進級・進入学の時期。どんなお子さんもソワソワする時期かと思いますが、発達障害のある子どもにとって環境の変化は大きなストレスがあります。
もうすぐ小学校を卒業する筆者の息子は、授業や学校生活でさまざまな困り事があり、その度に色々な工夫をしてきました。その中から新学期を迎える際に行って良かった工夫をご紹介したいと思います。
教科ごとのファイルで整理
学年が上がってくると、教科ごとに使うアイテムが増えていきますよね。国語なら教科書・ノート・漢字ドリル・漢字ノート、社会なら教科書・ノート・地図帳・資料集、といった具合。整理整頓の苦手な息子は、次の教科で必要になるものが休み時間のうちにうまく準備できず、4年生のときは1冊のノートに全教科の内容を書いていました…。
そんな頃、HugKumの過去記事で知ったこの方法は息子にヒット! 100均のクリアファイルを教科の分だけ用意し、同じ教科で使うものは全てその中に入れるという方法です。授業でもらったプリントもとにかくそこにしまっておけば、ランドセルがぐちゃぐちゃ、頭の中もぐちゃぐちゃということを防ぐことができます。
教科書やノートが管理できずに困っているお子さんには、是非試してみていただきたいです。
配られた教科書に合わせて、音声教科書を用意
文字を読むことへの困難もある息子。3年生くらいから漢字も難しくなり、文字は追えても内容が頭に入りづらくなっていました。
あれこれと調べた結果、音声教科書の提供を行っている団体さんに出会い、国語と社会の音声教科書を申請しました。

息子が使用しているのはタッチペンでなぞると教科書の内容を音声で読んでくれるもの。学校では使わずに自宅学習のときのみ使っていますが、4年生で使用を始めたところ、苦戦していた音読の宿題がラクになり、単元の内容も徐々に理解できるようになってきました。
音声教科書を使うようになって数カ月後、これまで悲しいくらい低い点数だった国語のテストで、初めての100点をとってきました。手渡されたテストを見たとき、息子を抱きしめて泣きました(泣)
HugKumでは、さまざまな音声教科書をご紹介している記事もありましたので、読み書きに困りごとのあるご家庭の方は是非チェックしてみてください。

書き込み式、手作り連絡ノート
自慢ではないですが、息子は小学校6年間、ほとんど連絡帳を書いてきませんでした。
理由は、ADHDの特徴のひとつで「書くこと自体を忘れてしまう」ということと、文字を書くこと自体が苦痛な息子は「書きたくなくて後回しにしてしまう」のです。
そのため今日の宿題や、明日の持ち物が全く分からず、担任の先生から「〇〇くんがしばらく宿題を出していません」「そろそろ絵具を持たせてくれませんか」等の電話をいただくことが何度あったか…。

そこで、いつも出る宿題の項目をあらかじめ書いたシートを作成してバインダーに入れ、息子は最低限の内容を記入すれば良いスタイルに。
バインダーは、プリントがしまえるものなら連絡帳と連絡袋を一体化でき、バインダーを開いたときに学校への提出物に気づきやすくなりました。
この工夫に関しては、書くこと自体が頭から抜け落ちている日は書いてこないので、正直打率は3割くらいです…。それでも全く書いてこない頃より進歩! 書いてきた日は心の中でガッツポーズを決めています。

工夫をしながら、自分の特性と付き合っていく
ご紹介したアイデアのうち、連絡帳などはクラスの子と違うものを使うことになるため、担任の先生と連携を取ってから行っていただくと安心です。
あれこれ工夫をしてもうまくいかないときも多くありますが、親としては「周りの子と同じようにできないことも、工夫をしながら生きていく」ことを学んでもらいたいと思っています。
お子さんの連絡帳や持ち物の管理で困っているお子さんがいたら、是非試してみてください。
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文・構成/なおやまきのこ