消しゴムのカドはなんとなく大切なもの
カドがなくなるのが嫌!
お子さんも保護者の方々も、消しゴムを使い始めるときに「カドがなくなってしまうのがもったいない!」と思った経験はありませんか? 筆者にもその気持ちはあって、消しゴムの使い始めではどうやってできるだけカドを残そうかと緊張して消した記憶があります。
なぜカドは大切?

では、なぜそこまでしてカドは大切なのでしょうか?
理由の一つには「細かい部分を消すことができる」からではないでしょうか。例えば「ノートに書いた文章の中の1文字だけ消したい」といったときに備えて、大切に取っておきたい特別な部分なのです。
カドの代わりになるもの

前述のように「1文字だけ消したい」という要望を叶えるために特化した消しゴムも市販されています。例えば、薄さが数mmしかない消しゴムや、シャープペンシルのように出して使うペン型で直径数mmといったものです。
もし、常に細かく消すことが必要ならばこちらを使えばよいのだと思いますが、普段の授業ではそこまでの細さを必要とすることはあまりありません。なので、「普通の消しゴムでカドが常にあればいいのに」と考えてしまうのです。
カドを復活させられる消しゴム
もし、カドがあったときの形に戻せるのならば?
そんな消しゴムの「カド」ですが、このほど、レーダー消しゴムで有名なシードから、カドがなくなった消しゴムに手を加えると「カドを復活させられる」消しゴムが発売されました。商品名は「カドループ」。カドを使ってなくなったら、決められた手順に沿って作業をするだけでカドが戻ってくるのです。
熱で柔らかくして、形を戻してカドを復活
「お湯で柔らかくなる粘土」や湯煎をしたチョコレートのように、日常生活の中では熱を加えると柔らかくなるものがたくさんあります。カドループもその性質を利用しています。カドがなくなってしまった部分をお湯で温め、お湯を拭き取って、専用の型である「カドモドシート(商品に添付)」にはめることでカドを復活させるのです。
事前の準備
小さな水筒に沸騰させたお湯を入れました。

カドループのスリーブ(巻紙)も外しておきます。スリーブはお湯をつけるたびに外すため、貼って剥がせるノリがついている部分があります。

また、お湯を入れる瓶、お湯につけた消しゴムの水分を取るためのペーパー、カドを作るカドモドシートを手の届くところに置き、いざ挑戦です。
1回目の挑戦
ポットのお湯を水筒から瓶に注ぎ、説明書のある通り30秒ほどお湯につけた後、取り出してカドモドシートと呼ばれるケースを被せて説明通りに押してみたのですが……お湯の温度が低かったのか形は変わりませんでした。消しゴム自体も触り心地に変化はありませんでした。
リベンジするぞ!
瓶に注いだお湯を一度捨て、温まった状態の瓶に再び水筒からお湯を注ぎます。瓶を触ると明らかに先ほどよりもお湯の温度が高いことがわかりました。

そこに消しゴムの先の丸くなってしまったところをお湯に浸したまま30秒ほど待ちます。すぐにペーパーでお湯を拭き取り、カドモドシートを説明の順に押して行きました。すると! 触った感じが1回目とはまったく異なりました。

カドモドシートを被せ、先ほどの失敗もあったので少し強めに消しゴムに力をかけたところ、硬めの練り消しのようにぐにゃりと曲がります。
力をかけすぎてしまったようで表面をきれいに平らにはできませんでしたが、カドを復活させることができました。

そのまましばらく常温のところに置いておけば元の硬い状態に戻ります。

最後にスリーブを巻いて出来上がりです。
消しゴムとして復活!

温めた部分が冷めたことを確認したら、通常のように消しゴムでノートをこすってみました。すると元の通り消しカスが出る状態に戻っています。
消しゴムとしての「カドループ」は?
消し心地は硬い
同社の製品「レーダー消しゴム」と比較したところ、カドループはかなり硬いことがわかりました。紙と接する面積が広いとかなり力を入れないと消えないくらいに感じます。

消しゴムの柔らかさを写真で比較してみましょう。左がカドループ、右がレーダー消しゴムです。一目でレーダー消しゴムが柔らかいことがわかります。
消しゴムの消す能力は?

レーダー消しゴムは消しゴムの中でもトップクラスの消す能力を持っています。それに対して、カドループは残った鉛筆の線が少し濃く見えます。

しかし、カドループには日本字消し工業会という、消しゴムを作っているメーカーが参加する組織の「安全性と品質」の基準をクリアしているクリーンマークが付けられていることから、安心してきれいに消せる消しゴムと言えます。
まとめ
現在使われているほとんどの消しゴムは「プラスチック字消し」とも呼ばれる、プラスチック製のものです。通常ではもっと高温で熱した消しゴムの材料を型にはめるなどして形作っています。しかし、カドループは家庭でも用意できる温度のお湯で柔らかくなり、カドモドシートを使うことで再び消す部分の形を角のある形に戻すことができるのだと考えられます。
他にもドライヤーを使って熱を加える方法もありますが、どちらも高温のものを使って作業をします。やけどには十分注意してください。
カドループ/シード
価格 275円(税込み)
商品の詳細はコチラ へ
こちらの記事もおすすめ
文・構成/ふじいなおみ
