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いつから切り替える? インナー選びのタイミング

――女の子の下着、切り替え時期の目安はありますか?
目安としては、小学4年生くらい、10歳前後からトップスのインナーは胸が二重構造になっているタイプを使い始めるのがおすすめです。
この時期は同じ学年でも身長や体型の差が大きく、成長が早い子もいれば遅い子もいます。まだ身体の変化を感じない場合も、保護の観点から胸が二重になったタイプを着用することが望ましいとされています。そのため、子ども自身が意識する前から「二重構造のインナーを着るのは当たり前」という環境を作ってあげることが、スムーズな切り替えのポイントです。
成長が早いお子さんでしたら、身長約140センチくらいから切り替えを検討されるとよいでしょう。ただし、体格がしっかりしているお子さんの場合は、もう少し小さい身長でも胸の成長が始まることがあります。ですので、切り替え時期はあくまで目安として、お子さん一人ひとりの成長に合わせて判断し、適切なタイミングで選んであげることが大切です。
ジュニアインナーにはどんな種類があるの?

――ジュニアインナーは、どのような種類の商品が販売されているのでしょうか?
ジュニアインナーのラインナップは、基本的に大人の女性用とほぼ同じです。タンクトップ、ハーフトップ、スポーツブラ、サニタリーショーツなど、種類は一通りそろっています。
ただし、大人用とジュニア用とでは、その“目的”に大きな違いがあります。大人用の下着は「きれいに見せる」「体型を補正する」といった視点で作られているため、成長途中の子どもが着用すると、締め付けなどの違和感や不快感を覚えることがあります。
思春期の子どもは、まだ胸がふくらんでいない状態でも、ちょっとした接触や摩擦で痛みを感じたり、肌がかゆくなったりと、非常に敏感な時期です。そのため、ジュニアインナーは“補正”よりも、“保護”や“快適性”を重視して設計されています。また、ピエクレールのジュニアインナーのサイズはトップスが140~160まで、ショーツが140~165までの展開となっています。
子どもが抵抗なく進める「下着のステップアップ」

――子どもが下着を切り替えるとき、「はずかしい」「なんとなくイヤ」と感じてしまうこともあります。そんな気持ちに配慮しながら、抵抗なく次のステップへ進めるようにするには、どのような工夫が必要なのでしょうか?
ピエクレールでは、成長段階に応じたインナーを「ステージ1」「ステージ2」といった形でラインナップしています。まず、胸が少しふくらみ始めたかどうかという、成長の初期段階には「ステージ1」のインナーがおすすめです。
これは、やわらかい生地の中にふわふわの素材を入れ、ちょっとした接触などでも痛みを感じやすい敏感な胸元をやさしく保護できるように設計されています。見た目も、従来の白いタンクトップとほとんど変わらないため、「これまでと同じ感覚」で着られる点が特徴です。新しいインナーに対する抵抗感も少なく、スムーズに切り替えやすい工夫がされています。
成長段階に合わせて商品を選ぶことも大切ですが、思春期の子どもにとっては、まわりのお友だちとの違いや、他人の目が気になる時期でもあります。とても繊細な心を持つ時期だからこそ、普段から「これは自然なことなんだよ」と優しく声をかけながら、成長について親子で話ができるといいですね。
――締め付け感やタグが気になる敏感な子におすすめの商品はありますか?
「タグがチクチクして気になる…」という声を聞くこともあります。一般的なインナーには縫い目や洗濯表示のタグがついていることが多く、そうした刺激が苦手なお子さまもいますよね。そんな場合は、縫い目のないインナーや、洗濯表示を生地に直接プリントした“プリントネームタイプ”がおすすめです。

基本的にジュニアインナーは、締め付け感の少ない設計になっています。特に初めて下着を切り替える時期は、大人向けのブラトップのようにゴムがしっかり入ったタイプだと「苦しい」「着たくない」と感じてしまうことも。
ピエクレールのインナーは、これまで着ていたインナーとあまり違和感がないように、無理なくステップアップできるようなやさしい着心地を大切にして作られています。
学校でも安心して過ごせる、快適なサニタリーショーツ

――小学校高学年くらいだと生理が始まる女の子も増えてきますよね。サニタリーショーツを選ぶ際によく聞かれるお悩みはありますか?
例えば、「ナプキンをショーツからはがすときの音が気になる」という声を受けて、音がしにくい素材を採用するなど、子どもたちの感じ方を意識して商品開発を行っています。大人が気にならないようなことでも、子どもにとっては大きなストレスになることがあるため、その違いをしっかり考慮しています。

また、「トイレにポーチを持って行くのが恥ずかしい」という声に応え、ナプキンを入れられるポケット付きのショーツもあります。
生理が始まったばかりの頃は、ナプキンの交換タイミングがわからないことも多いため、防水のマチ部分を広くとったナイト用や、スポーツ時に動きやすい足口カットのタイプなど、用途に応じて選べるラインナップを取りそろえています。お子さんの生活スタイルに合わせて、アイテムを選んでみてください。
ジュニアインナー選びで気をつけたいポイント
――制服や体操着を着たときに、インナーが透けて見えないようにするなど色選びのポイントはありますか?
最近では、学校に行く日と休日でインナーを着分けている子どもが多い、という傾向が弊社の調査でも見られます。以前は「下着=白」というイメージが主流でしたが、今の子どもたちはファッションへの関心も高く、着こなしに合わせてインナーの色を選ぶ傾向があります。

背景には、保護者の影響や、SNS・ネットを通じた情報の広がりがあります。たとえば、「制服の下には白」「透けにくいベージュを選びたい」「今日は黒い服を着るからインナーも黒」など、ファッションと調和する色を意識して選んでいるお子さんも少なくありません。
ただ、すべての子がそうとは限らず、ファッションへの関心がそれほど高くない子もいます。そういった場合には、透けにくいベージュ系のインナーがおすすめ。いわゆる「大人っぽいベージュ」は好まれにくい傾向がありますので、ピエクレールでは、子ども目線で「かわいい」と感じてもらえるようなベージュ系や、肌になじみやすいピンク系のカラーも展開しています。服装や好みに応じて、楽しみながら選べるとよいですね。
――サイズを選ぶときのポイントはありますか?
小学生のインナー選びは、基本的には身長を目安にサイズを選ぶのがおすすめです。体型によっては、少しゆとりを持たせて、ひと回り大きめのサイズを選んでもよいでしょう。
また、胸のふくらみが気になりはじめたら、ご家庭でメジャーを使ってサイズを測ってみるのもひとつの方法です。お店によっては、スタッフに測ってもらえるところもありますので、親子で訪れてみるといいかもしれませんね。成長に合わせて、適切なサイズのカップ付きインナーへ切り替えることで、より快適に過ごすことができますよ。
親子で話そう、「下着選び」は成長の第一歩

子どもにも、それぞれ好みやこだわりがありますよね。だからこそ、下着選びは親子で会話をしながら一緒に進めるのがおすすめです。ネットやジュニア向けの雑誌には、思春期の下着選びに関する特集も載っているので、そういった情報を一緒に見ながら「どれがよさそう?」なんておしゃべりしてみるのもいいですね。
下着は「恥ずかしいもの」ではなくて「成長の証」なんだ、と思えたら、子ども自身も前向きになれるはず。デザインや機能についても「こんなものがあるよ」「こうやって選ぶんだよ」と、普段からちょっとずつ話しておくと、「私も着てみたいな」と興味がわいてくるかもしれません。
ジュニアインナーは、成長途中の体をやさしくサポートしながら、毎日を快適に過ごせる工夫がいっぱい。ぜひ親子で会話しながら、お子さんにぴったりの一枚を見つけてくださいね。
pied clair(ピエクレール)公式サイトは>こちら
取材・文/やまさきけいこ