【調査概要:調査期間/2025年6月16日~7月10日 調査対象/0歳~12歳のお子さんがいる316人】
目次
絵本を選ぶ基準、第1位は「子どもが欲しがるか」
まず、子どもに絵本を選ぶ際に、考慮する点を保護者に聞いてみました。
アンケートでもっとも多く選ばれたのは「お子さんが欲しがる・読みたがるか」(225人)。子ども自身の「読みたい!」という気持ちが絵本選びの中心になっていることがうかがえます。

続いて、「保護者がイラストやデザインに好感を持てるか」(167人)、「保護者がストーリーに好感を持てるか」(151人)がランクインしており、親にとっても「見て楽しい」「読んで心地いい」と思えるかどうかは大切なポイントであることがわかります。
絵本選びは、子どもの興味と、親の感覚によって成り立っていることが見えてきました。
1ヵ月で絵本にかける費用は「1,000〜3,000円」が中心
では、絵本に毎月いくらお金をかけているのでしょうか。
結果は「1,001円~3,000円」がいちばん多く(157人)、次いで「0円~1,000円」(124人)、「3,001円~5,000円」(28人)となりました。

アンケートの中には「図書館を活用している」という声もあり、家庭によって工夫しながら絵本を取り入れている様子がうかがえます。一方で「もう少しお手頃に買える絵本があったらうれしい」という意見も寄せられ、価格は気になるポイントのようです。
絵本人気は子どもだけではない! 保護者に人気の作品
アンケートでは、好きな絵本や絵本作家についても教えてもらいました。まず保護者から多く挙がったものをご紹介します。
パンどろぼうシリーズ(柴田 ケイコ作)

大好きなパンを盗んでは騒動を巻き起こす「パンどろぼう」が主人公の大人気シリーズ。かわいらしい表情、そしてドタバタの展開は、子どもだけでなく大人も思わず笑ってしまう面白さです。
細やかな描写の工夫があり、読むたびに新しい発見があって繰り返し楽しめるのも魅力的。ユーモラスなエピソードで、親子で夢中になれる絵本です。
はらぺこあおむし(エリック・カール作)

世界中で愛される名作で、「カラフルなコラージュ」と「穴あきのしかけ」が楽しい絵本です。おいしそうなものがズラリとならび、おなかいっぱい食べて蝶へと成長する姿が印象的です。
また、曜日や数など学びの要素も含まれており、遊びながら知識を身につけられるのもポイント。親子で長く楽しめる、絵本の定番です。
バムとケロシリーズ(島田ゆか作)

バムとケロが繰り広げる、ユーモラスな日常の物語が描かれた人気シリーズです。
ページの隅々まで小さなキャラクターや小物がていねいに描かれており、読むたびに新しい発見があるのも魅力的。ユーモア満載のストーリーは、子どもはもちろん大人も心地よく楽しめます。
ねないこだれだ(せなけいこ作)

「こんなじかんにおきているのはだれだ?」というシンプルな問いかけから始まる、ちょっぴり怖い絵本。夜更かししている子が、おばけに連れていかれてしまうストーリーは、子どもに強い印象を残します。
寝かしつけの時間に何度も読まれ、長く愛され続けている一冊です。
もうぬげない(ヨシタケシンスケ作)

服が頭から抜けなくなった子どもが、抜けないままの姿であれこれ考えをめぐらせる物語。ユーモラスな展開に思わず笑ってしまいます。さらに、短いお話の中に、子どもの自由な想像や、哲学的なユーモアが込められているのも魅力的です。大人も一緒に楽しめる、ヨシタケシンスケさんらしい一冊です。
子どもたちが選ぶ! 人気絵本セレクション
すでにご紹介した、保護者が「読み聞かせにぴったり」と思って選んだ絵本の多くは、子どもからも大人気でした。ここでは、そのほか子どもたちが選んだお気に入りの絵本もご紹介します。
大ピンチずかん(鈴木のりたけ作)

子どもが日常で出合うピンチを、図鑑のようにまとめたユニークな絵本です。「アイスが落ちた」「カバンの中でジュースがこぼれた」など、共感せずにはいられないシーンが満載です。
ユーモラスなイラストと解説が絶妙で、笑いながらも「こんなときどうする?」と考えるきっかけにもなる一冊です。
だるまさんがシリーズ(かがくいひろし作)

「だ・る・ま・さ・ん・が…」というリズムに合わせた繰り返し表現で、乳幼児も大喜びのシリーズ。だるまさんのユーモラスな動きや表情に、子どもたちは声をあげて笑います。シンプルなストーリーで初めての読み聞かせにもぴったり。親子でスキンシップを取りながら楽しめる、ロングセラーの絵本です。
のらねこぐんだんシリーズ(工藤ノリコ作)

イタズラ好きなのらねこたちが、パン屋やケーキ屋で大事件を巻き起こす人気シリーズ。キャラクターの表情や行動が愛らしく、繰り返し読みたくなる魅力があります。シリーズ全体での世界観の広がりも、ファンが多い理由のひとつです。
保護者アンケートで見えた! 絵本の魅力と課題

アンケートでは、絵本についての悩みや希望など、保護者からのさまざまな声が寄せられました。選び方に迷う気持ちや、具体的な要望、そして絵本への想いなど、リアルな意見が見えてきます。
「どの絵本を選べばいい?」対象年齢や目安に迷う
さまざまな絵本があるからこそ、年齢の目安が把握しにくく、どれを手に取ればよいか迷うという意見が多く寄せられました。子どもの絵本選びに悩む保護者は少なくないようです。
- ・いろいろな種類の本があるな、選び方がわからないなと思う。(兵庫県/女性)
- ・年齢や発達段階に合った内容かどうかがわかりづらい。対象年齢やテーマ、読み聞かせのヒントなどがもっと明確に示されていると助かる。(兵庫県/女性)
- ・さまざまな作品があって選ぶのに迷います。(神奈川県/男性)
「こんな絵本がほしい!」保護者からのリクエスト
アンケートでは、今後出版してほしい絵本についても、具体的な要望やアイデアが多く寄せられました。どんな絵本があればうれしいか、保護者のリアルな期待が見えてきます。読み聞かせを通じて、子どもが社会や日常を理解し、学びにつなげていく――そんな保護者の期待も込められていることがうかがえます。
- ・嘘をついてはいけないこととか、やってはいけないこと、みんなが悲しい気持ちになることなどを、絵本でうまく伝えてあげられる絵本がほしいです。(東京都/女性)
- ・性教育や生活習慣など、絵本で学べると記憶にも残って伝えやすいので、絵本から学べるものを期待します。(山口県/女性)
- ・お手伝いやおつかい、電車や飛行機に乗るなど、これから体験するであろうことを題材とした絵本がほしいです。(宮城県/女性)
- ・もう少しお手頃な価格の絵本が増えたらうれしいです 。(静岡県/女性)
やっぱり絵本は特別! 世代を超える魅力
「やっぱり絵本があってよかった」――アンケートでは、そんな実感のこもった声もたくさん届きました。世代を超えて読み継がれる魅力や、新しい仕掛けの楽しさなど、絵本へのあたたかな想いをご紹介します。
- ・今の子どもたちはステキな絵本にたくさん囲まれて幸せだと思います。(埼玉県/女性)
- ・絵本は世代をこえて、長く楽しめる唯一のエンタメだと思います。(大阪府/女性)
- ・大人も一緒に読んで幸せな気持ちになれる。(島根県/男性)
- ・ホログラムや仕掛けのある絵本は、大人が読んでも楽しい。(愛媛県/女性)
絵本は、ただの読みものにとどまらず、世代を超えて楽しめる存在であることがわかります。読み聞かせの時間は、大人にとっても心がほっと和むひととき。絵本があるからこその豊かな時間があるのかもしれませんね。
絵本は世代を超えて残る“心の宝物”
今回のアンケートから、絵本選びでは「子どもの気持ち」と「親も一緒に楽しめること」の両方が大切にされていることがうかがえます。さらに、選びやすさを求める声や、保護者の絵本に対する具体的な希望も明らかになりました。
それでも多くの家庭が口をそろえて「やっぱり絵本は特別」と感じているように、絵本は子どもの成長に欠かせない存在です。ページをめくる時間は、親子の心を近づける、かけがえのないコミュニケーションのひとときでもあるでしょう。
お気に入りの一冊との出合いは、子どもの心に残る宝物にもなるのかもしれません。ぜひご家庭でも、親子で一緒に「次の一冊」を探してみてくださいね。
こちらの記事もおすすめ
↓↓HugKumファミリー層のあれこれ調査記事はこちら↓↓
構成・文/牧野 未衣菜


