高市早苗氏が日本初の女性総理に就任! 世界には女性の首相はいるの? 【親子で語る国際問題】

今知っておくべき国際問題を国際政治先生が分かりやすく解説してくれる「親子で語る国際問題」。今回は、高市早苗総理の就任に合わせて、世界の女性リーダーたちについて学びます。写真:名古屋で演説する高市早苗氏。 CC 表示 4.0

日本初の女性総理が誕生

高市早苗氏が日本初の女性総理に選出されたことは、国内外で大きな関心を集めています。近年、世界各国では多くの女性が国家の最高指導者として活躍しており、そのリーダーシップや政策は国際社会に大きな影響を与えています。ここでは、特に近年の注目すべき海外の女性首相や大統領をご紹介します。

2025年10月21日に、第104代首相に選出された高市早苗早氏 写真:CC 表示 4.0

長期間政権を担ったドイツのアンゲラ・メルケル氏

まず、ヨーロッパで最も長く政権を担った女性リーダーの一人であるアンゲラ・メルケル氏が挙げられます。彼女は2005年から2021年までドイツ初の女性首相として、長きにわたり欧州連合(EU)の牽引役を担いました。

ドイツのアンゲラ・メルケル元首相 写真:CC 表示-継承 4.0

東ドイツ出身という異色の経歴を持ち、物理学者としての冷静で論理的なアプローチは「鉄の女」と称されたこともあります。ユーロ圏の金融危機や難民危機など、数々の国際的な難題に直面しながらも、ドイツとヨーロッパの安定に貢献しました。

メルケル氏の政治手腕は、長期的な視野と実務的な解決能力が高く評価されています。

30代で首相となったニュージーランドのジャシンダ・アーダーン氏、フィンランドのサンナ・マリン氏

近年、若くして国家のトップに立ち、新しいリーダーシップの形を提示した女性たちも注目されています。その代表格が、2017年に37歳でニュージーランド首相に就任したジャシンダ・アーダーン氏です。彼女は、当時世界最年少の女性首相として話題となりました

ニュージーランド元首相のジャシンダ・アーダーン氏。2022年4月に、当時の岸田文雄首相と。:写真:内閣官房内閣広報室, CC 表示 4.0,

アーダーン氏は、在任中に起こったクライストチャーチでの銃乱射事件や新型コロナウイルスへ、迅速かつ断固とした対応をして国際的な称賛を得ました。

彼女のリーダーシップは「共感」や「優しさ」を重視するスタイルで知られ、「ウェルビーイング(幸福)」を重視した予算編成など、新しい政治の形を提示しました。また、首相在任中に公務と出産・育児を両立させたことでも、世界中の働く女性に大きな影響を与えました。

アーダーン氏の後を追うように、2019年に34歳でフィンランド首相に就任したサンナ・マリン氏も、当時の世界最年少の首相となりました。彼女が率いた内閣は閣僚の多くが女性で構成されていたことでも話題を呼びました。

2019年12月10日に成立したマリン内閣の閣僚たち。右から2番目がマリン首相 写真:CC 表示 2.0

就任後、ロシアのウクライナ侵攻を受け、長年の非同盟政策を転換し、NATO加盟を推進するという歴史的な決断を下しました。その実行力と、ソーシャルメディアを積極的に活用する現代的な政治スタイルが特徴です。

政治的転換を担った、イタリアのジョルジャ・メローニ氏

さらに、政治的な体制や方向性に大きな変化をもたらした女性リーダーもいます。

2022年、イタリア初の女性首相として就任したジョルジャ・メローニ氏は、極右政党の党首であり、伝統的な家族観や国家主権を重視する政策を掲げ、イタリア国内の政治体制に大きな変化をもたらしました。これは、ヨーロッパにおけるポピュリズム(大衆迎合主義)政党の台頭を示す重要な事例と見なされています。

イタリアのジョルジャ・メローニ首相 写真: CC BY 3.0 it,

従来の枠組みにとらわれない女性のリーダーたち

これらの事例からもわかるように、近年の女性リーダーの登場は、単に「女性初」というだけでなく、年齢、政治的スタンス、リーダーシップのスタイルなど、多様な側面で従来の政治の枠組みを揺さぶり、新たな価値観や政策課題を提示しています。彼女たちは、それぞれの国の歴史や文化、直面する課題に応じて独自のリーダーシップを発揮し、国際政治の舞台で不可欠な存在となっています。

高市新総理の登場も、このような世界の女性リーダーの潮流の中で、日本独自の文脈と課題をもって評価されていくでしょう。

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記事執筆/国際政治先生
国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教壇に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。

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