受験生必見! 睡眠の質を高め「合格」を引き寄せるベストな寝室環境、就寝前の習慣とは?【睡眠コンサルタント直伝】

日本人は大人も子どもも諸外国に比べて睡眠時間が短いと言われます。とくに、塾通いをしている受験生は、帰宅時間が遅くなって寝不足に陥りがち…。「夜遅くまで勉強しているのに、なかなか成績が伸びない」「試験当日に実力を出し切れるか不安」。そんな悩みを抱える受験生家庭が今、見直すべきは「眠りの質」かもしれません。脳のパフォーマンスを最大化し、本番で実力を出し切るための環境作りとは? 睡眠コンサルタントの愛波あやさんに、「合格を引き寄せる睡眠環境」の整え方を伝授していただきました。

受験生は深刻な睡眠不足!? 理想の睡眠時間とそれを確保するための工夫とは

――理想としては、子どもは1日に何時間睡眠を確保するべきなのでしょうか?

愛波さん 小学生の場合、理想としては9時間~12時間ですね。あの大谷翔平選手も10~12時間睡眠を確保しているというエピソードがありますが、スポーツに限らず勉強でもコンディションを維持しパフォーマンスを向上させるには夜の睡眠が非常に重要。9時間は最低ラインで、10時間を目安としたいところです。

――朝7時に起きるとすると、逆算して夜9時には就寝する必要があるということですね。ただ、塾がある子どもの場合、そもそも帰宅時間が夜9時を回ることもあり、そこから食事やお風呂となると夜10時や11時をゆうに過ぎてしまいます。

愛波さん 塾の時間は自分ではコントロールできないので難しいですよね。ただ、食事に関しては塾に行く前にタンパク質と炭水化物でおなかを満たしておいて、帰宅後は消化のいいおかずをとる“分食”にしたり、お風呂はシャワーや足湯で済ませたりなど、就寝時間を少しでも早めるために工夫をする余地はあるかと思います。

――お風呂に入らなくてもいいんですか?

愛波さん 子ども本人がお風呂にこだわりがなければ、睡眠を優先させてよいでしょう。ちなみに、足湯は体の深部体温を効率的に上げることができて、その後の寝付きがよくなるという点でもおすすめです。

それから、十分な睡眠時間を確保することに加えて、毎日同じリズムを保つことも大事です。

例えば、日によって寝るのが夜11時のときもあれば夜9時のこともあるというふうに就寝時間をばらばらにするのではなく、夜9時と決めたら毎日その時間にベッドに入ること。そのように一貫性を保つことでコンディションが安定し、それによって成長ホルモンの分泌が促され、記憶力向上も促されます。とくに、学校が休みに入ると睡眠のリズムが乱れがちなので、意識的に毎日同じ時間に就寝するようにしましょう。

――睡眠リズムを保つこと以外に、生活習慣で気を付けるべき点はありますか?

愛波さん 意外と見落としがちな点ですが、塾通いのお子さんは帰りにコンビニエンスストアに寄らないこと。寄り道するとそのぶん帰宅や就寝が遅くなるというのもありますが、それよりもコンビニ店舗のあの強力な光に要注意です。

コンビニでは夜間でも人目を引くように明るい照明が用いられていますが、その光の刺激で睡眠を促すホルモンであるメラトニンの生成・分泌が抑制され、寝つきが悪くなるおそれがあります。

――塾帰りについつい立ち寄りたくなりそうですが、受験が終わるまでは夜間の訪問は避けたほうがよさそうですね。

睡眠の質を高めるひとつ目のカギは「寝室の温度」

――睡眠の量もさることながら睡眠の質も大事ですよね。睡眠の質を高めるために何か気を付けることはあるでしょうか?

愛波さん まず、寝室の室温は20度から22度あたりが良いといわれています。冬ならば18度くらいまで下がっても大丈夫。大人が少し肌寒いと感じる程度でちょうどいいです。パジャマを着て布団をかけていれば、寝冷えすることはないと思います。

それよりも温めすぎのほうがよくないですね。エアコン以外にも、加湿器で温かい蒸気が出るものを使うと室温が高くなりすぎることがあるので要注意です。

――寒いと風邪をひくんじゃないかと心配しますが、寝室をエアコンなどで温めすぎるとむしろ眠りにとっては悪影響なんですね。

愛波さん 寝室が暑いのがよくない理由としては、まず寝つきが悪くなるという点があります。というのも、先ほど足湯の話で体の深部体温について触れましたが、眠気を誘うには就寝の1時間前くらいに深部体温を上げて、そこからスムーズに下げる必要があるのです。寝室が高温だと深部体温がうまく下がらず、いつまでも目がさえてしまうことになりかねません。

もうひとつの理由として、室温が高いと睡眠中に寝汗をかいてしまい、そのせいで眠りが浅くなったり目が覚めてしまったりするおそれがあります。

イライラが止まらないのは実は「寝室の遮光」の甘さが原因?

愛波さん もうひとつ寝室で気を付けたいのは遮光。睡眠の質を高めるには真っ暗な状態が理想的です。例えば、天井の常夜灯なども明るすぎで眠りの妨げになっているおそれがあります。もし、お子さんが暗闇を不安がるのであれば、常夜灯を使うのではなく足元を暖色系のライトでうっすら照らすほうがよいでしょう。

あと意外と見落としがちなのは朝の光。日の出の遅い冬場はそこまで気にする必要はないかもしれませんが、とくに夏場は朝の4時、5時くらいから、カーテンの隙間から差し込んでくる光に体が反応して、眠りが足りていないのに目が覚めてしまうことがあります。

実は、朝方の睡眠には感情を整理するという役割があり、これが妨げられるのは大問題。前日からのネガティブな感情を持ち越して、イライラが続いてしまうおそれがあります。だから、遮光カーテンや遮光シートなどを活用して、寝室の遮光は徹底しましょう。

愛波さんおすすめの遮光シートは>>こちら

本番直前の不安も解消! 寝室をリラックス空間にするためのアイデアとは?

――とくに受験本番が近づいてくると、デリケートなお子さんだと不安で寝つきが悪くなることもあります。それを防ぐにはどうすればいいでしょうか?

愛波さん 理想はベッドや寝室を睡眠に集中できる環境にすることです。寝るときには勉強に関するものがなるべく目につかないようにしましょう。ベッドで塾のテキストを読むなどもってのほかです(笑)。とはいえ、子ども部屋にベッドと勉強机がある場合、睡眠環境から勉強を物理的に遮断するのは難しいかもしれません。その場合、寝る前には机やテキストを黒い布で覆うなどの工夫をするとよいでしょう。

この“机やテキストを黒い布で覆う”という作業を寝る前のルーティンとするのは、睡眠の質を高める効果が期待できます。先ほど睡眠は毎日同じリズムを保つことが大事だとお伝えしましたが、寝る前に必ず一定の儀式を行うことを習慣化しておくと、その行為・動作をするだけで体が自然と睡眠モードへと切り替わってくれるからです。

――なるほど、寝る前のルーティン!

愛波さん そういう意味では、寝室でアロマを活用するのもおすすめ。寝る前にお気に入りの香りを嗅ぐのを毎晩続けていると、嗅覚にも「これをやったら寝るんだ」という意識が刻まれて、受験前日など不安や緊張が高まりやすい夜でもいつもどおりリラックスして眠りにつきやすくなります。

あとは、不安が渦巻いて頭から離れないときには、紙に書き出すのもいいでしょう。とりあえず紙に書いてしまって、その紙を机に置いて布をかけたら「おやすみなさい!」と宣言してベッドに入る。書いているうちに「あれ、別にそれほど心配することじゃないかも」と冷静になることもありますし、そこまで至らずとも頭の中のもやもやを紙の上に外在化させることで、脳がそれらの情報から解放されて安眠につながるという効果が期待できますよ。

寝室の環境や寝る前の習慣を少し見直すだけで、睡眠の質がぐっと高まりそう! 受験直前期の今こそ、気になるものがあればご家庭でぜひ実践してみてはいかがでしょうか?

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お話を聞いたのは…

愛波あやさん 睡眠コンサルタント

Sleeping Smart Japan株式会社 代表取締役。
0歳からのママスクール®『ママの心』講座 監修・講師。
慶應義塾大学文学部教育学専攻卒業。外資系企業勤務後、結婚を機にニューヨークへ移住し、2014年に国際認定資格を日本人で初めて取得。著書に『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社)、『マンガで読む ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方』(主婦の友社)、『忙しくても能力がどんどん引き出される 子どものためのベスト睡眠』(KADOKAWA)がある。また『ママにいいこと大全』(主婦の友社)を監修。
現在は2児の母として子育てをしながら、企業やイベント講演、保育者への睡眠コンサルテーションなど幅広く活動。ママ・パパ向けに睡眠・子育て・教育の情報を配信する『愛波子育てコミュニティ』は、日本最大規模のオンライン育児コミュニティとして成長している。

取材・文/中田綾美

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