「チリメンジャコ」の中に潜む ”チリメンモンスター” を自作の図鑑に!【自由研究コンクール 小学8年生賞】を受賞したのは生き物が大好きな小学3年生・大庭陸さん

ごはんのお供としておなじみの「チリメンジャコ」は、カタクチイワシの稚魚を茹でて干したもの。ところが選別しないと、他の魚の赤ちゃんも混ざってしまいます。その混ざった魚たちには”チリメンモンスター” という愛称が名付けられています。小学3年生(当時)の大庭陸さんは、そんなチリメンモンスターのワークショップに参加したことをきっかけに、自由研究「チリメンモンスターをさがそう」に取り組みました。「小学館の図鑑NEO」と「HugKum」が昨年募集した「小学生の図鑑・自由研究コンクール」にて、3,393件の中から見事「小学8年生賞」に選ばれた作品です。

チリメンジャコは、選別・未選別の2パターンを観察して比較

――チリメンモンスターを探すワークショップに行ったそうですが、それはどうしてですか?

陸さん:海の生き物が好きだから行ってみました。ワークショップでは、チリメンモンスターがなんなのかとか、どうやって取れるのかなどを教えてくれました。

――はじめはどのくらいの「チリメンモンスター」が見付かると思って探していたんですか? 

陸さん:10種類くらいかなと思っていました。でもやってみたら思っていたよりもたくさんいて。最初のうちはあまり見付からなかったけど、調べているうちに20種類以上が見付かったんです。

――「チリメンモンスターをさがそう」でとくに大変だった作業はどんなところでしょうか。

陸さん:似たような魚が多くて、種類を特定するのが大変でした。でもその魚の特徴や形を注意深く見て、種類を調べていきました。

――「チリメンモンスターをさがそう」で楽しかったのはどんなところですか?

陸さん:「魚を探す」ということが楽しかったです。

ワークショップに参加したときの写真。撮影/キュリオラボ

――今回やってみて、よかったなったと思うところはありますか?

陸さん:今回未選別のチリメンジャコとは別に、スーパーマーケットなどで売っている選別されたチリメンジャコも調べました。未選別のものとは数がかなり違うんじゃないかと思ったからです。

選別済みの商品はいろいろな人が苦労して選別してくれているから、チリメンモンスターが少なくて僕たちが安心して食べられるようになっていると知ることができました。

「今度はフグを飼ってみたい!」生き物全般が大好きな陸さん

――海の生き物が好きなら、水族館とかにも行きますか?

陸さん:はい、とくにフグを見るのが好きです。前から好きで見た目が丸くてかわいいので、フグを飼ってみたいなと思っています。今は家ではオカメインコとカメを飼っています。

富山県の魚津水族館では、ホタルイカの解剖ワークショップに参加

――フグを食べたことはありますか?

陸さん:ないです。見ているのがかわいくて好きなので、とくに食べたいとは思わないです。

――次に自由研究をするなら、挑戦してみたいテーマはありますか?

陸さん:虫の生態を調べてみたいです。好きな虫はカナブンです。

――好きな科目と苦手な科目を教えてください。

陸さん:好きな科目は理科で、苦手なのは国語です。理科は生き物について知れたり、実験をしたりするのが面白いと思います。国語は文章全般が苦手で、とくに文章を読むのが苦手です。内容に興味がないと、途中ですぐ飽きてしまいます。でも今回、自由研究の文章を書くときは、生き物のことが知れたので逆に楽しかったです。

――将来やってみたいことや、なりたい職業はありますか?

陸さん:今はまだありません。

好きなテーマだけど苦手な部分も…集中力を切らさないための母のサポート

――お母さんから見て、陸さんはどのような性格でどんなことに興味のあるお子さんですか?

陸さんのお母さん:興味のあることはすごく突き詰めていくんですけど、興味のないことは本当に聞いてないこともあります。でも生き物が大好きで、小さな頃は死んだ虫を拾ってきて「かわいそうだからうちで埋めてお墓を作ってあげる」と言っていたことも。どんな生き物にも愛情を注いであげるような性格です。お友だちに対しても愛情が強くて、優しい性格だなと思います。

自由で、人に流されることなく、自分をしっかり持ちすぎるくらい持っている子ですね。

石川県・のとじま水族館で「ペンギン教室」に参加。ペンギンのご飯になるアジを切り、えさやり体験も

――自由研究の過程をそばで見ていて、どのようなことを感じましたか?

陸さんのお母さん:自分で選んだ自由研究のテーマですが、その中でもやりたいこととやりたくないことがはっきりしていました。

絵を描くことや調べたりすることは好きなので、そこはすごい集中力を発揮していました。でも文章を考えて書くことはすごく苦手なんです。書く部分の中でも、調べた生態について書くのはいいんですが、感想や分かったことなど、自分の頭で考えてそれを文章にまとめるのが苦手で。

だから本人の思いを言葉にさせるまでがすごく大変でしたし、苦手な部分に集中してもらうためにどうしたらいいんだろうというのは、すごく悩みました。

――お母さんの方でその部分は何かアドバイスはされたんですか?

陸さんのお母さん:本人に質問しながら答えを引き出して、いい言葉が返ってきたら「あ、それいいじゃん。それを書きなよ」と言ったり。

自宅で自由研究に取り組んでいるところ

――つい答えを誘導したくなったりしませんか?

陸さんのお母さん:そうですね、でもなるべく私の文章にならないように、本人に「これはどう思う?」って、その都度細かく質問しながら、本人から出た言葉を書いてもらうように気をつけました。

あとは最初は絵があまり入っていなかったんですけど、絵が得意だから集中してもらうために「絵とか入れてみたらどう?」とアドバイスしました。

――確かにどのページにも、魚の絵がとても細かく丁寧に描いてありますよね。

陸さんのお母さん:図鑑や写真を見て、生き物を模写するのが得意なんです。それならどれだけでも描いてくれるので、気分転換も兼ねて絵を入れるように促しました。

苦手な国語の克服のため、日課は寝る前に一緒に本を読むこと

――お子さんの「好き」を伸ばすために日々心がけていることを教えてください。

陸さんのお母さん:生き物が好きなので、休日は触れ合えるような場所に行くとか、あとは今回のようなワークショップを調べて、生き物と関わっていたり自然を体験できたりするものを見付けたら「これ行ってみる?」と聞いて参加するようにしています。

もともと私が生き物が好きでいろいろ飼っていたので、ワークショップも子どもと一緒に自分も楽しめるなと思って。

2年生のときには深海魚にハマり、静岡県の沼津港深海水族館へ

――子育てで大切にしていることやルールなどがあれば教えてください。

陸さんのお母さん:本人が「やりたい」ということはなるべく挑戦させたいなと思っています。ただ性格的に飽きっぽいところもあり、気分がすぐ変わってしまうこともあるので…。

勉強もちゃんとしてほしいので、宿題をやったらこの習い事も続けていいよ、なんてちょっと条件付きみたいな感じにはなってしまいますが、ご褒美的にやりたいことをやらせたりすることもあります。

あと私が仕事の時間が不規則で、夜一緒に過ごせないこともあるので、一緒に寝るときは必ず何か本を読んで、2人で一緒に本の感想を言ってから寝るというのを心がけています。

――どんな本を読むんですか?

陸さんのお母さん:最初は物語とかを読んでいたんですけど、最近は『ファーブル昆虫記』を一緒に読んで「この生き物ってこうなんだね」とか話しながら寝ています。

文章が苦手なので、お話を読み聞かせることで少しでも克服できたらなと思っています。

――本人はまだ将来やりたいことは見付かっていないそうですが、どんなふうに育ってほしいと思いますか?

陸さんのお母さん:性格的にもムラがあるちょっと難しい子だと思うので、とりあえず好きなことを追求してもらって、将来それを活かせるといいなって。まんべんなくできなくてもいいので、例えば”さかなクン”みたいに、1つのことに特化してできるような人になってくれたらいいなと思います。

本人のよさを引き出そうとする、お母さんのサポート

思ったことを文章にするのが苦手な陸さんに、辛抱強く「これはどう思う?」と投げかけて、本人から言葉をいくつも引き出したり、好きな絵を描かせて集中させたりといったお母さんのサポートは、お子さんをそばで見てよく理解している親ならではだと思います。

陸さんがこれからも好きなことを追求していくことで、将来やりたいことが見付かるといいですね。

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取材・文/苗代みほ

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