目次
利用できない学校プール。代わりに民間や公共の施設を利用する自治体も

地域によりますが、多くの小学校では、毎年6月頃からプール授業が始まります。ところが最近、学校のプールを使えないケースが増えているのです。
理由としてはいくつかあり、一つはプール設備の老朽化が挙げられます。多くの学校は、第二次ベビーブーム以降の児童急増にともない、昭和40年代後半から50年代に創設、同時に屋外プールも設置されました。40年以上経過した現在、建て替える必要に迫られている自治体が多いのです。
とはいえ、建て替えるには莫大な費用がかかることもあり、自治体によっては、近隣の学校のプールを共同利用したり、民間や公共の施設を使ったりして授業を行うよう促しています。ただ、近くに利用できる施設がない学校は、授業を中止せざるを得ないところもあるようです。
地球温暖化による気候変動もプール授業減少に拍車をかけている!
問題はプール設備の老朽化だけにとどまりません。全国的にみると、これまでと変わらずプール授業を行う学校は多いものの、昨年のように、健康被害に関わるような酷暑日が続くとプールに入れないため、必然的に授業数は減ることになります。

夏休み中に行われてきた水泳指導や補習授業も、今は廃止している学校が増えています。 水泳授業を含む屋外での運動は、環境省・文部科学省が作成した「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」などに基づき、各自治体や学校で実施の判断を行っています。ガイドラインでは、熱中症を予防し安全に授業を実施する目安として、「暑さ指数(WBGT)31度以上で屋外活動を原則禁止」としています。
そのため、近年、猛暑日が増加傾向にあることから、夏休みのプール指導を中止せざるを得ない状況となっています。
夏休み中のプールが減ると、先生たちの負担も軽減される!?
プール授業数の減少や授業の廃止については、先生たちの働き方の見直しにも影響が及んでいます。
これまで、プール設備の管理は、すべて教職員が中心となって行ってきました。プール授業に必要な準備のほか、水質・水温のチェック、授業中の安全管理、さらには、プール全般の清掃など多岐にわたるため、教師の負担は大変なものでした。プール授業が減少することで、先生の負担が軽減されるといった一面もあります。

子どもの健康を心配する保護者。習い事で忙しい子どもたち
また近年は、紫外線が子どもの肌にもたらす影響を心配する保護者の声も聞かれるようになりました。高学年になると、塾や習い事などで夏休み中のプール指導を欠席する児童も増えています。
これらのさまざまな要因や背景が重なったことで、こうした流れは、これからも続いていくでしょう。小学校のプール授業は、今まさに岐路に立たされているのです。
1年生の保護者の方のお悩みを募集中! 採用された方には2000円分の図書カードをプレゼント

小学校生活がスタートしたパパママの皆さんの質問に、現役小学校教師と小児科医が回答する「『小一』ママとパパの子育て相談室」が雑誌「小学一年生」で連載中です。
「食べものの好き嫌いが多くて困っている」「毎朝起こすのが大変」など、小学1年生のお子さんにまつわる質問を大募集しています。
お悩みが採用された方には図書カード2000円分をプレゼントします。ぜひ下記より質問をお寄せください!
お悩み・質問応募は>>こちらから
こちらの記事もおすすめ
私がお答えしました
低学年の担任経験が豊富で、現在は主幹教諭として教鞭をとる傍ら、先生が読む教育情報サイト『みんなの教育技術』に執筆も行う。
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子どもたち各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2026年7・8月号別冊『HugKum』
イラスト/メイボランチ 構成/天辰陽子
こちらの記事もおすすめ
