洗濯物が乾く時間をもっと短くしたい! 乾かすコツや時短アイテムは?

洗濯物が乾くまでに時間がかかると、嫌な臭いの原因になることがあります。なるべく早く乾かすために、三つのポイントを押さえた干し方を知っておきましょう。すぐに実践できる室内干しアイデアについても紹介します。

洗濯物が乾く時間はどれくらい?

洗濯物を完全に乾燥させるまでの所要時間は「干す場所」や「季節」によって異なります。まずは、それぞれの環境において、洗濯物がどれくらいの時間で乾くものなのかを確認していきましょう。

季節によって差がある「外干し」

外干しは、季節によって乾く時間が異なります。一般的に、春や秋は「5時間」ほど、暑くカラっとした夏であれば「2~3時間」と短い時間で乾きます。気温が下がる冬であれば平均しても「6時間」ほどはかかるでしょう。

外干しを行うメリットの一つに、太陽から降り注ぐ紫外線が挙げられます。殺菌効果があるため、よく晴れた日には洗濯物を太陽光に当てるとよいでしょう。特に10時~14時の間に干すのがおすすめです。

ただし、紫外線で色あせしやすい素材もあるため注意しましょう。

出典:天日干しの殺菌効果| 比べる×調べる | エフシージー総合研究所

外干しの倍の時間がかかる「室内干し」

一方、室内干しをした場合、洗濯物が乾くまでの時間は「外干しのほぼ倍の時間」が必要になります。

部屋の中では太陽の光が当たりにくいだけでなく、衣類から放出された湿気が室内にこもってしまうため、朝干した洗濯物が夜になっても乾いていないことも珍しくありません。

乾くまでに時間がかかると、洗濯物から嫌な臭いがすることもあるでしょう。また、部屋に生活感が出てしまったり、洗濯物の湿気が部屋カビの原因になったりといった悩みも多く聞かれます。

しかし、室内干しは天候に左右されないというメリットもあります。花粉が付かない、外出時ににわか雨や強風の心配をしなくて済むのも助かるでしょう。

素材、厚みによっても乾きやすさは異なる

洗濯物が乾く時間は、洗濯物の「素材」や「厚み」にも大きく左右されます。おおまかに、「合成繊維は早く乾き、天然由来の素材は時間がかかる」と考えておけばよいでしょう。

乾きやすさについては、消費科学研究所によって検証が行われています。洗濯した綿タオル・ウールセーター・フリースを一定環境下で干し、乾燥時間の比較をするというものです。

検証結果によると、フリースが1時間でほぼ完全に乾いたのに対し、タオルとセーターは6時間後も完全には乾きませんでした。

このように、洗濯物が乾く時間には環境や素材などさまざまな要因が関係しているのです。

出典:「洗濯乾燥性試験」で素材ごとの乾きやすさを比較 | 品質管理・衛生管理の消費科学研究所/大阪・東京・名古屋

洗濯物がなかなか乾かない理由

 

同じような素材なのに「日によって乾き具合が違う」と感じたことがある人もいるでしょう。次の三つに当てはまる日は、洗濯物の乾きが悪くなりがちです。

気温が低い

洗濯物が乾く時間には「気温」が大きく関わっています。夏場に洗濯物がよく乾くのは、うだるような暑さが水分をどんどん蒸発させていくからです。

そのため冬場であれば、外よりも気温の高い室内の方が、洗濯物が早く乾くこともあります。

なお、次に挙げる要因の「湿度」も、気温によって左右されます。大気中に存在できる水蒸気の量は、気温が高いほど多くなり、気温が低ければ少なくなります。つまり、気温の低い日ほど洗濯物が乾きにくくなるのです。

出典:温度・湿度の基本原理|温度変化と湿度・乾燥について|アピステ テクニカルノート

湿度が高い

「湿度」が高い場合も、洗濯物の乾きは悪くなります。湿度とは、空気中に含まれる水蒸気の量と割合のことで、空気の中に含むことができる水蒸気量は決まっています。

例えば、コップの中のスペースを洗濯物の周りの空気だと考えてみましょう。湿度が高い日は、コップの半分以上に水がたまっているような状態です。空っぽに近いコップに比べて、洗濯物の水分を移せるスペースが少なくなっていることが分かるでしょう。

このように、湿度が高いと蒸発できる水分量が少なくなってしまうのです。

風通しが悪い

三つ目の要因は「風」です。風のある日は洗濯物が乾きやすくなります。

髪の毛を乾かすときを思い浮かべてみましょう。自然乾燥だとなかなか乾きませんが、ドライヤーを使えば短時間で乾かすことができますね。これは、ドライヤーの風が熱いだけではなく、風が空気をうまく循環させてくれているからなのです。

ぬれた洗濯物の周囲の空気は常に湿っています。そこに風が乾いた空気を送り込むことで、表面の湿気を吹き飛ばし、新たに水分が蒸発するためのスペースを確保してくれるのです。

そのため、風のない日や風通しの悪い場所では、洗濯物が乾きにくくなってしまうというわけです。

生乾きがよくないのはなぜ?

少し湿気の残る「生乾き」の洗濯物から、不快な臭いを感じたことはないでしょうか。洗い直したときは臭いが取れたのに、時間がたってから再び臭い出すこともあります。その不思議な原因について確認しましょう。

雑菌が繁殖し、嫌な臭いの原因に

生乾きの洗濯物が臭うのは「雑菌」が原因です。湿った状態が続くほど、雑菌は洗濯物に残った皮脂汚れと水分を餌にしてどんどん繁殖していきます。紫外線による殺菌効果の得られない室内干しは、さらに繁殖しやすい環境といえるでしょう。

近年、この臭いの原因が人間の粘膜にも存在する「モラクセラ菌」であると特定されました。厳密にいうと、モラクセラ菌のフンが臭いの原因です。

雑菌は一度繁殖してしまうと洗い直したくらいでは滅菌できません。生乾きで臭くなった洗濯物は、熱湯や専用の洗剤を使って殺菌する必要があります。こうした手間を避けるためにも、日頃から早く洗濯物を乾かす工夫をしましょう。

出典:衣類から発生する臭いについて|共栄社化学部式会社

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洗濯物を早く乾かす3つのコツ

天候はどうにもなりませんが、洗濯物を干す環境はある程度、自分で整えることが可能です。次に挙げる「洗濯物を早く乾かす三つのコツ」を実践してみましょう。

脱水時に乾いたタオルを入れる

天気の悪い日や室内干しをする日は、洗濯機の脱水時に「タオル」を投入してみましょう。

乾いたタオルが洗濯物の水分を吸い上げ、脱水効果を高めてくれます。厚手の服などがあれば、乾いたタオルでくるんでしまってもよいでしょう。

タオルは、大きければ大きいほど効果抜群です。洗濯容量に余裕があれば、大判のバスタオルを使うと乾きやすさもアップします。

間隔を空け、アーチ干しにする

空気の通り道を作るためには、「間隔を空けること」と「アーチ干し」を意識してみましょう。

洗濯物と洗濯物の間隔が空いているほど、乾いた空気が循環しやすくなります。スペースに余裕をもって干すためには、こまめな洗濯も、早く乾かすためのコツの一つといえるかもしれませんね。

また、ピンチハンガーに干すときは、丈の短いものを中央に、丈の長いものを外側に干すようにしましょう。つった洗濯物の下側が半円を描くことから「アーチ干し」と呼ばれます。

こうすることで、中央に干した洗濯物にも効率よく空気を送り込めるようになるでしょう。

裏返しにして干す

早く乾かすためには、生地の厚い部分を空気にさらすことも重要です。そのため「裏返して干す」方法も取り入れてみましょう。

服の中で生地が重なる部分といえば、縫い目やポケットのある部分です。そのまま干すと、これらが内側にきてしまい、完全に乾くのに時間がかかります。手間を惜しまず裏返すことが、素早く乾かすポイントです。

室内干しにはアイテムをプラス

早く乾かす三つのコツに加えて、室内干しの場合はさらにひと工夫することで、乾燥時間を短縮できます。洗濯物を乾きやすくする四つの便利アイテムをチェックしましょう。

アイロンの熱で水分を蒸発させる

一つ目のアイテムは「アイロン」です。脱水直後の洗濯物にアイロンがけをすると、洗濯物に含まれた水の温度が上昇して蒸発しやすい状態になります。

シワ伸ばしや熱による消臭の効果も期待できるので、時間に余裕があるときに取り入れたい方法です。ただし、衣類によってはアイロンがけできないものもあるので、タグのチェックは忘れずに行いましょう。

扇風機の風をまんべんなく当てる

空気の流れを作る「扇風機」も重宝します。このとき、扇風機は干した洗濯物の真横から当てるようにしましょう。風の強さは「弱」の設定で十分です。風が通りやすいよう、洗濯物の間隔は15cmほど空けておきます。

一方向からだけではなく全体的に風が行き渡るよう、扇風機の首振り設定をしておくことも大切です。乾いた洗濯物から取り込んでいくと風がさらに通りやすくなり、乾燥時間の短縮につながります。

除湿機で部屋全体の湿気を除去

部屋の湿気を除去する「除湿機」も、水分を早く蒸発させるのに役立つアイテムです。

除湿機を使う場合は、ドアを閉めて効率よく除湿しましょう。置く場所は洗濯物の真下がおすすめです。洗濯物は上から乾いていくので、下にたまっていく水分を除湿機の風で乾かしましょう。

なお、真下に置く場合、洗濯物から30~40cm離すことが重要です。あまり近過ぎると、火災や事故の危険があるため十分に注意しましょう。

扇風機+エアコンでより効果がアップ

室内の温度を調整する「エアコン」は、室内干しでも活躍します。扇風機とダブル使いすることで、より早く乾かすことが可能です。

湿度を下げる「除湿モード」はもちろん、「冷房・暖房モード」でも問題ありません。エアコンから送られる風が、扇風機とは違う角度から空気の流れを作ることがポイントです。

「衣類乾燥モード」を搭載したエアコンもあるので、都度うまく活用していくとよいでしょう。

洗濯物はできるだけ短時間で乾かそう

洗濯物が乾く時間は、「外干し」か「室内干し」かで異なります。また、同じように干しても、その日の「気温」「湿度」「風の有無」によっても左右されるため、いつごろ乾くか予想するには、ある程度の経験値が必要です。

なるべく早く乾かすには、間隔を空けたり裏返しにしたりと、生地表面に乾いた空気が循環しやすくなる干し方を心掛けるとよいでしょう。

乾きにくい季節の室内干しには、除湿機など便利なアイテムをプラスするのがおすすめです。コツを覚えてしまえば、どんなときもカラっと気持ちよく仕上げられる洗濯上手になれますよ。

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文・構成/HugKum編集部

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