1歳8か月の息子。寝る前の絵本をエンドレスで要求されてクタクタに【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴半世紀あまり。常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

夜、絵本を読むとエンドレスで、寝てくれなくて…

夜、寝る前に絵本を読むのですが「もっかい(もう1回)」と何度も言ってきます。「これが最後ね」と言っても、読み終わって電気を消すと大泣き。そして起き上がったり、お茶を欲しがったりして眠ろうとしません。
就寝時間は、今までは夜8時ごろでしたが、卒乳してから夜9時ごろになりました。こういう場合は、子どもの意思を大切にして絵本を読み続けたほうがいいのでしょうか? それとも「寝る時間だよ」と言い聞かせて、けじめをつけることを教えたほうがいいのでしょか?(1歳8カ月の男の子のママ)

「もっと読んで」は、子どもの言い訳。「もう、おしまい!」とケリをつけましょう

子どもってどうして寝るのが嫌いなのでしょうね?

たぶん、昔からだと思いますよ。だって、ねんねこに子どもを背負って外で寝かせようとしているイラストとかありますよね? そもそも「子守歌」があるのも然りです。なんとかかんとか寝かせようと、昔も今もおとなは苦労しているということでしょうか。私が思うのには、明るい世界から闇の世界に入るその扉の部分を入っていくのが難しい。怖い、不安という気持ちもあるのではないでしょうか?

絵本で気持ちを静めてと努力なさっているのに、「もう いっかい」が続いてしまう。子どももなんとかかんとか寝ないですむように、知恵を出しているのです。

だから「もっと読んで」は子どもの意志ではありません。子どもの言い訳です。

こちらがケリをつけていいです。「もう、おしまい!」って。電気を消すと怖いのでしょうから、弱くつけておいてあげましょうよ。

人間、いったいいつから寝るのが好きになるのでしょう。中学生くらいからかしら? きっと頭も身体も神経も疲れて果てるほどの、日々になってからでしょう。そうです。疲れると自動的に寝たくなります。3、4歳くらいになると昼間たくさんあそんだら、夕方にはその辺でパタンと倒れて寝ているときがあります。

眠いからぐずぐず言うのです。一緒に寝てしまうくらいの気持ちになって

まだ小さいのでそこまでの動きでもないし、そこまでの神経も使っていないし、とことん疲れてはいないのでしょう。でも、眠いは眠い。だからぐずぐず言うのです。やっぱり、スムーズな眠りの世界に入っていくためには添い寝がいいかもしれませんね。

本も読み終えてトントンとしながら、子どもによっては頭をなでるのが好きな子もいますし、背中をさするのが好きな子もいます。いろいろ試してみて下さい。私の経験では、添い寝をしながら、こちらが先に寝てしまう。気づくと子どもも寝てるというのが一番楽で効率もいいです。寝たら家事をしてとか落ち着かないと、子どもに見抜かれてしまいます。一眠りしてからかたづけるか、朝にすればいいかくらいに思って一緒に横になってしまうのはいかがでしょう?

 

教えてくれたのは

柴田愛子|保育者・自主幼稚園りんごの木代表

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。

イラスト/海谷泰水

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