シンク掃除を簡単にしたい！
シンクは食べ残しや油はもちろん、水垢や石鹸カスなど、いろいろなものが原因となって汚れてしまいます。シンクを簡単に掃除する方法を見ていきましょう。
シンクの汚れの種類と特徴
シンクの汚れは、その原因からいくつかの種類に分けることができ、それぞれ特徴があります。汚れの種類と特徴を理解すれば、シンク掃除は簡単になります。もっとも重要なポイントは汚れが、酸性か、アルカリ性かということ。酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤と、逆の性質を持つ洗剤を使うと、汚れが落ちやすくなります。
油汚れ
シンクの汚れで、一番わかりやすいのが油汚れでしょう。料理に使ったフライパンや鍋、食器類を洗うときに、シンクにも油汚れがついてしまいます。気をつけないと、特に排水溝に油汚れがたまってしまうことがあります。油汚れは酸性の汚れの代表例です。
水アカ
シンクを使ったあとに、そのまま食器用洗剤と水で洗い流しているのに、なぜか白く汚れていってしまう…。原因は水アカです。水道水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれており、シンクや蛇口の表面についた水が乾燥して蒸発すると、ミネラルだけが結晶として固まり、残ってしまうのです。水アカは、油汚れとは違いアルカリ性。なので食器洗い洗剤ではきれいにならないのです。
石鹸カス
食器用洗剤と水道水の中のミネラルが混ざり合って、たまっていった汚れが石鹸カスです。水アカと似た汚れですが、アルカリ性と酸性の両方の汚れが混ざり合っているため、掃除は少し面倒になります。
ヌメリ・黒カビ
シンクは水を使うため、どうしても湿りがちです。そこに生ゴミや食べカスが残ってしまうと、雑菌が発生してヌメリや黒カビの原因となります。
サビ
シンクに使われているステンレスはサビに強い素材ですが、空き缶などを置いたままにしておくと、サビが発生することがあります。また使っているうちにステンレスの表面に細かな傷がつくと、サビが発生しやすくなります。
【汚れ別】シンクの掃除法と予防法
シンクの汚れの種類と特徴がわかれば、掃除法と予防法も一目瞭然になります。汚れ別に実際の掃除方法と汚れをつかないようにする予防用を見ていきましょう。
油汚れには食器用洗剤
毎日の料理や食器洗い、食べ残しから出る油汚れは、いつも使っている食器用洗剤で洗い流せます。食器用洗剤はほとんどが中性ですが、日々の油汚れには十分。手荒れも防いでくれます。
がんこな油汚れは、アルカリ性の洗剤を使って落とします。重曹をペースト状にして使うとよいでしょう。
掃除法
日々の油汚れは、食器用洗剤とスポンジで洗い流します。油汚れはぬるま湯（40℃程度）を使うとさらに効果的です。
がんこな油汚れは、重曹に水を加えた「重曹ペースト」で落としましょう。重曹ペーストを油汚れに塗り、スポンジでこすります。力を入れすぎるとシンクの表面に傷がついてしまうので注意してください。ぬるま湯で洗い流せばOKです。
予防法
シンクの油汚れは、鍋や食器を洗ったあとに、食器用洗剤とスポンジでサッと洗い流しておくだけで防げます。マイクロファイバーなどで残った水を拭き取っておけば日々のシンクのお手入れは完璧！
水アカにはクエン酸
水アカは、水道水の中のミネラル分が固まったもの。がんこなアルカリ性の汚れです。アルカリ性の汚れは、酸性のクエン酸を使って落とします。
掃除法
軽い水アカには、クエン酸スプレー（市販のもの、または、スプレーボトルに水とクエン酸を入れたもの）を吹きかけ、スポンジなどでこすって、水で洗い流します。
がんこな水アカは、スプレーしたところをキッチンペーパーやラップで覆い、30分程度放置します。その後、同じようにスポンジなどでこすって、水で洗い流します。
予防法
水アカの予防法は、とにかく水を残さないこと。シンクを使い終わったあとに、マイクロファイバーなどで水を拭き取ります。
石鹸カスにはクエン酸と重曹の2段階掃除
石鹸カスは、食器用洗剤と水道水の中のミネラルが混ざり合った汚れ。アルカリ性と酸性の汚れが混ざりあっているため、2つの汚れを1つずつ落としていきます。
掃除法
石鹸カスは、水アカと区別しにくい汚れです。なのでまずはクエン酸を使って、水アカ掃除を行います。白い汚れがクエン酸で落ちなかったときは、アルカリ性の重曹の出番。シンクを軽く水で濡らしたところに重曹をふりかけ、30分ほど放置したあと、スポンジでこすり、水で洗い流します。重曹は水と混ぜてスプレーにしてもよいでしょう。
予防法
石鹸カスの予防は、シンクに洗剤や水を残さないこと。鍋や食器を洗ったあと、シンクの汚れを落とし、洗剤はしっかり水で洗い流します。さらにマイクロファイバーなどで水を拭き取ります。
ヌメリ・黒カビには重曹＋クエン酸
ヌメリや黒カビは、軽いものなら食器用洗剤とスポンジで落とすことができます。毎日、シンクを使ったあとに、食器用洗剤とスポンジでサッと洗っておけば、ヌメリや黒カビが発生することはないでしょう。
ですが、シンクを使うたびに水や汚れが流れる排水溝は、どうしてもヌメリや黒カビが発生しがちです。
掃除法
ヌメリ・黒カビには漂白剤・除菌剤が効果的。スプレータイプもあるので、ヌメリ・黒カビにふきかけ、しばらく放置して水で流します。
安心な方法で落としたいという方は、重曹＋クエン酸で落とすこともできます。排水溝に重曹と、重曹の半分の量を目安にクエン酸をふりかけます。次に1カップ（200cc）程度のぬるま湯を少しずつかけると、重曹とクエン酸が溶けて二酸化炭素の泡が発生して汚れを落としていきます。15〜30分程度放置したあと、ぬるま湯で洗い流します。
予防法
ヌメリ・黒カビの予防は、雑菌の栄養分となる食べカスや油、そして水を残さないこと。食べカスや調理中の野菜クズなどは排水溝に落とさないようにし、フライパンの油も可能な限りキッチンペーパーで拭き取ります。そして、なかなか難しいことですが排水溝はできるだけ乾燥させてください。
サビにはクレンザー
ステンレスはサビに強い素材ですが、サビが広がったり、深く浸透するとやっかい。サビができたときは、早めにできるだけ落とします。
掃除法
サビにクレンザーをかけ、スポンジなどでこすり落とします。強くこすると、ステンレスが傷ついてしまうので、マイルドタイプのクレンザーと、研磨剤が入っていないスポンジを使います。
予防法
缶詰や飲み物の空き缶をシンクに置かないようにします。シンクを使い終わったあと、マイクロファイバーなどで水を拭き取っておくことはサビ予防にもなります。
シンクの掃除は毎日必要？
シンクの掃除はどれくらいの頻度で行えばよいのでしょうか。1日1回のサッと掃除と週1回（忙しい方は、月に1回）のしっかり掃除を組み合わせると、シンクをいつもきれいな状態に保つことができます。
毎日の掃除法
1日1回、鍋や食器類の片付けが終わったあとに、シンクも簡単にお手入れします。使うのは、食器用洗剤とスポンジ、マイクロファイバーなど乾拭き用の布だけ。シンク全体を洗い、最後にしっかり水分を拭き取ればOKです。三角コーナーや排水溝の野菜くずや食べカスも捨てておきます。
毎週、毎月の掃除法
月に1回、忙しい方は週1回、しっかりシンクを洗うと、気持ちよくシンクを使い続けることができます。しっかり掃除は、酸素系漂白剤を使ったシンクの「漬け置き洗い」が便利で簡単。排水溝のパーツも外して、浸け置きします。
まずは、排水溝のパーツを外します。排水溝にフタをして、40℃程度のぬるま湯をためます（排水溝のフタがない場合は、ビニール袋に水を入れて縛り、フタの代わりにします）。
ぬるま湯に酸素系漂白剤を溶かし、外した排水溝のパーツやスポンジ、スポンジ置きなども一緒に漬けてます。最低2時間以上は放置してから流し、スポンジでこすって、水で漂白剤をしっかり洗い流し、最後に水を拭き取り、排水溝をもとに戻せば完了です。
シンクの掃除におすすめの洗剤・スポンジ
シンク掃除におすすめの洗剤やスポンジを紹介します。
重曹の【激落ちくん】
シンク掃除はもちろん、重曹はいろいろな場所のお掃除に使えます。アルカリ性で油汚れや皮脂汚れなどの酸性汚れを中和。粉末タイプはクレンザー効果もあり、コゲや頑固な油汚れをこすり落とします。
ミヨシ 暮らしのクエン酸
デンプンを原料として、発酵させて作ったクエン酸。酸性の働きで汚れを落とします。特にせっけんカス、水アカ汚れに効果を発揮します。
パックスナチュロン キッチンスポンジ
あわ立ち・水切れ・耐久力抜群、ぬるつかずに衛生的なキッチン用スポンジ。
ドイツのフキン BLITZ（ブリッツ）
ドイツ生まれ、100％天然繊維でできた吸水性バツグンのふきん。
オキシクリーン
「オキシ漬け」という言葉を生み出した人気の酸素系漂白剤。
シンク掃除を手軽に、簡単に
シンク掃除は「さあ、やるぞ！」と思うと、ちょっと面倒な気持ちになりますが、食事の後片付けが終わったら、ササッと掃除し、水を拭き取っておくことがポイント。「最後に大きなお鍋（のようなもの）を洗う」と考えると良いかもしれませんね。
文・構成／HugKum編集部
