どこのお家にも1本はあるキッチンハイター。実はこのキッチンハイター、家中をきれいにできる優れた漂白剤なのです。そこでこの記事では、キッチンハイターの使い方、キッチン・トイレ・お風呂、ウィルス対策などの使い道、使うときの注意点をご紹介します。
目次
キッチンハイターを便利に使いこなそう!
かつてHugKumで調査した「やりたくない家事」の上位にランクインしていたお掃除系。たしかに意外と重労働で、育児その他の家事の合間にやるには面倒だったりします。
そんな面倒な家事だからこそ、お掃除には便利なアイテムを使って、効率的にやってのけたいですよね。
キッチンハイターは、キッチン周りだけでなく、お風呂やトイレ、洗濯機など、家のさまざまなところで使えます。HugKumが調べたいろいろな使い道をご紹介しますので、便利に使いこなしていきましょう。
キッチンハイターとは
キッチンハイターは、化学メーカー・花王が販売する台所用塩素系漂白剤です。
1960年代に「花王ブリーチ」として販売され、当時は「台所の衛生にも使える」という宣伝文句だったそうです。のちに「花王ハイター」に改称され、70年代に「花王キッチンハイター」が販売されるようになりました。発売当初の種類は、大・小サイズだけだったのですが、現在では泡タイプの「キッチン泡ハイター」もあります。
成分
キッチンハイターは、塩素系漂白剤です。主成分は、漂白剤である「次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)」。そのほか、アルカリ剤の「水酸化ナトリウム」、界面活性剤の「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」、水が含まれています。
同じような成分で構成された洗剤に「カビキラー」がありますが、キッチンハイターとは次亜塩素酸ナトリウムの濃度が違い、キッチンハイターのほうが濃度が高いです。
用途
キッチンハイターの用途は3つ。漂白・除菌・消臭です。
キッチンハイターは漂白剤ですので、漂白だけしか用途がないと思われがちですが、実は除菌と消臭もできる優れものです。まな板や冷蔵庫の中などの除菌や、食器やふきんの気になるニオイも除去してくれます。
種類
キッチンハイターには、うすめて使う「キッチンハイター」と、泡タイプの「キッチン泡ハイター」があります。どちらも成分は同じですが、それぞれの濃度が異なります。
なお、キッチンハイターと「除菌洗浄トイレハイター」との違いは、トイレハイターはジェル状で、次亜塩素酸ナトリウムの濃度がキッチンハイターよりも低いです。
キッチンハイター
次亜塩素酸塩配合で強力除菌。除菌・漂白・消臭をつけおきしてまるごと叶えてくれるキッチンハイターは、うすめて使う、つけおきタイプの台所用漂白剤です。カップ・ふきん・子ども用マグ・哺乳びんなどにおすすめ。
キッチン泡ハイター
スプレーしてすばやく除菌*1・漂白・消臭・ウイルス除去*2を促すキッチン泡ハイターは、手軽に使えるスプレータイプの台所用漂白剤。まな板なら、除菌・ウイルス除去は30秒、漂白は5分置くだけ。排水口・三角コーナーなどのシンクまわりにもおすすめです。
*1 プラスチック製まな板での除去率。すべての菌を除菌するわけではありません。
*2 すべてのウイルスを除去するわけではありません。
キッチンハイターの使い方
キッチンハイターの正しい使い方を知って、安全に使いましょう。
使えるもの・使えないものをチェック
キッチンハイターをつかう前に、使えるもの・使えないものを確認しましょう。もし、材質がわからないものがあれば、目立たない場所で確認してから使うようにしてください。
使えるもの
色・柄のないのふきん・おしぼり、プラスチック製品(メラミン除く)、ステンレス製品、シリコン製品、ナイロン製品、人工大理石、陶器、ガラス器・木・竹製品
使えないもの
色物・柄物の布製品、金属製の容器・用具(ステンレス除く)、メラミン食器、漆器、天然石の調理器具・設備、獣毛のハケ、水洗いできない製品や場所、食品、塩素系は使えないと表示にあるもの
用途に応じた濃度にする
キッチンハイターは、水で薄めてから使います。用途によって濃度が違いますので注意してください。
除菌・消臭の場合
ふきんなど:5Lの水にキャップ約1.2杯
まな板や食器など:5Lの水にキャップ約2杯
冷蔵庫の中:5Lの水にキャップ約1/2杯
漂白の場合
ふきんなど:5Lの水にキャップ約1.2杯
まな板や食器など:5Lの水にキャップ約2杯
キッチン泡ハイターの使い方
キッチン泡ハイターは、漂白や除菌、消臭したいところに直接スプレーして使います。使用料の目安は、10cm四方当り5回スプレー(4.5ml)です。対象物から約10cm離してからスプレーするようにしてください。
キッチンハイターの使い道①キッチンで使う
キッチンハイターは、食器やふきんだけでなく、冷蔵庫の除菌や哺乳瓶などのベビー用品にも使えます。
冷蔵庫に
見逃しがちな冷蔵庫内の除菌。冷蔵庫は一定の温度が保たれていて、食べ物などをこぼしたままでいると、菌が繁殖してしまいます。キッチンハイターでさっと除菌しましょう。
使い方
5Lの水に、キッチンハイターをキャップ約1/2杯入れ、ふきんを浸して絞ってから、冷蔵庫内を拭きます。拭いた後は水拭きしてください。
また、冷蔵庫のパーツはつけ置きして除菌することもできます。5Lの水に、キッチンハイターをキャップ2杯入れ、冷蔵庫のパーツを30分つけます。その後は水ですすぎ、よく乾かしましょう。
まな板やお弁当箱に
まな板の食材を切った後の着色汚れや、包丁傷に入り込んだ黒ずみ、お弁当箱のニオイが気になるときには、キッチン泡ハイターが大活躍。
使い方
まな板
まな板は、プラスチック製の場合、キッチン泡ハイターを直接スプレーし、そのまま約5分おきます。その後、しっかり洗い流してください。木製のまな板の場合は、5Lの水に、キッチンハイターをキャップ2杯入れて5分以上つけおきし、水ですすぎます。
お弁当箱
お弁当箱に直接スプレーし、そのまま2分おきます。その後、水ですすぎ、しっかり洗い流して乾かしましょう。消臭だけでなく、除菌もできます。
メラミン以外のプラスチック食器に
お子さんがよく使うプラスチック食器は、表面に傷がつきやすく、その部分に汚れが入り込んだり、ニオイ移りが気になることはありませんか。それらの汚れやニオイを解消してくれるのも、キッチンハイターです。
使い方
使い方は、5Lの水に、キッチンハイターをキャップ2杯入れ、除菌・消臭の場合は2分、漂白の場合は30分つけおきします。その後、水ですすぎましょう。
ふきんに
ふきんや食器用スポンジを濡れたままにしておくと、雑菌が繁殖してしまいます。また、嫌なニオイがすることも。そんなときには、キッチンハイターを使って除菌しましょう。
使い方
ふきんや食器用スポンジの除菌方法は、5Lの水に30ml(キャップ約1杯強)のキッチンハイターを入れて薄め液をつくり、ふきん、または食器用スポンジを入れ、2分間つけおきします。その後、しっかりすすいで乾燥させてください。
哺乳瓶・ガーゼに
赤ちゃんが使う哺乳瓶やガーゼなども、キッチンハイターできれいに除菌・消臭・漂白できます。実は、哺乳瓶の消毒液とキッチンハイターの主成分は同じものなので、安心して使えます。
使い方
哺乳瓶
1Lの水にキッチンハイター10mlの割合で容器に薄めてうすめ液をつくり、2分間つけおきします。しっかりすすいで乾燥させてください。
ガーゼ
1Lの水にキッチンハイター6mlを入れた液をつくり、ガーゼを浸します。水でしっかりすすいでから、絞って干しましょう。
キッチンハイターの使い道②洗濯機に使う
洗濯機の掃除にもキッチンハイターは使えます。というのも、洗濯槽クリーナーには、塩素系漂白剤タイプもあり、主成分がキッチンハイターと同じだからです。
洗濯機の掃除に
キッチンハイターで掃除をすれば、洗濯機の消臭や、洗濯槽をきれいにすることができますよ。
※掃除をする前に、塩素系漂白剤が使用可能かどうか洗濯機の説明書などで確認してから行ってください。
【1】洗濯槽に最高水位まで水を溜め、水10リットルあたり50㏄のキッチンハイターを入れる。
【2】5分ほど空回しをしたあと、2~3時間放置する。
【3】汚れが浮いている場合はネットなどで取り除く。
【4】標準コースで洗う。汚れがなくなるまで繰り返す。
ドラム式の場合は、衣類などが入っていない洗濯槽に、最低水位に設定して扉を開けて水がこぼれない程度の水量にします。そして水量に合うように、キッチンハイターの分量を調整し、直接洗濯槽に入れてください。その後、槽洗浄コースに設定して洗えばOKです。
洗たく槽ハイター
花王ハイターの商品ラインナップには、洗濯槽の汚れを落とすことに特化した「洗たく槽ハイター」もあります。水をはった洗濯槽に入れるだけで、裏側にこびりついたカビ・水アカを強力発泡洗浄します。衣類への菌移りの元や、イヤなニオイもスッキリ消臭。ツンとしたニオイが気にならない、さわやかな香りです。
キッチンハイターの使い道③お風呂で使う
お風呂のカビや、ドアのゴムパッキンなどのカビ防止にもキッチンハイターは有効です。
お風呂のカビ落としに
お風呂のカビ落としは、キッチンペーパーでパックします。そうすることで、黒カビを除去でき、さらには漂白効果でカビの色を取ることもできます。
【1】キッチンハイターを水で2〜3倍に薄める。
【2】キッチンペーパーに薄めたキッチンハイターを染み込ませ、カビのある部分に貼りつける。
【3】1時間~数時間ほど放置する。
【4】水で洗い流す。
ドアのゴムパッキンに
ドアのゴムパッキン部分は、カビが生えやすい場所です。この部分は掃除がしにくいため、放置してしまうこともよくあるのではないでしょうか。キッチン泡ハイターを使えば、カビの除去、カビの防止効果も期待できます。
ドアのゴムパッキンにキッチン泡ハイターを直接スプレーして、1時間~数時間ほど放置してみてください。そのあと水で洗い流します。
強力カビハイター
花王ハイターの商品ラインナップには、カビを落とすことに特化した「強力カビハイター」もあります。手軽に使えるスプレータイプで、壁や扉のゴムパッキン、シャワーホースなど、垂直面のカビにおすすめです。
キッチンハイターの使い道④トイレで使う
トイレの黒ずみや除菌にキッチンハイターを使いましょう!
トイレの黒ずみ落としに
トイレ掃除を怠ると、リング状の黒ずみが発生することがあります。この黒ずみをトイレ用洗剤で落とすのは難しいですが、キッチン泡ハイターを使えば落とすことができます。
【1】黒ずみ汚れがある部分にトイレットペーパーを敷く。
【2】キッチン泡ハイターを【1】にスプレーする。
【3】2~3分放置する(汚れがひどい場合は30分程度放置する)。
【4】トイレブラシでやさしくこすり、水を流す。
トイレの除菌に
トイレの床や壁、便器周り、ドアノブなどの除菌に、キッチンハイターを使いましょう。やり方は、水1L にキッチンハイター10mlを入れて薄め、布に液をしっかりふくませ、絞ってから拭いていきます。
除菌洗浄 トイレハイター
花王ハイターの商品ラインナップには、トイレ掃除に特化した「除菌洗浄 トイレハイター」もあります。塩素系のトイレクリーナーで、フチ裏までらくらくお掃除。液が密着するので、フチ裏の黒ずみ・バイ菌もこすらずキレイにします。
キッチンハイターの使い道④ウイルス対策に使う
新型コロナウイルス、ノロウイルスなどのウイルス対策にも、キッチンハイターは役立ちます。
ドアノブや取っ手に
家の中で、家族がよく触る部分がドアノブや取っ手です。これらの部分には、アルコール消毒よりも、塩素系漂白剤を薄めた消毒液が有効です。
消毒液の作り方は、水1L にキッチンハイター10mlを入れて薄めます。この液に布を浸し、絞ってから、ドアノブや取っ手を拭いていきましょう。
手指の消毒には使えない!
キッチンハイターは、ドアノブや取っ手などのウイルス除去に有効ですが、手指の消毒には使えません。直接手指にかけたりしないようにしてください。
花王株式会社|ハイター|薄めた液で拭いてウイルスを除去する方法
キッチンハイターを使うときの注意点
キッチンハイターは、いろいろな用途に使えて便利ですが、強力な洗剤なので使うときには注意が必要です。
換気をする
キッチンハイターには、塩素系漂白剤特有の刺激臭があり、嗅いでいるうちに気分が悪くなったり、頭痛が起きたりするケースもあります。使う際には、必ず換気扇を回す、窓を開けるなど、換気するようにしましょう。
混ぜない
キッチンハイターは酸性のものと混ざると、有害なガスが発生します。絶対に混ぜないようにしてください。
もし混ざってしまった場合には、その場を離れてガスを吸わないようにします。目やのど、皮膚に刺激や痛みを感じるようであれば、病院を受診してください。
手袋をする
キッチンハイターなどの塩素系漂白剤が皮膚につくと、皮膚表面のたんぱく質が分解され、ぬるぬるします。また、ひどい場合には炎症を起こしたり、強い痛みを感じることも…。そうならないためにも、ゴム手袋を着用しましょう。
もし、皮膚についた場合は素早く水で洗い流してください。
使えない場所に注意
基本的に、
・水洗いできない場所
・天然石の場所
・塩素系が使えないと表示のある場所
はキッチンハイターは使えません。使ってしまうと、変色・変形したり、劣化させたりすることがあります。上記の場所では使わないようにしましょう。
うすめて使う
キッチンハイターはアルカリ性の強い洗剤です。原液のまま使うと、材質をいためたり、身体に悪影響を及ぼすこともあります。必ず水でうすめて使うようにしてください。
キッチンハイターはマルチに使えて便利!
キッチンハイターは、漂白・除菌・消臭ができる塩素系漂白剤で、いろいろな場所で使えて便利です。ただし強力な漂白剤なので、使うときには、使える材質かどうかを確認してからにしましょう。ウイルス除去や除菌にも使えるから、常備しておいて損はありませんね。
文・構成/HugKum編集部