ガスコンロの掃除は「重曹」がおすすめ。部位別の掃除手順と注意点

1日の中でも頻繁に使うことの多いガスコンロですが、調理の際に付く汚れが気になっている人も多いのではないでしょうか。ガスコンロ周りの汚れは重曹を使うことできれいにできます。重曹を利用してガスコンロを掃除する方法と、注意点について見ていきましょう。

ガスコンロに付く汚れの種類

調理の際に使うガスコンロは、食材や油などが原因となるさまざまな汚れが付着しやすい箇所です。まずはガスコンロ周りに付きやすい、主な汚れの種類を確認していきましょう。

焦げ付き汚れ

調理の最中に飛び散った食材や調味料などがガスの火で焼かれ、炭化したものが焦げ付き汚れです。鍋などの調理器具を支える五徳の部分に付着することが多く、色も黒っぽいため目視では見つけにくい場合もあるでしょう。

特に、カレーやシチューなど、デンプンが多く含まれている小麦粉を使った料理は、頑固な焦げ付き汚れになりがちです。調理の際には鍋やフライパンからの飛び散りに注意しましょう。

焦げ付き汚れは、長期間放置すると汚れが繰り返し熱せられて、ますます落ちにくくなります。焦げ付き汚れを見つけたらなるべく早く対処するようにしましょう。

油汚れ

油は料理の際に欠かせないものですが、調理の際に飛び散ってしまうと油汚れの原因になってしまいます。揚げ物や炒め物をすると、たとえ注意を払っていても気付かないうちに天板や壁などの広い範囲に油が飛んでいるものです。

ガスコンロで調理するたび水拭きをすれば油を落とせるものの、放置すると毎回の油汚れが層のように重なってしまいます。こうなると、キッチン周りにこびりつく頑固な汚れになりかねません。

特に、固まって樹脂化した油汚れは非常に落としづらい状態です。油汚れを放置すると、コンロ周辺の壁やタイルにまで被害が及んでしまうため、日頃からこまめに掃除をするようにしましょう。

食品の汚れ

忘れてはならないのが食品そのものが原因となる汚れです。鍋に移す際に食材をこぼしたり、冷凍した食材を解凍したときに出る「ドリップ」が飛んだりすることで、ガスコンロに汚れが付着します。

しょうゆやソースなどの調味料はもちろん、食材から出たドリップや飛び跳ねた汁を放置すると、酸化や炭化が進みしつこい汚れになってしまいます。水分を多く含む食品が長時間付着すると、サビの原因になることもあるため注意が必要です。

食品による汚れはさまざまですが、付いたばかりであれば水拭きだけできれいに落とせます。ガスコンロの変色や変質が起こることも考えられるため、食品の汚れもなるべく早く対処するようにしましょう。

ガスコンロの汚れは重曹で落とす

焦げ付きや油など、ガスコンロ周りの主な汚れは「酸性」の性質を持っています。酸性の汚れをきれいにしたいときは、アルカリ性の「重曹」の出番です。ガスコンロの掃除に役立つ重曹の性質と、使い方を見ていきましょう。

酸性の汚れにはアルカリ性の重曹を

重曹とは「炭酸水素ナトリウム」のことで、「重炭酸ソーダ」を略して重曹と呼ばれています。ベーキングパウダーや入浴剤にも利用される、安全性の高い物質です。

弱アルカリ性の重曹は酸性の汚れを中和する作用を持っているほか、重曹の粒子にはこびりついた汚れを落とす「研磨効果」もあります。また、温めると二酸化炭素と水に分解される性質を利用することで、しつこい焦げ付き汚れを浮かせて落とすことも可能です。

水に溶かすと弱アルカリ性、沸騰させると強アルカリ性を示す重曹は、キッチン周りに多い酸性の汚れに抜群の効果を発揮します。ドラッグストアなどで手軽に手に入るのもうれしいポイントです。

キッチン周りの汚れに抜群の効果。重曹はドラッグストアなどで購入できます

汚れの程度に合わせた使い方

ガスコンロの掃除の際は、汚れ具合に合わせて重曹を使い分けのがポイントです。以下の3通りの使い方を試してみましょう。

    ・粉状のまま振りかける
    ・重曹水を作ってスプレーする
    ・重曹ペーストを作って塗り込む

    重曹の粒には研磨効果もあるため、軽い汚れには粉状のまま振りかけてスポンジなどでこするだけでもOKです。

    広範囲のしつこい汚れには、重曹水が効果を発揮します。100mlの水に小さじ1杯の重曹を溶かして重曹水を作り、市販のスプレーボトルに入れて使いましょう。一度作っておけば、掃除の都度利用できて便利です。

    なかなか落ちない強力な汚れには、重曹ペーストを使うのがおすすめです。大さじ2杯の重曹に大さじ1杯の水を加えてよく練り、ペースト状にしたものを直接塗り込んで使います。保存には向かないため、掃除のたびに新しく作るとよいでしょう。

    部位別の掃除方法

    ガスコンロの部位によってできやすい汚れの種類や、掃除の際に必要となる道具は異なります。重曹を活用した掃除の方法を部位別に見ていきます。

    なおガスコンロの掃除の際には、必ず元栓を閉めているか確認をしてから作業を行いましょう。

    天板の掃除手順

    ガスコンロの天板には、調理の際に飛び散った油や食品の汚れが残りがちです。天板はなるべく傷を付けたくない箇所のため、重曹をそのまま振りかけて汚れを落としましょう。

    まずは汚れのある部分に重曹を粉のまま振りかけ、しばらく置いて重曹が汚れを吸収するのを待ちます。

    15分ほど放置したら、ラップやアルミホイルを丸めて水を付け、円を描くようにして優しくこすってみましょう。ラップやホイルは、すでに使用したものを使うとゴミも減って一石二鳥です。

    汚れが落ちたら、乾いた布やスポンジで重曹をきちんと拭き取れば完了です。

    五徳の掃除手順

    鍋やフライパンに直接触れる五徳は、ガスコンロの中でも特に汚れが付きやすい箇所です。古い油汚れや焦げ付き汚れがたまっていることも多いですが、強くこすりすぎると五徳を傷つけてしまうため気を付けましょう。

    重曹水を吹きかけても汚れが落ちない場合は、五徳をコンロ本体から取り外し、浸け置きを試してみるのがおすすめです。

    ボウルなどの容器に40~60℃程度のぬるま湯1lを入れ、大さじ4杯の重曹をよくかき混ぜて溶かします。汚れた部分が浸かるようにして容器に五徳を入れ、1時間ほど置きましょう。

    汚れが浮いてきたら、スポンジや歯ブラシで優しくこすって落とします。きれいになったら、汚れと重曹を水で完全に洗い落としてから乾かしましょう。

    バーナーの掃除手順

    バーナーとは、五徳の中央にある火の吹き出し口となる部分を指します。バーナーの掃除は、ガスが消えた後にバーナー部分が十分に冷えていることを確認してから行いましょう。

    高温になるバーナーには、強力な焦げ付き汚れができている場合がほとんどです。汚れをそのまま放置していると点火不良を引き起こすかもしれません。まずは目立つ汚れを手で取り除きましょう。

    続いて、重曹水を使います。バーナー本体には細かい溝があるため、奥まで届く古い歯ブラシやつまようじを利用するのがおすすめです。

    バーナーキャップを取り外せる場合は、裏側にもくまなくスプレーしてから全体をこすりましょう。スプレーで落ちなければ、五徳のように重曹水に浸ければOKです。

    しばらく放置してから取り出し、歯ブラシやスポンジで汚れを落とします。最後に、重曹と汚れが残らないように水で洗い流せば完了です。

    排気口やカバーの掃除手順

    ガスコンロの排気口や網目状の排気カバーは、揚げ物や炒め物をする際に飛び散った油汚れが付着しやすい場所です。掃除の前に、まず排気カバーが取り外せるかどうかを確認しましょう。

    カバーが外せる場合、重曹を溶かしたお湯に排気カバーを浸け置きして汚れを浮かせます。外せない場合は、カバーに重曹水を吹きかけてから、柔らかい布でこすりましょう。

    手が入らない狭さの排気口には、100円均一などで売られているお掃除棒を使います。家にあるもので代用する場合は、割り箸にキッチンペーパーや柔らかい布を巻き付けて使用します。

    食材のかけらなどのゴミを取り除いてから、たっぷりと重曹水を染みこませた棒で排気口の中を拭きましょう。排気口を掃除するときは、うっかり中に物を落とさないように注意が必要です。

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    重曹で掃除するときの注意点

    人体に悪い影響を与えないことからキッチンでも安心して利用できる重曹ですが、中には重曹と相性の悪い素材もあります。ガスコンロを掃除する際に気を付けるべき点を押さえておきましょう。

    拭き残しがないようにする

    重曹を使って汚れを落とした後に十分に乾拭きができていないと、拭き残しができる恐れがあります。

    特に炎が吹き出すバーナー部分は、重曹が残っていると目詰まりを起こす可能性があるため要注意です。点火不良の原因を作らないためにも、掃除の後はきっちりと重曹を拭き取りましょう。

    また、重曹の拭き残しは乾燥すると白い跡のように見えるため、黒っぽいガスコンロでは悪目立ちをします。人目に付きやすい天板に跡が残らないよう、乾いた柔らかい布でしっかりと拭いて取り除きましょう。

    仕上げにレモン汁を使って磨くのもおすすめです。酸性のレモン汁が、アルカリ性の重曹を中和して落ちやすくしてくれます。

    素材を確認してから使用する

    実際に掃除に取りかかる前に、ガスコンロの素材を忘れずに確認しておきましょう。重曹は、キッチン周りに多い酸性の汚れを落とすのに効果を発揮する物質ですが、中には重曹を使ってはいけない素材もあります。

    例えば、変色や腐食につながりかねないため、アルミ素材のものには使用NGです。また、フッ素コーティングされたものに重曹を使うと、研磨作用によりコーティング加工が剥がれる可能性もあります。

    コンロの天板にはフッ素加工のものもよく見られるため、うっかり重曹を使わないように注意が必要です。重曹が使用できない素材のガスコンロには、市販されている専用の洗剤を使うようにしましょう。

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    頑固な汚れになる前に掃除をしよう

    鍋を火にかけたり、揚げ物をしたりするたびに、ガスコンロには汚れが付着します。

    ガスコンロを清潔な状態に保つには、日頃からのこまめなお手入れが重要です。油や食材がはねてもも、すぐに水拭きをしていれば汚れが残ることはありません。しかし、すぐに掃除ができず蓄積して頑固な汚れになってしまうこともあるでしょう。

    そんなときは重曹を使って掃除するのがおすすめです。定期的な掃除を心がけて、ガスコンロを清潔な状態に保ちましょう。

    構成/Hugkum編集部

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