魚焼きグリルは、魚をおいしく調理するのに欠かせない存在です。しかし調理後のお手入れが面倒で、使用を控えている人も多いのではないでしょうか。そこで、魚焼きグリルの掃除方法とお手入れが楽になる汚れの予防法について紹介します。
魚焼きグリルが汚れる原因は?
子どもの健康のことを考えると、朝食や夕食で魚を食べさせたいと思うものです。しかし、魚焼きグリルは一度使うだけでも汚れが目立ち、独特な臭いも付いてしまいます。そもそもこの汚れの原因は何なのでしょうか?
油汚れ・焦げ付き
魚焼きグリルに付く汚れの原因は「油汚れ」と「焦げ付き」です。
魚焼きグリルは魚に含まれる余分な脂を落として、おいしく焼き上げる仕組みになっています。余分な脂は受け皿や網に落ちるので、そのまま放置しているとこびり付いて落としにくい汚れになってしまいます。食事中のちょっとの時間でも頑固な汚れに変化するため、できれば温かいうちに処理することがベストです。
また網部分は、魚の焦げ付きで汚れてしまいます。網は直接魚が触れるところなので、きちんと汚れを落とし切れていないと衛生面でも心配です。いずれも放置していると臭いの原因にもなってしまうので、早めに対処しましょう。
魚焼きグリルの掃除に使用するもの
魚焼きグリルは使うたびにきれいに掃除して、衛生面にも気を付けたいところです。しかし、頑固な汚れになってしまうと簡単には落とすことができず、面倒でついつい後回しにしてしまう人は多いでしょう。
そんなときは、汚れにピンポイントで効く「セスキ炭酸ソーダ」「重曹」を使って、掃除をしてみましょう。
油汚れには「セスキ炭酸ソーダ」
魚焼きグリルの油汚れには「セスキ炭酸ソーダ」がおすすめです。セスキ炭酸ソーダは水に混ぜるとアルカリ性になる洗剤で、油汚れやたんぱく質の除去などに効果があります。魚焼きグリルに付いている油汚れは酸性なので、アルカリ性洗剤を使うことで中和され、汚れが落ちやすくなります。受け皿や網だけでなく、庫内もすっきりきれいになるでしょう。
空いているスプレーボトルに水を入れ、セスキ炭酸ソーダを混ぜておくと、シュッと吹きかけて使えるので便利です。水500mlの場合は、セスキ炭酸ソーダ小さじ1~2杯程、水lの場合は大さじ1杯が目安になります。
焦げ付きには「重曹」
しつこい焦げ付きには「重曹」がおすすめです。重曹は研磨作用があるので、焦げ付きの除去に適しています。また、油汚れの分解や臭いの抑制にも効果があるため、魚焼きグリルの掃除にはぴったりの洗剤です。
魚焼きグリルだけでなく、お風呂やキッチンなど家の中のさまざまな場所に使えるので、持っていて損はありません。ぬるま湯に溶かして使う方法もあれば、そのまま振りかけてクレンザーとして使う方法もあります。
受け皿と網の掃除方法
魚焼きグリルの中で、一番汚れが付きやすい場所といえば「受け皿」と「網」です。特に、網は魚と直接触れる部分なので、衛生面を考え、常に清潔にしておきたいものです。
まずは、受け皿と網の掃除方法から解説します。
受け皿は「セスキ炭酸ソーダ」で掃除
魚焼きグリルの受け皿の掃除には「セスキ炭酸ソーダ」を使いましょう。手荒れが気になる人はゴム手袋の装着をおすすめします。
【手順1】受け皿がすっぽり入るような大きさの桶に、水またはぬるま湯1lとセスキ炭酸ソーダ大さじ1杯を入れて混ぜます。
【手順2】受け皿を入れて30分~1時間ほどつけ置きし、汚れが浮いてきたのを確認したら、歯ブラシやスポンジで擦り洗いします。
【手順3】汚れが落ちきったら水で洗い流して、しっかり乾かせば受け皿の掃除は完了です。
汚れがひどい場合は、一晩つけておくと掃除がしやすくなります。それでも汚れが落ちない場合は、空のスプレーボトルに水とセスキ炭酸ソーダを混ぜたものを入れ、受け皿に直接スプレーします。
その後、ラップで密着させて、そのまま1時間ほど放置しましょう。成分が汚れに浸透し、落としやすくなります。
網は「重曹」で掃除
焦げ付きが気になる網の掃除には、重曹を使います。用意するものは、重曹とスポンジ、メラミンスポンジ、使い終わった歯ブラシ、桶、ゴム手袋の6点です。メラミンスポンジは、普通のスポンジで汚れが落ちない場合に使用するため、なくてもかまいません。
まず、桶にお湯1lを入れ、重曹大さじ3杯を溶かします。網を浸して30分程放置すると、焦げ付きが浮いてきます。スポンジで擦り洗いし、落ちない頑固な汚れの部分にはメラミンスポンジを使いましょう。
また、網の細かい箇所は、使い終わった歯ブラシで擦ると効果的です。コーティングが取れないように丁寧に作業しましょう。その後、流水でよくすすぎ、乾かします。
魚焼きグリルの網は、魚の油汚れや焦げ付きが特に気になるものです。使用後すぐであれば、食器用洗剤で落ちることもあるので早めにきれいにしましょう。
庫内の掃除方法
受け皿と網がきれいになったら、魚焼きグリルの庫内も掃除しましょう。
掃除を開始する前は庫内が冷めているか、やけどの心配がないかをチェックします。また、掃除方法に注意点がないか、各メーカーの取扱説明書もよく読んでおきましょう。
庫内の汚れを放置していると、ベタ付きや臭いが気になってきます。キッチンで嫌な臭いがしないように、適切な掃除方法で清潔に保ちましょう。
軽い汚れは「台所用中性洗剤」で拭き取る
軽い汚れを落とすなら「台所用中性洗剤」を使えばOKです。菜箸に汚れてもよい布を巻き付け、お湯で溶いた台所用中性洗剤を含ませます。庫内の奥まで差し込み、汚れを擦り落とすように動かします。
また、台所用中性洗剤を含ませたキッチンペーパーを、庫内に貼り付けておくのも効果的です。汚れが浮いてくるので、擦ったときに汚れが落ちやすくなります。
掃除後は庫内をよく水拭きし、しっかり乾かしてください。魚焼きグリルは、時間が経てば経つほど汚れが落ちにくくなるものです。使用後はなるべく早い段階で、軽い汚れのうちに掃除するのがベターです。
頑固な汚れは「セスキ炭酸ソーダ」でパック
頑固な汚れにはセスキ炭酸ソーダを使います。
【手順1】まずは水250mlと、セスキ炭酸ソーダ小さじ1杯を混ぜて「セスキ水」を作ります。
【手順2】セスキ水はアルカリ性なので、頑固な油汚れにはぴったりです。このセスキ水をキッチンペーパーに含ませたら、庫内に貼っていきましょう。このとき、庫内にあるバーナーや、電子部分などの水気がNGなところは避けてください。
【手順3】キッチンペーパーの上からラップをかけて、30分~1時間程放置します。徐々に汚れが浮いてくるので、スポンジや使い終わった歯ブラシで擦り落とします。
【手順4】きれいになったら水拭きをして、中をしっかり乾燥させましょう。
魚焼きグリルの臭いを取る方法
魚を焼くと食欲をそそる香りがしてきますが、調理後の臭いが気になる人も多いはずです。キッチンに悪臭がすると、料理をする気分も下がってしまいます。そんなときに試したい、魚焼きグリルの臭いを取る方法を紹介します。
空焼きをする
魚焼きグリルの臭いを手軽に取る方法が「空焼き」です。魚焼きグリルを掃除したあとに、何も入っていない状態で5分ほど火をつけて空焼きします。これだけで魚の嫌な臭いがずいぶん気にならなくなるでしょう。
魚焼きグリルは長時間放置していると、どんどん汚れや臭いが落ちにくくなってしまいます。掃除のあとは空焼きをする癖をつけておくとよいでしょう。
みかんの皮を使う
空焼きしてもあまり効果を感じられない場合は「みかんの皮」で、魚焼きグリルの庫内を拭いてみましょう。かんきつ系のすっきりとした香りがして、嫌な臭いを消してくれます。
ただし、みかんの皮で拭いたあとは、水拭きすることも忘れないでください。水拭きしないまま放すると、庫内にカビが生えたりサビたりしてしまうこともあります。
お茶の出がらしを使う
魚焼きグリルの臭い消しには「お茶の出がらし」も使えます。もともと捨てるものなのでお金がかからず、再利用できることもうれしいポイントです。
方法は水気をよく切ったお茶の出がらしを、受け皿に薄く敷き詰めたら数分加熱します。お茶の出がらしの水気が飛んだらOKです。魚焼きグリル本体やお茶の出がらしが冷めたら、取り出して捨てれば完了です。
魚焼きグリルの汚れを防ぐコツ
魚焼きグリルを清潔に保つには、小まめに掃除するのが一番です。しかし分かってはいても、時間がなかったり面倒だったりとサボってしまいがちになります。
そこでお手入れの手間も回数も減らせる、汚れを事前に防ぐ方法を紹介します。まずは簡単な方法から実践してみましょう。
アルミホイルを敷く
網や受け皿の汚れを防ぐ方法は、使用前の網の上に「アルミホイルを敷いておく」だけです。アルミホイルが汚れたらそのまま捨てるだけでよいので、魚焼きグリルを掃除するより手間がかかりません。全く汚れないわけではありませんが、軽い汚れで済むことがほとんどで、掃除も簡単に行えます。
ただしアルミホイルを使用すると焼き具合が変わることもあるので、調理する際は焼き加減に気をつけましょう。
片栗粉を入れる
受け皿に水300mlと片栗粉大さじ4杯を入れて混ぜ合わせておくと、魚の油が落ちてきても水溶き片栗粉がしっかり受け止めてくれます。冷めると油と水、片栗粉が混ざったものが固まってくるので、受け皿からはがして取り除くことができます。アルミホイルのように魚の焼き具合が変わらないのが、おすすめポイントです。
グリルストーンを使う
グリルストーンという、魚の油を吸収する上に臭いを抑えてくれるアイテムもおすすめです。受け皿に敷き詰めて使います。その他はいつもと同じ調理方法で問題ありません。
グリルストーンは石焼き芋と同じ仕組みで、石の赤外線により魚をふっくら焼きあげてくれる効果があります。3回ほどくり返し使用することができるので、一度試してみてはいかがでしょうか。
きれいな魚焼きグリルで調理をしよう
魚には栄養が豊富に含まれているので、できれば毎日食卓に並べたいと考える人は多いことでしょう。しかし、汚い魚焼きグリルで調理するのは不衛生なので、汚れを少なくする工夫をしながら、小まめにお手入れしましょう。
汚れを放置しているとますます落ちにくくなってしまいます。まずは手軽な予防法から取り入れて、魚焼きグリルを衛生的に使用しましょう。
文・構成/HugKum編集部