不動産にまつわる専門知識の解説やトリビアが満載
ウソがつけない不動産屋の営業マン・永瀬財地(山下智久)の奮闘を描くNHKドラマ「正直不動産」(総合毎週火曜22時~)。前5回の永瀬は、後輩の月下咲良(福原遥)と父親とのぎこちない再会をサポートしつつ、永瀬をライバル視するミネルヴァ不動産の社員・花澤涼子(倉科カナ)に大勝負をふっかけました。
原作にあるとおり、毎回不動産にまつわる豆知識や裏事情がわかりやすく紹介されますが、今回は、不動産の建物状況を調査する「インスペククター」なる専門家が登場。そもそも不動産業界の舞台裏を覗くだけでも面白いのに、こういった知られざるエキスパートの仕事内容には興味津々です。
今後引っ越しやマイホーム計画があるママパパにとって役立つこと間違いなしの耳寄り情報をキャッチできますし、何よりも永瀬たち含め、正直者たちが仕事に向き合う真摯な姿勢は見ていて本当に気持ちが良いです。
どちらもひるまない、永瀬と花澤の名勝負の行方とは?
(以下、ネタバレを含みます)
月下(福原遥)は、両親の離婚で離ればなれとなっていた父・昌也(加藤雅也)と8年ぶりに再会。転勤で東京での分譲マンションを探している昌也のため、月下は良き物件を紹介すべくハッスルしますが、この親子のやりとりはかなりエモーショナルでした。ところが父親はミネルヴァ不動産の強引な営業にひっかかり、欠陥があるらしきマンションを提案されます。
そこへ永瀬と月下が駆けつけ、花澤との戦いの火蓋が切られました!永瀬はマンションの欠陥を指摘しますが、実際にそれを証明できなければ、自分の首が飛ぶどころか、会社側も名誉教授で訴えられてしまいます。ひええ!
永瀬も花澤も腹が据わっていて、全く引きませんから、観ている方もドキドキハラハラもの。山下さんも倉科さんも目力があるので、視線だけで気迫が十分伝わってきます。そして最後に永瀬と月下が思いがけないことをしたことで、真相が明るみに……!
今回は、カスタマーファーストの永瀬たちだけではなく、中村靖日演じるインスペククターの活躍も見事でした。実は彼、ミネルヴァ不動産から不正な取引をもちかけられていましたが「何を言われようと、私は私の仕事をするまでです」と、きっぱりそれをはねのけ、プロフェッショナルな仕事ぶりを発揮。毎回、“正直チーム”が勝利するので、実に晴れやかな気分です。
余談ですが、永瀬は仕事ができるのに、女性に対しては、どこか空気が読めない点がご愛嬌。居酒屋でのやりとりでは、花澤をブチ切れさせ、「いいのは見た目だけで、中身は最悪」と捨て台詞&ビールを浴びせられました(笑)。これぞ“水もしたたるイイ男”って感じですが、トホホな表情を見せる山下さんも最高です。
ちなみにミネルヴァ不動産の花澤という人物。漫画原作のエピソードでは、
桐山はスパイなのか!その真相は第6回に持ち越し
今回、一番気になったのは、桐山にスパイ疑惑が浮上したことです。最初は永瀬にとっては天敵かと思われた桐山ですが、実はそうではない流れだし、彼の行動を見ていると「実はいい人」ぶりがちらちら漏れ伝わってきます。
今回も桐山は月下の物件探しを手伝ったり、彼女に「親とは話せる時に話しとけ」と心優しいアドバイスをしたりもしました。そして、桐山への株が上がれば上がるほど、次回に来る衝撃が大きくなることは間違いなしです。
脚本は、「監察医朝顔」シリーズの根本ノンジですが、原作コミックの面白さをきちんと抽出しつつ、全10話のドラマとしてのテンポ感を見事に押さえています。果たして桐山の目論見とはいかに!? 第6回で明かされる真相に、今から胸が高鳴ります!
文/山崎伸子
「正直不動産」毎週火曜日、夜10時からNHK総合にて放送 再放送は毎週火曜日 午後3時10分~3時55分にNHK総合にて放送
見逃し配信はNHKプラスで!(放送後、最新話が公開されます)
連載バックナンバーはこちら
営業に必要なこと以外、客に見せも教えもしないーー
そんな不動産業界に前代未聞の爆弾が、いま炸裂する!!千三つと言われる海千山千の不動産業界でかつての成績が一気に低下する中、永瀬は、嘘が上手くつけない正直営業で苦戦するが…!?
不動産屋の裏側を全部ぶっちゃけちゃうニュー・ヒーロー、誕生。
本書は、大人気漫画『正直不動産』で取り上げてきたテーマのうちの24テーマを、宅建業者のTwitter集団・「全宅ツイ」の各専門クラスターが数人ずつトーク形式で語る本です。