わが子全員を医学部に進学させた人気講師に聞く【学年別】九九の上手な覚えさせ方

子どもの勉強で、大きなハードルのひとつとも言える九九。保護者に人気の幼児教室の講師代表にして、ご自身のお子さん全員を名門大学の医学部へ進学させた上田尚子先生に、家庭内でもできる九九の上手な覚えさせ方を聞きました。

家庭内でも試せる九九の上手な覚え方・覚えさせ方

小学校2年生のお子さんをお持ちの方は、学校で九九の勉強が始まったと思います。九九と言えば、2の段や5の段はすぐに覚えられても、6の段・7の段・8の段などはちょっと難しくて、覚えるまでにご自身が大変な思いをしたというパパ・ママも少なくないと思います。

もちろん、基礎・基本・応用で言えば、九九など基礎の基礎で、つべこべ言わずに反復練習で覚えさせたほうがいいのかもしれません。しかし一方で、上手な導き方が何かあるなら親としては知りたい気持ちもあるのではないでしょうか。

そこで今回は、保護者に人気の幼児教室ひまわり(大阪市)の副塾長(講師代表)にして、名門国立大学をご自身も卒業し、東大や京大の医学部にお子さん3人を全員進学させた上田尚子先生に、家庭内でも試せる九九の上手な覚え方・覚えさせ方を聞きました。

大変なことは分けてあげる

「まず、大前提として、2年生で今、九九を習っているお子さんをお持ちの方は『ににんが』などの掛け声の部分と『4(し)』の答えの部分を分けて練習させてあげると、お子さんの負担が減ると思います。

覚えたい情報は答えのほうですよね。九九はとてもリズミカルですが、掛け声の言い方が独特です。

その独特な言い方もセットで最初から覚えさせると大変なので『ににんが?』とまずは親が聞いてあげて、お子さんには『4』とだけ答えさせる。遊びのような受け答えを家庭内で試してみるといいのではないでしょうか」(上田先生)

上田先生いわく、子どもの勉強をサポートしてあげる際の大事なポイントとしては「大変なことは分けてあげる」があるそうです。

確かに、筆者の子ども(2年生)も、九九の回答ではなく掛け声の部分を言いにくそうにしている場面を見掛けます。

九九は、掛け声と回答から成り立っていて、その両方を一気に覚えさせるのではなく、分けて覚えさせてあげるといいみたいですね。さらに、

「遊びのように親子で受け答えをする中で、お子さんが間違ったとしても『違う』とは言わず『おしい』と言うなど、子どものやる気が損なわれない声掛けも大事だと思います」(上田先生)

とも教えてくれました。

同じ数字を足していく『足し算遊び』をする

では、ちょっと先取りして1年生のわが子にも九九を親しませたい場合は、どうすればいいのでしょうか。

「ご自身でも振り返っていただきたいのですが、九九は、2の段と5の段が簡単です。普通のお子さんは2の段と5の段を最初に覚えます。その理由は、2ずつ増える、5ずつ増える足し算が簡単だからです。

なので、1年生のお子さんにちょっとだけ先取りして九九の下準備させたいと思ったら、2をどんどん足していく、5をどんどん足していく、同じ数字を足していく『足し算遊び』を前もってするといいと思います。

例えば、6をどんどん足していく遊びを繰り返すと、1けた目には、1・3・5・7・9で終わる数字が来ないという感覚がなんとなく養われます。

6の段の九九にはこの数字がありそうかなさそうか、その感覚が養われるだけでも、九九を習い始めた時、すごく助けになってくれます」(上田先生)

また、上田先生ご自身の場合は「九九は必殺技」と言って、お子さんの大好きなセロハン巻きのラムネ菓子(1巻きに5つのラムネが入っているお菓子)などを使いながら、掛け算と足し算の考え方の違い、どんな時に掛け算が役立つのなどを、普段の生活の中で伝えたそうです。

親も子どももいろいろ忙しい世の中です。ちょっとでも効率良く覚えられるように上手にサポートしてあげたいですね。

おすすめアプリ・教材など

ちなみに、こうした親子での工夫と共に、ゲーム性の高い学習教材やスマホアプリなど、いろいろな刺激の中で九九に親しませてあげると暗記も早まると言います。

▼参考記事はこちら

子どもが覚えやすい「かけ算の歌」や「九九の歌」おすすめ14選|無料で聞けるものも!
九九を覚えるのに「かけ算の歌」は必要? 子どもが九九を覚えるとき、どうしても苦手な段があったり、なかなか上手に言えなかったりなど、...

上のHugKumの過去記事でも、

「お風呂の壁に貼れる九九の算を見ながら、歌っていました」

「ドラえもんの九九の歌を使いました。最初はユーチューブで発見して、覚えるかな~と面白半分で聞かせてみたら、あっと言う間に覚えました!」

「入学準備のCDの中に九九の歌がありました。車での移動中に流していたら自然に覚えました」

などの保護者の声が紹介されていました。

上田先生の場合は、お子さんが小さいころ『進研ゼミ』が出す『九九漢字バトルマシーン』という教育用のゲーム機を使っていたそうですが、メルカリでは中古品として出回っているものの、現在はリリースされていません。

今は、どのようなツールがあるのでしょうか。いろいろ調べてみた結果、以下のようなコンテンツがあるとわかりました。

九九の歌(山野さと子)

立命館小学校副校長にして教育関連の書籍を出す陰山英男さんの公式チャンネルの歌です。

九九マスター TEAM/ZAN×5 九九ダンス「ZAN×ZAN×ZAN」(進研ゼミ小学講座×エイベックス)

先ほどの『九九漢字バトルマシーン』を出した進研ゼミ小学講座がエイベックスと開発した九九の歌です。

怪盗ねこぴーの計算フラッシュ

反復練習の副教材としては、小学生向け学習サイト『怪盗ねこぴー』の計算フラッシュも便利かもしれません。

掛け算の問いに対して解答を選択するプロセスが非常にシンプルで、操作もわかりやすいです。パソコンやタブレットなどで反復練習する際に役立つはずです。

算数忍者〜九九の巻〜

スマートフォンやタブレット向けのアプリとしては、累計300万ダウンロード数の『算数忍者』シリーズの九九バージョンが実績を残しているようです。

「スマホ」ばっかり触る子どもになったらと心配するパパ・ママも居るとは思いますが、ゲーム感覚で九九を覚えられると評判みたいですね。

iPhone用ダウンロード
Android用ダウンロード

以上、九九の上手な覚え方・覚えさせ方を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。上田先生の教えと併せて、上述のツールなども視聴・活用してみてくださいね。

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取材協力

上田尚子先生
幼児教室ひまわり副塾長・講師代表。大阪大学文学部卒。長男は灘中学・灘高校を卒業後に東京大学理Ⅲに現役で首席合格。次男は洛南中学・洛南高校を卒業後に京都大学医学部に現役合格。三男は洛南中学・洛南高校を卒業後に東京大学理Ⅲに現役合格。2,000人以上の保護者を指導してきた実績を誇る。

取材・文・構成/坂本正敬

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