「テレビのない暮らし」を実践して5年、7歳の娘はどう変化した?ママライターが感じた意外なメリットや子どもへの影響

どこの家のリビングにもあって当たり前のテレビですが、知らぬ間に時間を奪われていることも多いもの。今回はテレビを手放して5年のHugKumライターがそのメリット・デメリットや他メディアとの付き合い方を紹介します。

1日中テレビをつけたがる娘に悩み、「テレビのない暮らし」を決断!

当時2歳の娘。気づけばいつもテレビがついていました。

我が家が「テレビのない暮らし」を始めたのは5年ほど前。
その頃、2歳だった娘はとにかく1日中テレビをつけたがり、主電源を切っても、コンセントを抜いても、いつの間にか自分でテレビをつけてしまい、私はとても困惑していました。ちょうど下の子が生まれたばかりだったこともあり、これからの育児を考えたときに、思い切って「テレビなし」にしてみたらどうかと考えたのがきっかけでした。

祖父母からは反対意見も

とはいえ、当時の私や夫にとってテレビは「家にあって当たり前のもの」。本当になくしてしまってよいのか葛藤はありました。特に親からは「孫がかわいそう」「テレビがないと、将来いじめられるかもしれない」などと大ブーイング。

色々考えた結果、まずはテレビをリビングから、別の部屋に移動させて様子をみることにしました

テレビをなくして生活はどう変わった?

テレビがリビングになくなると、一気に静かになったのを覚えています。娘だけでなく、それまで私も朝や昼の情報番組や夕方のニュースなど、特に見ているわけではないのに無意識にテレビをつけていたことに気づきました。

私も子どもも、はじめはテレビのある部屋に行って見たい番組を見ることもありましたが、徐々にテレビを見ない日が増えていきました。そのため、テレビはメルカリで売却し、本当に「テレビのない暮らし」が始まりました。

家族の会話も増える!「テレビのない暮らし」のメリット

メリット1:家事と仕事の効率アップ

当然ですが、「見ていないテレビが何となくついている」という状態や、「そんなに興味のない番組をだらだらと見てしまう」ということがなくなりました。
私は家で仕事をしていることもあり、テレビがなくなったことで効率よく動けるようになったと感じています。子どもたちも時間を区切って、見たいものだけをDVDやタブレットで視聴しているので、メリハリがつけられていると思います。

メリット2:部屋がすっきりする

子どもたちが帰ってくるとリビングで遊んだり、宿題をしたりしています。

リビングからテレビとテレビ台がなくなり、かなりスッキリしたというのもメリット。掃除もしやすいです(笑)。
現在我が家のリビングにあるのは、電子ピアノと私の仕事用机だけ。スペースが広いので、子どもたちが帰ってくるとおもちゃを広げて遊んでいます。

メリット3:食事中の会話が増える

親子ともに食べることが好きなので、今日食べた昼食の話などをよくしています。

実家に帰省すると食事中にテレビがついていますが、子どもたちはテレビに目がいってしまって食事に集中できなかったり、だらだら食べたりするように感じられます。我が家もテレビがあった頃は、食事中に何となくテレビがついていました。しかし、テレビがなくなり、自然と家族の会話も増えるようになりました。子どもたちは食事のあとは本や雑誌を読んだり、レゴやパズルなどのおもちゃで遊んだりしています。

メリット4:本や新聞を読むようになる

リビング横の和室にあるちょっとした本棚。スキマ時間に読みます。

私はネットもSNSも大好きですが、テレビがなくなり新聞や本を読む時間もとれるようになりました。子どもたちもよく本を読んでいると思います。ちょっとしたスキマ時間に本が手に取れるよう、リビングやダイニングの色々な場所に本を置いています。

メリット5:流行に踊らされなくなる

以前はテレビの情報番組で取り上げられている商品や、CMで見た商品を買うことがよくありました。今は自分で情報を取捨選択できるので、流行にのって何かを買うということは少なくなっているような気がします。

スマホに頼りすぎることも! 「テレビのない暮らし」のデメリット

デメリット1:スマホ・タブレットの使いすぎに注意

テレビがないことによって、ついついスマホやタブレットに頼りがちなのですが、それでは本末転倒。
子どもたちが使うタブレットは制限時間を設定しています。私も仕事中は「集中モード」にしたり、22時以降は「睡眠モード」にしてスマホを触らないように意識しています。

デメリット2:情報が偏る可能性がある

主にネットで情報収集をしているので、つい自分の興味のある分野の情報やニュースばかりチェックしがちです。なるべくフラットに物事を見られるよう、新聞を活用しています。

デメリット3:テレビの話題についていけないことも

ママ友との会話の中で「昨日のあのドラマよかったよね!」という話題が出るとついていけないことも。
新しいお笑い芸人の方や、タレントさんなどもあまり知りませんが、何となく流しています(笑)。

テレビがなくても番組は見られる!? テレビ以外のメディアとの付き合い方

我が家の場合「テレビがない」といっても、動画や他のコンテンツを全て見ないとは考えていなかったので、子どもには代わりにDVDや、タブレットで動画コンテンツを時間を決めて見せるようにしました。現在の我が家で活用しているものは以下です。

動画配信サイト、Tverでアニメを観る

どうしても見たい番組があれば、無料配信動画サービスの「Tver」を活用できます。Tverのアニメには「ワンピース」や「ドラえもん」「名探偵コナン」「プリキュア」などもあり、最新話を見ることが可能。私もドラマ「孤独のグルメ」が好きなのでたまに見ています。

我が家の娘(小1)が使っているのはAmazon prime video」。タブレットで「ちびまる子ちゃん」や「おしりたんてい」「かいけつゾロリ」「ちいかわ」「パディントンのぼうけん」などをよく見ています。

ただ、YouTubeについては子どもに見せたくないものもあり、私も管理しきれないため、今のところは見せないようにしています。これから年齢が上がるにつれ、また考えなくてはいけないと思っています。

タブレットで時間を決めてゲームをする

タブレットはキッチンタイマーで時間をはかりながら使っています。

娘は動画視聴の他に、タブレットでのゲームも大好き。しかし、大人でもゲームはなかなかやめられないので、子どもなら尚更です。
娘と話し合い、タブレットの制限時間を動画、ゲーム全て合わせて1日につき1時間40分で設定しています。制限時間をすぎると自動的に画面が表示されなくなる設定なので、子どもはキッチンタイマーで時間をはかりながら、時間管理をしているようです。

DVDを見る

現在年少の息子はとにかく乗り物が大好きで、夕食の準備中などに私の PCを使って乗り物のDVD(雑誌の付録など)を見ています。30分ほどで終わってしまうので特に制限時間は設定していません。

家事の最中はラジオを聴いて気分転換

ラジオはBluetoothスピーカーやイヤホンで聴くことが多いです。

私は家にいるときはスマホやPCのradiko」でラジオを聴くことが多いです。夕食の準備や片付けをするときはBluetoothのイヤホンを使っています。夕方〜夜の家事はなかなかやる気が出ないのですが、何か聴いていると気分転換になり、ストレス緩和にもつながっている気がします。

お気に入りの雑誌・本をチェック!

娘のバイブル「ぷっちぐみ」。色々な情報を仕入れています。

我が家はみんな雑誌が好きで、それぞれお気に入りの雑誌を毎月購入しています。娘も最新情報はお気に入りの雑誌「ぷっちぐみ」でチェックしているので、色々な流行のこともよく知っていて感心します(笑)。

小1の娘に聞いた!「テレビがなくて困ったことはある?」

テレビを手放すときに、親からも「子どもが学校でいじめられるんじゃないか」と心配されました。私自身も、小学生の頃は休み時間にテレビの話をすることが多く、皆が同じ番組を観ているのが当たり前の時代でした。そこで娘に、テレビがないことでお友達との会話についていけないことがあるか聞いてみました。

ーーテレビがなくて、お友達との話が合わないことってある?

娘:ないと思う。テレビの話はあんまりしないかな。

ーーみんなが見てるテレビ番組ってある?

娘:Eテレの『天才てれびくん』が好きっていう子が2人くらいいる。ポケモンが好きな男の子もいるかな。YouTubeを見てる子が多い。◯◯ちゃんは習い事があって夕方はテレビ見られないんだって。

ーー女の子はみんな『プリキュア』を見てるとかってないの?

娘:幼稚園の頃は見てる子が多かったけど、私はTverで見たけどあんまり好きじゃなかった。アニメもみんな色々なのを見てるよ。

ということで、今のところ娘の周りでは好みが多様化していることや、習い事や家庭のスケジュールによって同じ時間に皆が同じものを見るという状況が減っていることがわかりました。

今娘は小1ですが、学年が上がれば状況も変わり、ゲームやスマホを持ちたがるようになると思いますが、またその都度考えていきたいと思います。

「テレビなし」を始めるなら、まずはリビングからテレビを移動させるのがおすすめ

ライフスタイルは人それぞれなので、今まで「テレビのない暮らし」を周りの人に勧めたことはないのですが、話をすると「うちもそうしたい!」と言われることが結構あります。ただ、家族の同意が得にくいというケースが多いよう。

もし可能なら、リビングから寝室など別の部屋にテレビを移動させるだけでも、テレビを「見る/見ない」の切り替えができるようになり、生活はかなり変わると思います。うまくいかなければ戻すこともできますし、もし「テレビのない暮らし」を始めたい方がいればおすすめです。

構成・文/平丸真梨子

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