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就学後の息子の様子~衣類の着脱ができ、苦手だった待つことができるように
家族で2年ほど熟考を重ねた結果、特別支援学校に入学した息子は、この春3年生になります。少しずつではありますが、着実に成長していることがわかります。
幼児期の息子は、身の周りのことを積極的に自分でやろうとはせず、「やってもらうのを待つ」姿が目立ちました。それが支援学校での生活で、衣類の着脱を自分で行うようになってきたのです。促しは必要ですが、じっくり待てば上下ともに着替えられ、2年生の終わりには、衣類を畳むこともできるようになりました。
人のペースにも合わせられるように
感情面でも成長が見られます。
以前の息子は誰かにあわせたり待ったりすることが苦手で、家族で行動する時もペースを乱されると急に怒りだすことがありました。でも、気が付けばそういうこともほとんどなくなりました。学校でも、周りとあわせて動くこと、待つことが上手になったと言われたのですが、家庭内でもそれは強く感じています。
年下の妹のペースにあわせて歩いたり立ち止まったりしてくれるようになり、自分の意思に反した行動を求められても、気持ちを落ち着けて待っていられるようになったのです。
2年生になった息子。気持ちを交わせる喜びを感じる日々
コミュニケーション面でも、かなり意思の疎通がしやすくなったと感じます。
相変わらず会話はできませんが、1年生の終わりに初めての発語がありました。言葉を使ったコミュニケーションはまだできませんが、「いってきます」「さようなら」「おかわりください」などの意思を伝えるために、お辞儀やタッチ、挙手などをするようになりました。長らく一方通行のコミュニケーションしかとれなかった私は、息子と気持ちを交わせる喜びを日々感じています。
そして何より一番嬉しいことは、息子が学校が大好きなことです。息子は学校が好きすぎて、これまで一度も行き渋りなく通っているのです。学校が休みの日や長期休暇になると、一気に機嫌が悪くなったり気持ちが不安定になったりするくらいです。子どもが学校が大好きなんて、親にとってこれ以上に就学先に満足する理由はないのではないでしょうか。
幼児期に比べて、親の負担もずっと少なく
支援学校での手厚い支援により、私の育児も楽になりました。
息子は朝、スクールバスに乗って学校に行き、学校が終わると放課後等デイサービスに行きます。息子が利用している放課後等デイサービスは送迎付きなので、学校まで息子を迎えに行き、帰りは家まで送ってくれます。
デイサービスがない日の息子はスクールバスで帰ってくるため、親である私が学校に行くことがほとんどありません。この点は、幼児期に比べて随分手が離れたなと感じます。
それでも、支援学校の先生は毎日の連絡帳で細かく息子の様子を伝えてくれますし、何かあればすぐに電話で相談にのってくれました。息子だけではなく、私も支援学校に救われているのです。
・身の周りの自立が進んだことや、コミュニケーション能力の向上が見られたこと
・身辺自立と、気持ちを落ち着けて一定に保つことに関して前進が見られたこと
・親である私の負担が減り、育児に余裕ができたこと
このような結果が得られたことで、先に書いた「就学先を選んだ時に大切にした考え方」で望んだことが、確実に叶っていると感じています。
後悔のない就学先選びをするために、今からするべきことは
入学後も後悔しない子どもの就学先を選ぶために、どのような選び方をしたらいいか、先の段落で書きましたが、具体的には何から動いたらいいのでしょうか。
就学先を考える時、私が最初にやった方がいいと思うのは次の2つのことです。
・就学先決定までのスケジュールを把握し、早め早めに動く
・子どもに望む支援について、家族で話し合う
就学先決定までのスケジュールの核となるのは、自治体の教育委員会などが行う「就学相談」です。しかし、これは任意のものなので、親が申し込まなければ何も進みません。就学相談の申し込み開始時期や流れなどは自治体によって違いますが、年長の5月くらいに申し込みが開始されることが多いため、早めに調べておいたほうが良いと思います。
就学相談は必須ではありませんが、発達検査や行動観察をしながら、教育委員会や医師といった、発達や教育の専門家の意見を聞いて就学先を決められる貴重な機会です。支援級や支援学校を希望する場合は必ず受けなくてはなりませんが、普通級を希望する場合も、少しでも気になることがあれば相談することがおすすめです。
そして、就学相談と並行して学校見学や学校公開の予定をチェックしておく必要があります。こういった予定も待っていたら自動的に入ってくるわけではないので、気になる学校の情報は自分でアンテナを張っておいた方が良いと思います。
そして、就学先で子どもにどのような支援を望むかという話を、ぜひ家族内でよく話し合っておいてほしいのです。子どもの進路に関わる大事なことですから、家族内で忌憚なく話し合って議論を深め、意見のすり合わせができるといいと思います。
夫婦揃って学校見学を
学校に関しては、見聞きした情報だけではなく実際に行ってみてわかることは多いです。そのため、できれば夫婦そろって学校見学に行くことが、話が進めやすくておすすめです。我が家も息子の就学先を選ぶ時は、候補とする支援級と支援学校全てを、夫と私2人とも見に行きました。実際に行ってみることで、夫も当事者意識をはっきりと持ってくれましたし、私も自分で気がつかなかったことに気づかされたりと、良いことづくめでした。
このように、子どもの就学先を選ぶ時は、親が納得いくまで様々な人と話し合い、足を運び、ゆっくりと時間をかけて考えを深めていくことが大切です。就学相談は年長になってからしかできないことも多いですが、家庭内で話し合うことや学校見学などは、年中や年少のうちからでもできることです。
幼児期の終わりという就学先決定の期限はずらせませんが、早く始めれば始めるほど、私たち親が考える時間は増やせます。
ぜひ、子どもの今だけではなく将来までを見据え、最も成長を見込めそうな就学先を選べるように、この記事を読んだ今から考え始めていただけたら幸いです。