1歳半~3歳は「小さいものへの敏感期」子どもの観察力を高める遊びとは?【おうちでできるモンテッソーリ】

「床に落ちたごはん粒を拾おうと必死」「抱っこひものベルトの留め具が気になっている」など、子どもが小さいものに集中している姿を見かけたことはありませんか? モンテッソーリ教師あきえ先生にお話を伺うと、それは「小さいものへの敏感期」とのこと。この時期におすすめの遊び方をはじめ、おうちでできるモンテッソーリについてを紹介します。

小さなものがとにかく気になって仕方がない時期

1歳半から3歳ごろの時期は、「小さいものへの敏感期」です。その時期の子どもには、以下のような行動が見られると思います。

・洋服についている小さなホコリを取ろうとする

・床に落ちている髪の毛を拾う

・ママのシャツのボタンをつけようと必死になる

・お散歩途中、急にしゃがみこんでアリをジ~ッと眺めている

以前、お話した「感覚の敏感期(URL)」は0~4歳、「運動の敏感期(URL)」は10ヶ月~4歳なので、「小さなものの敏感期」の時期は、さまざまな敏感期の最中にいると言えます。そうしたことから、小さいものを見たら見つめていたい、拾って触ってみたいなどという欲求にかられることがあります。手先を起用に使えるようになってくる時期でもあるので、小さなものをつまむ、触るということも、子どもにとっては未知との遭遇のような体験なのです。

こういった細かいものを「観察」して実際に「触って」みるという行為は、人間として欠かせないスキルの中のひとつです。

※敏感期は全部で6種類。こちらの記事チェックしてくださいね。

子どもの観察力を伸ばすためにおすすめの遊び

子どもの観察力は、様々な興味関心に繋がっていることなので、どんどん伸ばしてあげたいですよね。そんな時におすすめの遊び方をご紹介します。

目的を決めないお散歩

「今日はあの大きな公園に行ってみようか?」「すべり台をして遊ぼうか?」など、私たち大人は目的地や遊び方を決めて行動しがちですよね。しかし、この頃の子どもにとっては、そこに向かう道中にも気になるものがいっぱい! ぜひ、目的地や遊び方を決めずにふらりとお散歩に出てみてください。

そして、気になるところで立ち止まったり、触ってみたいものに触ったりする子どもをじっくり観察してみましょう。大人が気がつかないようなものが気になっているものです。

見つけたものをバケツに集める

お散歩の最中や、公園に行った時など、子どもが興味を持ったものを拾って集める“宝探し”のような遊びも楽しいですね。その際は、バケツなど持ち手付きの容器を持参するのがおすすめ! タバコの吸い殻や動物の糞など、触ってほしくないものもあると思うので、子どもの手元に注意するようにしてくださいね。

公園の茂みの中や、小さい木の下など、遊具以外にも子どもがワクワクする場所はたくさんあります。

ビーズやボタンをひもに通す

大きめのビーズや穴が大きいボタンなどに、ひもを通すような遊びもおすすめです。あとは、大き目のボタンを閉めたり、はずしたりの遊びをさせてみるのも◎。これは、「小さいものの敏感期」というより、「運動の敏感期」におすすめな遊びとも言えます。この時期は誤飲が気になる年齢でもあるので、しっかり見守る、ビーズを保管する時は、子どもの手の届かない場所にするなどの配慮が必要です。

子どもの「気になる!」を観察して伸ばしてあげましょう

「小さいものへの敏感期」は、知らなければスルーしてしまうようなことかもしれません。子どもが小さいものを手にしていたり、興味を持っているのを見かけたりしたら、「口に入れてしまうかも」と思って、排除してしまうこともあると思います。

しかし、この時期に小さいものに興味関心を持って、じっくり観察すること、実際に触れてみることで、子どもの「観察力」が伸びることにも繋がります。そして何より、自分が興味を持っていることを実践できることは、有能感や自己肯定感にも繋がっていくことです。小さいものが気になっている姿を見かけたら、「これは小さいものへの敏感期」と思って、子どもの気になっていることを存分にさせてあげたいですね。

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記事監修

国際モンテッソーリ教師(AMI)
モンテッソーリ教師あきえ

幼い頃から夢見た保育職に期待が溢れる思いとは裏腹に、現実は「大人主導」の環境で、行事に追われる日々。そのような教育現場に「もっと一人ひとりを尊重し、『個』を大切にする教育が必要なのではないか」とショックと疑問を感じる。その後、自身の出産を機に「日本の教育は本当にこのままでよいのか」というさらなる強い疑問を感じ、退職してモンテッソーリ教育を学び、モンテッソーリ教師となる。「子育てのためにモンテッソーリ教育を学べるオンラインスクール Montessori Parents」創設、オンラインコミュニティ”Park”主宰。2021年1月に初著書「モンテッソーリ教育が教えてくれた『信じる』子育て」(すばる舎)、2022年3月に「モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック」(宝島社)を出版。

モンテッソーリ教師あきえHP

あきえ先生主宰オンラインスクールMontessori Parents

取材/本間綾

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