花まるグループ進学塾部門「スクールFC」代表松島先生に聞きました
今回お話を伺ったのは、スクールFC代表の松島伸浩先生。これまでのべ10,000件以上の受験相談や教育相談を通して、中学受験をする親子をサポートしてきた実績があり、保護者からも絶大な支持を得ています。前編に続き、後編では、勉強をさせるために子どもへご褒美をあげるのはアリかナシか、低学年のうちに何をやっておけばよいかなど、保護者のお悩みについてお答えいただきました。
Q1. 勉強をさせるために“ご褒美”をあげるのはNG?
―勉強をやらせるために「これを頑張ったら〇〇をあげる」などとご褒美を与えることはよくないことでしょうか?
どんなご褒美を与えるかによるかと思います。例えば、ご褒美がゲームだった場合、当たり前ですが、ゲームをしたい気持ちが高まって余計に勉強が進まなくなります。おすすめのご褒美は、“食べ物”ですね。
・塾を頑張ったら、帰りにアイスを食べようか。
・テストの点数が上がったら、好きなお菓子を買おうね。
・受験が終わったら、おいしい焼肉を食べに行こう。
食べ物であれば、食べてしまえばそれで終わりですし、焼き肉などは家族みんなで楽しめます。喜びを分かち合える点もいいですね。あとは“家庭内通貨”のようなものを作り、前回よりも成績が上がったら通貨をあげて、いくら以上貯まったら、好きな本を買ってあげるなど、いろいろな工夫をされている家庭もあります。
Q2. 中学受験に備えて、低学年のうちからやっておいたほうがいいことは?
―1年生から塾に行く子もいると聞きます。早ければ早いほどよいのでしょうか?
どのタイミングで塾に行くかは、子どもの様子を見ながら決めてよいと思うのですが、まずは低学年のうちは計算や漢字の土台をしっかりとつくっておきましょう。そのうえでそれらの先取りをするのはいいと思います。いずれにしても楽しく勉強する雰囲気づくりがとても大切です。
また、どんなことでもいいのですが、たとえば鉄道や天体、パズルや数字遊び、読書や物語の創作など、その子が「これだけは好き」「これなら頑張れる」というフックになるものが低学年のうちに見つけられるといいですね。1つでも自信のあるものがあると、それが受験勉強の中のある教科や分野とつながり、その後の大きな武器になることがあります。そして、子どもが楽しんでいることを親御さんも一緒に楽しんでやってみるといいですね。その中で「これはどうやるの?」と子どもに質問したり、「本当によく知っているね」と褒めてあげたりすることで、子どもの能力はどんどん伸びていきます。
松島先生のお話にもあるように、子どもが自信を持って楽しみながら取り組めるよう、声かけやサポートも工夫していけたらいいですね。どんなご褒美にしようかと親子で相談する時間も楽しいひとときになりそうです。
前編「中学受験をする・しないを決めるのは誰?向き不向きより大事なこととは」はこちら
プロフィール
取材・文/本間 綾