水族館で魚を観察したら絵を描いてみよう
さかなのおにいさん かわちゃんに前回の記事では、水族館でオリジナル図鑑を作るコツなどについてお聞きしました。そこで、今回は図鑑を作る時にも役立つ絵の描き方について教えてもらいました。
前回の記事はこちら>
https://hugkum.sho.jp/627392
さかなの絵を描くときの3つのポイント
図鑑を作るときにせっかくなら写真ではなく絵を描いて欲しいなと思っています。絵には人柄や自分が見てきたものが全部出てくると思うんですよ。それぞれの個性を大切にしながら、さかなの絵を描くときの3つのポイントを紹介します。
ポイント1.好きなところを見つける
さかなを可愛く、かっこよく描くコツの1つ目は好きなところを見つけることです。
例えば、カクレクマノミという魚をリアルに描いたら可愛くないんですよね(笑)。僕はカクレクマノミの可愛いところはヒレが丸いところだと思うので、この丸を強調します。自分の好きなところがこの丸いところだと思ったら、とにかく丸さが伝わるように描くんですよ。それで、白い模様があったな、黒いフチがあったなーと描き進めていったら、これが僕の中で正解です。
僕がイルカを描くとしたら、おでこが丸いところが可愛いのと、ヒレの三角形、口が長いところをポイントにします。バンドウイルカは、ビンのボトルと顔の形が似ているからボトルノーズドルフィンとも呼ばれています。
頭を丸くしよう、口が長いんだ、背中の三角形を嘘みたいに高くしてもいいんですよ。絵を好きに描くときは実際に見えている物が答えではないと思います。可愛くかっこよく描くときは、自分はここが好きだと思ったところを 強調して、そこが伝わるようにする。好きが伝わる絵っていうのは、やっぱりいいんですよ。
ポイント2.表情をつける
2つ目のポイントは、表情をつけるということです。
さかなを描くときに、いろんな目があっていいと思うんですよね。怒ってる目とか、眠たそうな目など自分が見たときの印象やイメージで表情をつけてみてください。
例えばサメを描くときに、小魚を食べているときは怒ってる感じかもしれないし、もしくはリラックスしているときなら眠たそうに目を下げているかもしれない。すごくリアルに描きたかったら目を小さくして牙を描いてもいいですね。
ポイント3.絵に失敗はない!
3つ目は、絵に失敗はない!ということです。
絵が完成したときに、「似てないから失敗だ」など子どもたちが言うことがありますが、そんなことはないんですよね。本当はもうちょっとこう描きたかったなと思っても、今日の絵は、これなんだと思います。明日描いたらまた表情が変わるかもしれないし、もっとリアルになるかもしれない。その日、そのときの絵を愛することが大事。
まわりの大人も子どもが「失敗した」と言っても、「失敗じゃないよ」と言ってあげることが大切だと思っています。
自分が思っていることとペン先が違う動きをすることもありますが、それが素直な気持ちだったりするので今日の絵はこれ!と、日記みたいな感覚で褒めてあげて欲しいと思います。
褒められることが自信に繋がる
僕の小さい頃に親がたくさん褒めてくれて、それがいまの自分にも繋がっていると感じています。大人もそうですが、子どもって自分は何が得意なのかなんてわからないですよね。まわりの人に、「かけっこはやいね」、「おさかな博士だね」って言われたらそれが自信に繋がっていき、それが自分のアイデンティティになります。
だから、子どもが図鑑を作ったり、絵を描いたりしたら「上手だね」、「かっこよく描けてるじゃん」など、その子がやったことに対してなにかひとつでも褒めてあげると、その子の未来は開けたりするんじゃないかと思います。
環境活動にも取り組む!さかなのおにいさん かわちゃんの活動
環境活動にも取り組んでいるさかなのおにいさん かわちゃんは、さかなが好きになったら水族館がゴールではなくその先の海にも興味を持って欲しいと話します。
「絶滅危惧種って何だろう?とかいま海で起きていることを知っていく中で環境問題のことも正しい順番で理解できるようになると思うので、水族館を自然への入口として興味・関心を広げてくれたら僕としても嬉しいですね」
好きなことをきっかけに広がる世界。そして、子どもたちの未来がよりよいものになるように私たち大人もアクションを起こしていきたいですね。
【プロフィール】
さかなの生態や海の大切さを”オモロく”伝えることで、子どもの「やさしい想像力」を育てる活動をしている。オチとツッコミで展開するさかな4コマ解説はテレビ・イベントで人気!情報番組での水族館紹介や釣り番組ナビゲーター、ラジオDJとしてもレギュラー出演中。絵本作家として多数書籍を刊行し、テレビ東京「シナぷしゅ」では作詞作曲・うた・アニメーションも手がける。神戸動植物環境専門学校での特別講師や2023年よりFURUNO 公式アンバサダーに就任している。
さかなのおにいさん かわちゃん公式サイトは>こちら
イラストが見られるInstagramは>こちら
公式LINEは>こちら
あなたにはこちらもおすすめ
取材・文/やまさきけいこ