さかなのおにいさん かわちゃんはなぜ、魚にハマった?他界した父との体験を原点に、「海や自然を守ること」にも取り組む

「子どもがさかなを好きになれば海は綺麗になる」をテーマに絵本やさまざまなメディアを通して子どもたちに海の魅力を伝えている、さかなのおにいさん かわちゃんにインタビュー。さかながもっと好きになる水族館の楽しみ方や環境問題、かわちゃんの活動についてお話を聞きました。

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さかなのおにいさん かわちゃんが誕生するまで

さかなのおにいさん かわちゃん

19905月生まれ、大阪府出身。さかなの生態や海の大切さをオモロく伝えることで、子どもの好奇心を育てる活動をしている。テレビ東京「シナぷしゅ」のイラスト・作詞・作曲・歌を手掛け、「ツッコミたくなるおさかな図鑑」など著書も多数。全国の情報番組やラジオDJとしてメディアも出演中。

幼少期から魚が好きだったのでしょうか?

かわちゃん:はじめは、魚より虫の方が好きだったんですよ。今森光彦さんという写真家さんの昆虫記が好きで、虫博士になりたいなと思っていた時期がありました。

父親が熱帯魚を飼うのが好きで、玄関にとんでもなく大きな水槽があって、すごい黒い巨体の魚がいたんですよ。その魚を僕は、くじらの赤ちゃんのくうちゃんって呼んで育て、幼稚園の友だちに「うちにクジラいるけどみにくる?」って誘って見せたら、その中のひとりの子が魚に詳しくて「クジラにひげはないと思う」って言われて、その子の家で図鑑をみたらアマゾンのナマズだったという出来事がありました。

親に聞いたら、「そろそろバレると思ったけど、あいつはナマズのナァちゃんやねん」って言われて(笑)。その幼稚園のときに出会った友だちがすごく魚に詳しくて一緒に図鑑を見たり水族館に行くようになって、僕も魚が好きになったんです。小学生になってその子が引っ越しをする時に、別れの印に図鑑をくれて、淋しくてその子に会いたいなと思ってずっと図鑑を読んでいたんですが、そこから本格的に魚にハマりました。

かわちゃん 小学生の頃

それからずっと魚が好きだったのですか?

かわちゃん:中学、高校になってからは、歌にハマって学校の男性合唱団に入り、大学生の時は歌手になりたいと思っていました。けれど、CDをだしてもまったく響かず、それで歌手を諦めて、声を使って人に喜んでもらうアナウンサーやラジオDJを目指したんです。
オーディションを受けて、縁あって神戸のFM局でグランプリをいただいてラジオDJの仕事をはじめました。番組の中で好きなことを話すコーナーがあって、魚のことを話していたのですが、それがきっかけで水族館の番組をやるようになったんです。

僕は、元々うたのおにいさんになりたかったのですが、もしかして勝手にさかなのおにいさんって語ってたら、うたのおにいさんや体操のおにいさんみたいになれるかなと?そう思って自称で始めたんですよ(笑)。

さかなのおにいさん かわちゃんの誕生ですね!

かわちゃん:勝手に名のっていたので最初は人に言うのも恥ずかしいし、「さかなのおにいさんです」って言っても「は?」みたいな反応で、関西人は適当なんで間違えて「おさかな兄ちゃん」って言われたり、未だに「さかなくんのお兄さん」ですとか紹介されたりしてます(笑)。

お父さんと森を開拓して小屋作り!子どもの頃の自然体験が与えた影響


子どもの頃は、水族館に通う以外にどのような遊びをしていましたか?

かわちゃん:生まれ育ったのが大阪市内のど真ん中だったんですよ。家の前は高速道路だし帰り道にやることもなくて、本は好きだけど生き物に全く触れる機会がありませんでした。
それで、「このままでは、とんでもないもやし野郎ができてしまうぞ」と心配した父が、滋賀県の山のふもとに森のような未開拓の土地を買い、毎週末そこに通って森を切りひらいて家を建ててアウトドアをしますって宣言したんです。

それから僕が小学1年生から中学生くらいまでずっと、誰も見てへんダッシュ村やってたんですよ(笑)。ログハウスを建ててピザ窯を作って、琵琶湖が近いので釣りをしたり、生き物をつかまえたりして過ごしました。

その時に教わったのは、自然というのは大人であろうが子どもであろうが、なんであろうが平等に優しいし厳しいということです。僕にとって、あの経験は大事でした。図鑑で観ると生き物ってキラキラしててかっこよくて、お友だちなんですよ。

だけど実際にカブトムシをつかまえて裏面をみたら「思ってたのとちがう!」って思ったり。夏前にオイカワという魚は、婚姻色と言って最盛期に全身が虹色になるのですが、たまたま6月にオイカワを釣った時に、なんてきれいな魚なんだと感動しました。僕は図鑑で観るものが全てだと思ってたけど、そうじゃないんだなということを知りました。

夢のような6年間が、いまでもベースに

その後、中学生になり部活で忙しくなって通えなくなった頃に、その土地を手放したのですが幻のような6年間でした。

幼少期に自然界で経験を積むことは大事だなと思っています。ですが都会で育った人はそれができないかといったらそうではなくて、釣りに行った時になんか自然って楽しかったよな、あそこで食べたおにぎり美味しかったよなっていう良いイメージがあればそれだけで十分だと。大人になった時に子どもに「釣りに行こうか」とか言えると思うんですよ。

僕が高校生になった時に父は交通事故で急に亡くなったのですが、たくさんの思い出があるから、自分が大人になって、子どもたちと接しているとき、さかなのおにいさんとして言っていることの中にも父親が教えてくれたことや見せてくれたこと、体験があるんですよね。それがある限り父親はこの世に生命はないけれども、まだ亡くなっていないという感覚があって、それも僕の中で大事なメッセージなんです。

環境問題に取り組むようになったきっかけと「2048年問題」について

環境問題に取り組むようになったきっかけを教えてください

かわちゃん:水族館のラジオをしていた時に、4歳くらいの男の子とお母さんから手紙が届いたんですよ。お子さんが描いた魚の絵と一緒にお母さんから、お礼が書いてありました。

「息子と一緒に海水浴場で潮干狩りをしたときに、息子が貝と同じかそれ以上にゴミをごっそり拾って持って帰ってきたんです。えらいねって言ったらきょとんとして、かわちゃんのラジオを毎週聞いて、僕は生き物が好きになったんだ。かわちゃんも魚も友だちやからゴミがあったらかわいそうじゃない?って言ったんです。うちの息子に、こんだけ優しい気持ちを育ててくれてありがとうございます」

と書いてあって、ハッとしたんです。

今までは、ずーっと僕はただ魚が好きでしかたなくて、その好きな魚をみんなに知ってもらうのがただ楽しかったんですよ。この手紙を読んで、子どもが魚を好きになったらこうやってお友だちの家みたいな感覚で海をきれいにしてくれるんだと思ったら、大好きな海に恩返しができると思って。

だから僕が、さかなのおにいさんとしてやるべきことは、子どもちが魚を好きになって海をきれいにしていくことなんだなって思ったんです。魚が好きな仲間を増やせば未来の海を豊かにするんだということを1通の手紙が教えてくれた気がして、そこから環境への意識は始まりました。

いま一番気になる環境問題はどのようなことですか?

かわちゃん:ゴミの問題はもちろんなのですが、乱獲の問題がすごく気になっています。2006年に発表されたアメリカの科学雑誌『Science』に掲載された論文で、「2048年には海から食用魚がいなくなる」という発表がありました。

兵庫って春になると、いかなごのくぎ煮を炊くんですよ。各家庭の味があって東京に上京した子どもに送ったりするんです。関西ではメジャーな食べ物なのですが、今いかなごは、全くとれないんです。僕はやっぱり春になったら、いかなごのくぎ煮を食べて美味しいなって言いたいし、秋になったらサンマを食べて、四季折々の魚を堪能したいけど、それが出来なくなるのがすごく悲しい。
2048年問題が起こらないようにするには、どうしていこうかというのを僕はずっと考えています。その一つ一つの問題の中に温暖化や乱獲や海洋汚染があると思っています。

楽しみながら取り組むSDGsアクション!

私たちには、どのようなアクションができますか?

かわちゃん:食に関しては、どのお魚がピンチなのかというのを知る事が大切ですよね。例えば、スーパーに並んでる魚の中でもクロマグロと鰻は大ピンチだったりするんで、そういうことをまず知るということがひとつ。

お魚には養殖と天然があって、その2つの中でもしっかりと管理しながら漁をしている団体があるんですよね。お魚に赤ちゃんがいるときはとらないようにしようねとか、小さいお魚が逃げられるように網を大きめにする、漁期を決めるなど管理している団体に認証している「MSC」というマークがあるんですよ。養殖には、「ASC」というマークがあります。マークを見て魚を選ぶのもいいですよね。

ゴミの問題だったら海辺を親子で散歩するとかでもいいと思うんですよ。なんでもそうですが、楽しんで学ぶためには、能動的に行動することが大切です。親子で散歩するときにビンゴカードとか作って、海にはどんなものがあるかな?貝、ビニール袋、とか子どもと一緒に考えて、実際にみつけてチェックしていけば思った以上にペットボトルのゴミが多いんだねとか、意外と漁師さんのゴミも多いんだねとか…これダメなんだよではなくて楽しみながら学べて知ることが僕は大事だと思っています。


かわちゃんが作った「釣りBINGO」

ゴミを拾いに行こう!と子どもを誘うよりも、一緒に散歩しながらビンゴゲームをしよう!の方が楽しい気持ちになりますね。

かわちゃん:最初にやっちゃいけないことやメッセージを知らなくていいと思っています。小さい子にゴミを拾おう!とか、カーボンニュートラルについて考えよう!というのは不自然じゃないですか。だから、まずは魚のことを好きになってもらって、好きになった魚たちがどんなところに住んでいるのかなって考えて実際に行ってみて、それでなにができるかなって…。僕はその順序が大事だと思ってます。社会のものさしではなくて、自分のものさしを持つことが大切です。

かわちゃんおすすめの水族館を楽しむ方法

YouTubeで全国の水族館とコラボされていますが、水族館を楽しむコツがあったら教えてください

かわちゃん:いろんな水槽でツッコミポイントを探して欲しいですね。「どんだけくちが長いねん!どんだけしゃくれてんねん!動かへんのかーい」とか(笑)。くちが長いのも動かないのも、それには理由があるのでツッコミポイントを探すと魚のことを楽しく学べます。

大人は施設のことを知るのも楽しいですよ。例えば、すみだ水族館はフロアの真ん中にペンギンがいるのですが、これって実はすごいことなんです。ペンギンってかわいい反面臭いんですよ。だから普通の水族館は屋外にいることが多いのですが、なぜそれができるのかとか考えたり調べたりするのもいいですね。不思議に思ったことは、ネットで調べたりもできるけどあえて詳しい人に聞いてみるのもおすすめです。水族館の人に聞いてみるのもいいと思いますよ。

かわちゃんのこれからの活動は?

絵本作家、ラジオDJなどマルチに活躍されていますが、これからの活動について教えてください

かわちゃんとめぐる水族館ツアーも人気!

かわちゃん:これからも変わらずに続けていくのは、みんなが魚を好きになってくれることを発信していくこと。魚を好きになった子どもたちがその先の道を開く、人生を豊かにするきっかけをつくることです。

かわちゃんの活動をチェック!

さかなのおにいさん かわちゃんの活動は公式ホームページでチェックしてくださいね。ぬりえのダウンロードや4コマ付オリジナル図鑑が作れるページのダウンロードもできます♪講演会やイベントなどの情報を確認するのは、公式ラインがおすすめです。
2023年夏から「おさかなサマースクール」も始めた、かわちゃん。これからの活動も楽しみですね。

公式ホームページは>こちら 

イラストが見られるInstagramはこちら(https://www.instagram.com/kawayanfishing/ 

公式LINEはこちら(https://lin.ee/qMPcnPq 

かわちゃんのサイン本を3名にプレゼント!

あなたのお名前を入れて、かわちゃんからサイン本をプレゼントします。応募時にご希望のお名前を教えてください。

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■抽選方法:ご応募いただいた月の翌月以降、HugKum編集部にて抽選を行います。
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※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。落選の方へのご連絡はいたしておりません、ご了承ください。
※応募はお1人様1回とさせていただきます。
※お届け先住所をご登録いただけなかった場合や、ご登録内容に誤り等があった場合には、抽選対象から除外させていただきます。
※抽選に当選された場合、賞品はご応募いただいた日の翌月以降の発送となります。
※賞品の発送は日本国内に限らせていただきます。

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撮影/五十嵐美弥
取材・文/やまさきけいこ

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