このままだと身近な魚が食べられなくなる!? 「水産エコラベル」のついた海産物を選んだほうがいい理由

「水産エコラベル」ってご存知でしょうか? 聞いたことはあるし、気になるけれど、詳しくは知らないという方も多いはず。筆者自身、スーパーでたまに見かけるのですが、よく知りませんでした。今月末はSDGs週間ということもあり、この機会にもっと知りたいと思い調べてみました。

身近な魚が食べられなくなる?

現在、世界の水産資源の三分の一以上が、持続可能なレベルを超えて漁獲されていることをご存知でしょうか? このままだと、身近な魚が食べられなくなるかも…。

この問題を解決するのが 、水産資源の持続性や環境などに配慮した漁業・養殖業で生産された水産物に与えられる「水産エコラベル」です。聞いたことはあるけれど、詳しくは知らないという方も多いかもしれません。

今回は、MSC「海のエコラベル」を管理するMSC(海洋管理協議会)ジャパン広報担当マネージャーの鈴木夕子さんお話を聞きました。

「水産エコラベル」は3種類ある

日本で水産庁によって認められている水産エコラベルは3種類あります。

天然の水産物が対象となるのMSC「海のエコラベル」、養殖の水産物が対象なるのASC(水産養殖管理協議会)、そして、日本発のMEL(マリン・エコラベル・ジャパン)の3つです。

天然の水産物は「MSC」

MSC「海のエコラベル」は、水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた水産物の証です。製品にMSCラベルをつけて販売するためには、持続可能な漁業に対する「MSC漁業認証」と流通・加工に対する「MSC CoC認証」の2つが必要です。

養殖水産物のための「ASC」

ASC(水産養殖管理協議会)は、WWF(世界自然保護基金)とIDH (オランダの持続可能な貿易を推進する団体)の支援のもと設立された、養殖水産物のための認証制度を普及させるための国際非営利団体です。

地産地消を応援する日本の「MEL

MEL(マリン・エコラベル・ジャパン)日本発の水産エコラベル認証制度です。漁業・養殖業、そして水産物を使用して流通・加工する事業者に与えられます。他のラベルは輸入されたものにも与えられるますが、こちらは日本産に特化し、より日本の仕組みに合わせた認証制度なので、地産地消を応援したい方に注目してもらいたい認証制度です。

日本での認知度は低い

MSC「海のエコラベル」。

MSCによると「水産エコラベル」の一つのMSC「海のエコラベル」の認知度の世界平均は48%で、日本での認知度は15%とのこと。残念ながら、まだまだ、世界と比べると高いとは言い難いレベルです。

なぜ日本ではなかなか広まらない?

クリスマスや年末のパーティーなどにもぴったりなロブスターなどにもMSC「海のエコラベル」がついています。

魚の減少に気づきにくい

日本全体で、海の資源の減少の危機感が少ないという状況があります。北欧などでは、ニシンなど食べる魚の種類が限られており、特定の魚の漁獲量が減るとその影響がスーパーの店頭などに顕著に表れるため、乱獲などの問題が認知されやすいそうです。しかし、日本では食べる魚介類の種類が多いため、もし、店頭から数種類の水産物が減ったとしてもインパクトが少なく、消費者が問題に気が付きにくいことがあります。

ラベルをつける取り組みが広まりにくい

また、MSCの広報の鈴木さん曰く、ヨーロッパでは大手の小売チェーン数社でマーケットシェアの大半を占めている国が多く、大手の取り組みにより、「水産エコラベル」が広がりやすい市場であるとのこと。一方で、日本では中小規模の小売りチェーンが多く、製品にラベルをつける取り組みが広がりにくい現状があります。
「こうした小売りチェーンでのMSCラベル付き製品の取り扱いを増やしていくことが、日本でのさらなる広がりに向けた課題であると認識しています。」と鈴木さんは話してくれました。

MSC認証は徐々に日本でも増加中

それでも、水産資源保護への意識の高まりにより、徐々にMSC「海エコラベル」の認証業者は増えおり、ここ数年はマグロ・カツオ類の漁業による取得が増えているそうです。全体では、2016年から急速に増えてきて、現在まで3倍に増えているそうです。

また、MSC認証の水産物を消費者に確実に届けることを目的とした、流通・加工に対する「CoC認証」を取得する国内の事業者の数も、水産資源保護への意識の高まりから2016年から急速に増加し、今では約3倍に増えたそうです。

どこで手に入れられる?

スーパーで購入できるMSC「海のエコラベル」がついたたらこ。

国内ではイオングループ、生協・コープ、セブン&アイグループなどで販売され、近くのスーパーで購入することができます。ちなみに、こちらのたらこ。筆者の子どもたちが大好きで食卓の必需品。MSC「海のエコラベル」がついているものを選んでいます。値段も他の製品と変わらないので、価格の差はないのも消費者として嬉しいですね。

また、お馴染みのマクドナルドでもMSCラベルがついたフィレオフィッシュが販売されているので、知らずに口にしているという方も多いかもしれません。

子どもの環境問題の意識は高まっている

MSCとMEL(左)のパンフレット。手前がイラストなどを用いた分かりやすい子ども向けのもの。

MSCやMELはラベルの必要性を伝えるために、海の環境問題についての教育にも力を入れています。一般消費者向けのパンフレット以外にも、可愛いイラストで「エコラベル」について分かりやすく説明された子ども用の冊子もあります。またMSCは、ミニ絵本やクイズなどのツールをウェブサイトで公開しているので、活用してみてはいかがでしょうか?

学校の教科書でも学ぶ「海のエコラベル」

実は、若い世代の方が「水産エコラベル」を含め、環境問題への意識が高いかもしれません。というのも、現在では、学校でSDGsについて習う機会があり、「教科書で紹介されることもあるMSC『海のエコラベル』について、お子さんから存在を聞いたという親御さんの話をよく聞きます。」と鈴木さんが言っていて「なるほど!」と感じました。

日常生活からアクションを!

「MSCラベルを選ぶ人が増えれば、持続可能な漁業を目指す漁業者や、MSCラベル付きの製品を扱う企業が増えていきます。そういったことを親子で話し合ったり、学んだりできるといいですね。」と鈴木さんは話してくれました。

また、鈴木さん曰く、近くのスーパーに「水産エコラベル」つきの製品の取り扱いが商品がなければ、リクエストしてみるという行動も、小さいながら海の資源を守る活動の大きな一歩に繋がるとのこと。多くの人が環境問題を意識し、限りある資源を持続できる世界になっていけるよう、日常生活から小さなアクションを起こしていけるといいですね。

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