東日本で唯一の「水災害体験装置」をレポート!「地震・火災体験」から「消防士制服着用」まで、横浜市民防災センターに行ってきた

地震大国日本ですが、最近増えていると感じるのが水害。最近も豪雨によって道路や住宅が水没し、地下や低い土地にある施設・住宅に大きな被害が出ています。実際に被災した人も多いのではないでしょうか。
災害への備えはもちろんですが、いざというときにどう対処すればいいのか。たとえば学校からの帰り道、おうちで親と違う部屋にいるとき、家族それぞれが違う状況にいるときにどう対応するのか、意識を共有していますか?
今回は「横浜市民防災センター」に伺い、令和における災害対策について学んできました。

全国から修学旅行や研修で訪れる 充実した設備やコンテンツで大人気

横浜市民防災センターは、横浜駅周辺の都市災害対応、市民への防災知識の普及啓発、備蓄物資・資器材の保管を主な目的として1983年4月1日に開館した体験型防災学習施設です。2016年4月1日に2度目のリニューアルを実施。東日本大震災をはじめとする近年の大災害の教訓を反映し、実際に日本各地で起きた災害での事例に基づいたケーススタディを取り入れるなど、いざというときの対応を身体を動かして実践できる常設の施設です。

リニューアル時以外にも新しいコンテンツが随時追加されています。全国的にも珍しい設備も多く、災害報道の検証番組などの撮影にも利用されています。

公共交通機関を利用する場合、電車ならば横浜駅西口から徒歩10分、またはバスでのアクセスが可能です。駐車場はないので、車で訪問する場合は近隣の有料駐車場を利用しましょう。

閉館日は定休日の月曜日と年末年始で、入館のための予約は必要ありませんが、一部の体験コンテンツに関してはオンラインで予約をしておくのがおすすめです。

体験ツアーは「地震・火災体験ツアー」「風水害体験ツアー」の2つがあり、これ以外にも災害に関する知識を学べる7つのプログラムも用意されています。

体験ツアーは団体での利用も多いので、確実に体験したいならば事前に予約しておきましょう。

実際の地震の揺れを体験し、消火器の使い方を学べる「地震・火災体験ツアー」

災害に対する備えとして「防災」という防ぐ準備・心構えを知ることに加え、近年はいざ起きたときにその被害をなるべく減らす「減災」の重要性に注目が集まっています。

今回のツアーは、災害が起きたときにどう行動すべきかなどを、過去の事例から学べる内容。所要時間は約60分で、「災害シアター」で横浜の街で実際に起こりうる災害をドラマ仕立てで映像化したものを鑑賞後、実際の体験コースに参加します。

地震シミュレーター

過去発生した地震や、戸建住宅・超高層ビルでの揺れなど様々なシーンを再現しています。最大震度7までの揺れを体験。こちらのシミュレーターは車いすの方も体験可能です。

この籠状のエリアに入って体験します。プログラムは複数あり、2025年10月からは「令和6年能登半島地震」の揺れを再現したプログラムも追加予定。

火災シミュレーター

訓練用消火器を使った消火体験と、煙からの避難行動を体験します。煙体験では体に害のない煙を室内に充満させ、室外からも煙や避難の様子を見学できます。

ガラス張りの通路を通って避難するシミュレーション。
酸素は一酸化炭素に対して重いので、なるべく低い体勢で逃げます。

減災トレーニングルーム

家庭のリビングを再現した部屋で、地震や火災時の身を守る行動や避難の流れを実践的に学習します。自宅から避難するときのステップをイメージすると、防災用品をすぐに取り出せる場所に備えておく必要性が実感できます。

マンションの一室を再現した部屋から、災害時にどうやれば安全に脱出できるのでしょうか?
ガラス片などを避け、準備してあったヘルメットをかぶっていざ脱出!
室内の様子は外からモニタリングできます。

東日本で唯一ここにしかない「水災害体験装置」で水の本当の怖さを知ろう

体験プログラムのひとつ、「水災害体験装置」は東日本のオープン施設の中でこちらにしかありません。令和3年の企業版ふるさと納税によって寄付された貴重な機器は、想像を超えた水の力を体験できます。豪雨による水災害に加え、水辺での事故も増えています。水の怖さを体験することで親子で新しい気付きを共有できるはず。

この体験ができるのは小学生以上で、屋外施設のため天候によっては体験できない場合もあります。また、定員は30名までで、予約は体験の1週間前で締め切られます。

体験はこの防水ウェアに着替えて説明をしっかり受けてから。
水流があるなかを服を着て歩くのは本当に大変です。
水が押し寄せてくるドアを開けられるでしょうか?

消防士やレスキュー隊員の制服を着るなど、予約なしでも体験できるコンテンツもたくさん!

じっくり体験の時間はとれなくても、まずは「消防士さん」というお仕事を身近に感じることを経験してみるのもいいかもしれません。施設前にはミニ消防車に乗れるフォトスポットや、入り口受付前には自由に制服が着られるコーナーも。

災害に対する意識を、家族で楽しく共有することから始めてみてはいかがでしょうか?

横浜市民防災センター

住所:神奈川県横浜市神奈川区沢渡4-7
開館時間:9時15分~17時
休館日:毎週月曜日(祝日の場合開館、次の平日が休館)、年末年始(12月29日~1月3日)
アクセス:JR「横浜駅」西口より徒歩10分

公式サイトは>>こちらから

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