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明光義塾の空き教室を使ってフリースクールを全国展開
――2026年5月16日に行われた「明光みらい公式アンバサダー就任記念イベント」で、代表取締役社長として明光フリースクールの運営を担う小幡和輝さんと、タレントの中川翔子さんがメディアの前にお目見えしました! ふたりは共に不登校当事者。明光義塾の教室を使ったフリースクールに、中川翔子さんを公式アンバサダーに迎えたことを記念し、就任記念イベントを開催したのです。
おふたりは自らの不登校経験を交えながら、現代の不登校児童が抱える悩みと、これからの「居場所」のあり方についてトークを繰り広げました。まずは、このフリースクール開校の経緯から。
小幡さん 明光フリースクールは、明光義塾の教室を使ったフリースクールです。塾は夕方から夜にかけて稼働することが多いので、空き教室を使って午前中から14時くらいまでをフリースクールとして運営しています。

運営する株式会社明光みらいは、明光義塾と私・小幡が一緒に作った会社です。私は約10年間の不登校経験があり、フリースクールの通学当事者でもあります。そしてクラスジャパン小中学園という、オンラインフリースクールを運営してきました。そんな私に、リアルなフリースクールの場作りを一緒にできないか、ということで明光義塾が声をかけてくれたのが去年のこと。とてもスピーディに展開が決まり、現在6校が開校しており、新しい教室も順次開校準備を進めています。

全国にフリースクールは500カ所。明光義塾の教室は1500カ所以上あります。今後、明光フリースクールが次々に増えて、学校に行きにくい子たちが自分の地域でフリースクールに行ける可能性がどんどん広がるといいなと思っています。
このたび、明光フリースクールの公式アンバサダーに中川翔子さんが就任してくださいました。ずっとご一緒したいと思っていたので、本当にめちゃくちゃうれしいです。
不登校当事者のしょこたん「夢に向かって走り出す不登校の子にエール」
中川さん 「私でいいんでしょうか?」とも思ったけれど、小幡さんのコールをうれしく、光栄なことだと思いました。小幡さんは10年間不登校でたくさん悩まれた方ですから、「なんとかするぞ」のエネルギーがすごい。高校生のときに起業されてたくさんの人と出会って、今があるのだと思います。

私も不登校の経験があります。当時は不安だったり、孤独におしつぶされそうだったり……。 でも、あとから思うと、心の穴を埋めるようにたくさんの好きなことをみつめる時間になりました。そんな中で漫画を描くことに一生懸命になったりして、今につながっているのです。
リアルタイムで不登校に悩んでいるときは暗闇の中にいます。でも、何がきっかけになるかわからないけれど、その子だけのトリガー(物事を引き起こすきっかけ)があり、夢に向かって走り出す瞬間ってあるんですよね。親でも学校でもない、いろんな人にふれあうことがきっかけになると思うんです。そうした瞬間に寄り添いたいってずっと思っていました。
学校に行けない小中学生は35万人余。不登校の理由も多様
――学校に行けなくて悩んでいる小中学生は今どれくらいいるのでしょうか。
小幡さん だいたい35万人超くらいです。2019年は約18万人でしたから、今は約2倍になっています。僕が不登校だった20数年前は12万人くらいでした。子どもの数は減っていますが、不登校は増えている。3.9%(病気や経済的理由を除く)が年間30日以上欠席しています。28日までの欠席は不登校に入っていませんが、その子たちを入れるとさらにすごい人数になります(2024年度)。
中川さん すごく増えているんですね。不登校の理由も、私のときはいじめで傷ついたとかはっきりしたことがあったけれど、今は悩みの形もさまざまです。「行きたいのか行けないのかなんだかわからないけれど、行けない」みたいな……。親御さんもどう接していいか難しいですね。
でも、心が走り出す瞬間はあると思うから、それまでにどう安全でいられるか、ですよね。

小幡さん 時代が変わってきて実際すごく思うのは、これまでは学校の役割が重かった。学校に行かないと友達ができない、勉強ができない。でも今、文部科学省の説明を見ると、不登校の子の数を減らそうという記述は出てきません。「不登校になっても学びの機会を失わないように。不登校は誰にも起こりますよ」っていうのが今の日本の教育の方針だと思います。 それがあまり伝わっていなくて、子どもたちや保護者の皆さんがつらい思いをしていると思います。ぜひ、学校以外にも学べる場はいろいろあることを、知らせたいですね。
明光フリースクールはどんどん増えている!
――イベント終了後に、小幡さんに明光フリースクールの学び方について伺いました。
ーー小中学生の明光フリースクールはどんなシステムやカリキュラムを持っていますか?
小幡さん 2025年11月に1校目が東京の杉並区でスタート、2026年からは東京では江戸川区と大田区と新宿区で開校、全国レベルで滋賀県、岡山県、山梨県、福岡県で開校準備が進んでいます。調整中の校舎は10カ所以上、今後もどんどん増える予定です。
教育理念としては、「来てよかった」と思える楽しい場作りを考えています。探究的な学習を大事にし、一応カリキュラムはあっても、たとえば1日ボードゲームをしたい、というのならどうぞ、という感じです。

とはいえ、学習面も充実させていて、2-3分の授業動画と問題で学べる教科学習のためのICT教材「デキタス」、歴史、科学、経済、宇宙などを動画とゲーム を通して学習できる「タンキュークエスト」、部首を合体させ、漢字の力を使って戦う漢検公認の漢字バトルカードゲーム「カンジモンスターズ」などの教材も使います。ただ授業を聴くだけでなく、ゲーム感覚で双方向の学びを大事にしています。
午後は「もくもくタイム」。勉強してもいいし、自分の好きなことをしてもいいけれど、おしゃべりはなし。集中することの大事さを味わいます。
小学生と中学生の区切りはなく、たとえば小学4年と中学生が一緒に学ぶのは普通です。学びを深めたければ、そこは塾ですから、深くすることもできます。
フリースクールの後に明光義塾に通ってもいい
フリースクールは14時くらいまでですが、そのまま明光義塾の個別指導を1コマ受けて帰る、などという使い方もできます。中学受験や高校受験をがんばりたい子にとっては、とてもいい環境ですね。
――文部科学省管轄の不登校の子を受け入れる教育支援センターは無料ですが、明光フリースクールの場合は?
小幡さん 週5ですと授業料は71500円、週1の場合の授業料は2万円になります。ただ、補助金があり、東京都の補助金は2万円です。最初は週1回、必要に応じて登校回数を増やしてもいいと思います。
有料であってもこちらを選ぶ保護者の方々も多いのは、やはり学びの形や空気感がポイントなのかな、と思います。自由度の高さや学びの豊かさを感じてくれるのかなと思います。明光フリースクールのような民間事業でいいものを作ることで、フリースクールの価値を感じてもらえて、全国に子どもたちの新しい学びの場が広がっていくといいなと思っています。
ーー学校だけが学びの場ではありません。子どもたちが居場所をみつけ、そこで何か自分が好きなことをみつけ、夢中になって走っていければ、その先に未来が待っています。小幡さんや中川さんのように、苦しい時代から抜け出して、自分らしく走れるような場をみつけたいですね!
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お話を聞いたのは
1994 年、和歌山県生まれ、和歌山大学卒業。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNS を活用したマーケティングを専門とし、東京2020 オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに1500人以上の不登校生徒をサポート。現在、株式会社明光みらい代表取締役社長として小中学生向けの明光フリースクールの代表、また明光義塾高等学院学院長を務める。
1985年生まれ。2002年に芸能界デビューし、「しょこたん」の愛称で親しまれる。不登校当事者でもある。歌手・タレント・声優・俳優・イラストレーターとして多方面で活躍中。猫好きとしても知られ、10年以上にわたり動物愛護団体やボランティアと連携し、猫の保護活動や里親探しを継続中。2023年に結婚。双子の男の子のママ。
この記事を書いたのは
インタビューを中心に教育、子育て、医療、介護、食などのテーマで WEB・雑誌・書籍などの記事を執筆。お話を伺う方にたくさんの学びをいただいています。社会福祉士、法定成年後見人、中学校・高等学校教諭一種免許状、生涯学習2級インストラクター(栄養と料理)