妊娠から育休、復職、小1の壁…根性ではなく“仕組み化”で乗り越える! 子育ても仕事も大切な「働く親」が知っておきたいサバイバル戦略

かけがえのない「子育て」と「仕事」の両立。でもその毎日は、予測不能なトラブル、キャリアや家族の悩みの荒波が次から次へと押し寄せてきて、うっかりしていたら溺れてしまいそうに感じることも。働く親がこのサバイバルを乗り切るために知っておきたい「人生戦略」について、妊娠期・産育休・復職・小1の壁・そしてその先まで、圧巻のボリュームと網羅性、きめ細やかさで話題の書籍『働く親のためのサバイバルガイド』(文響社)から紐解いていきます。

イラスト/Okuta 

※ここからは『働く親のためのサバイバルガイド』(文響社)の一部から引用・再構成しています。

“ずっと右肩上がりの成長”はもはや幻想!?働く親のキャリアは「Wカーブ」へ

「キャリアは右肩上がりがいい」「一度現場から離れたら、居場所がなくなってしまうかも…」。一度は頭をよぎるそんな不安。でも子育てしながらのキャリア構築では、「右肩上がりの成長」はもはや幻想に近いのです。

かつては、子育て期の30代で凹むことから「M字カーブ」と呼ばれていた女性の就労率。最近では就労女性が増えたことで「M字カーブは解消された」といわれています。

一方で、最近話題になっているのが「L字カーブ」。結婚や子育てにより正社員が減り、その後非正規のままキャリアを継続する女性が多いことを示した言葉です。右肩上がりのキャリアから長期的に離れれば離れるほど、戻りにくくなることが問題視されています。そして育休を経てキャリアを不安視する男性も5~6割いるとされています。

このような背景を踏まえ、おすすめなのが「Wカーブ」という考え方。ライフイベントなどで一時的に停滞やへこみがあったとしても、すぐに巻き返し、長期的に見て右肩上がりになっていればOKという考え方です。

大切なのは、“会社など経済社会が求める一直線の成長”と、“個人の自然な成長曲線”を同一視しないことです。結婚で少しキャリアの再調整が起きたり、出産で(たとえば給与や立場などが)一時的に凹んでしまったり、介護で時短勤務が必要になったりしてもいいんです。沈んでも、その生活に順応し、また浮上する。“浮力”を大切にしてみてください。そしてこのWカーブのキャリア成長を実現するためには、短期的ではなく長期的にあなたのキャリアを応援してくれる人が必要です。

【育休期】自分たちの最適解は?「育休のカスタマイズ」作戦

育休はその後の「仕事と育児の両立」の橋渡し期間です。大切なのは「どんな育休が自分たちにとって最適か?」を話し合い、選択すること。2人で育休を取るタイミング、期間、順序は、“わが家流”で選んでいきましょう。

育休は、必ずしも夫婦で同時に取得しなくてはならないものではありません。子どもの発育や、パートナーの職場復帰に合わせて、分割取得制度も利用しながら交互に取得するなどの方法もおすすめです。育休は、使い方次第で家族の負担も職場との関係性もぐんと変わります。

また、子どもの発達によっても、育児の負荷は変動します。「子どもの月齢」「親の育児負荷が大きい時期」「入園しやすい時期」などを総合的に考えて計画を立てましょう。

【0~1歳】“完璧”よりも“柔軟”な働き方がカギ!「復職」直後の混乱期の乗り切り方

0~1歳は“毎日が初めて”の連続。子どもの発達スピードが速い分、親の対応力も問われる時期です。この時期は親も子どもも「1人でできる」ことより、「誰の力を借りながらどうやって毎日を回すか」がカギ。働き方についても、“完璧さ”ではなく“柔軟さ”が求められます。

仕事では、「相談力」と「交渉力」を育てよう

子どもの病気などのときに、仕事を「休めるかどうか」だけでなく、「代替案を誰とどうつくるか」も重要な視点に。上司・同僚・取引先と小さな情報共有を続けておくと、いざというときにスムーズに相談できます。

「〇時までに保育園の迎えに行かないといけないから、15時の打ち合わせはメールでの対応でもいいですか?」といった“背景付きの相談”がポイントです。

家庭では、「どちらが正しいか」より「どうすれば回るか」を軸に

育休も明けて、初めてのやりくりに奮闘中の2人。こんな時期にこそ正義感が仇となり、「こっちの方がいいじゃん!」と言いたくなるもの。ベターではなく、マストだけこなすイメージで乗り切りましょう。

お迎えから就寝まで、「夜ルーティン」は順番も時間も固定

18:00夕食→19:00お風呂→19:45絵本→20:00就寝など、時計ではなく“習慣の流れ”で働けるように、「ご飯が終わったらお風呂」「パジャマを着たら歯磨き」など、次の行動を自然に誘導します。

【2歳】今まで通りにいかない!「イヤイヤ期」は“子どもの自我”ありきのカタチに調整を

1~2歳の子どもは、成長と共に自己主張が一気に加速する時期。「自分で!」や「イヤ!」の嵐が毎日まきおこり、親の体力・気力は削られがちに…。

どっちを選んでもOKな選択肢を渡す

子どもの「自分でやりたい気持ち」を尊重しつつ、生活を回すためには、“問いを工夫”することがポイント!「服を着よう?」だと、NOのときに困ってしまいます。どちらを答えても困らない、「青と黄色どっちがいい?」などがベター。

感情の翻訳者になる

“自分の気持ち”をどう伝えたらいいのかがわからず、ストレスが溜まる時期。だからこそ、「イヤなんだね、そう感じたんだね」「これじゃなくて、こっちがいいんだね」など気持ちを翻訳してあげましょう。次第に専属プロ翻訳者になれます。

完璧な分担より“流動性のあるチーム制”へ

この時期は子どものご機嫌に左右されることも多く、「今日はパパがいい!」など、せっかく分担を決めたとしても思い通りにならないことの方が多いもの。だからこそ、チーム連携が試される新たなステージだという認識を。「寝かしつけが長引いていそう→もう片方が家事を回収」「子どもの中途覚醒が多い→翌朝は夜泣きを対応しない方が保育園へ送る」など、臨機応変なチーム体制が輝くときです。

【小学校入学】保育園時代よりむしろしんどい?「小1の壁」の乗り越え方

「卒園して、ようやく落ち着くと思ったのに…」「むしろ今のほうがしんどいかも」。そんな声が、小学校に入学したご家庭から聞かれます。このタイミングで浮上するのが「小1の壁」。子どもが小学生になるタイミングで一気に働き方に無理が生じることを指しますが、その実態は家庭や子どもの性格によってまったく異なります。

働く親にとっての3つの壁「居場所の壁」「サポートの壁」「メンタルの壁」

(1)居場所の壁:学童の終了時間

保育園のように「20時まで延長」などはほぼなく、18時ごろに閉まる学童が一般的。学童によってルールも違い、春休み・夏休みの対応、持ち物、親の同伴の有無など多様です。高学年になると「友だちは来ない。学童に通いたくない」と子どもが言い出すケースも。放課後の子どもの居場所が確保できず、仕事の調整が必要になることもしばしば。

放課後問題は、送迎付き学童や、送迎シェア、オンライン活用、こども食堂など、さまざまな居場所やサポートを検討しましょう。

(2)サポートの壁:宿題・提出物の山

「音読はやった?」「連絡帳にハンコ押した?」「今日は体操服必要?」といった“見えないタスク”が急増。まるで秘書のようですが、特に低学年では親がフォローしないと成り立たず…。本人と対話しながらの意思決定の回数が増え、地味に気力と時間を奪われます。

なくしがちなプリントは、“お知らせ専用クリアファイル”を準備し、毎日入れてもらうルールに。帰宅後、親子でランドセルの専用ファイルをチェックしましょう。宿題タイムは“帰宅後30分以内”などと固定。親は「声かけ+見守り」に徹します。手を出したり、口を出したりすると自立性が養われません。

(3)メンタルの壁:情緒面の不安定さ

新しい環境、人間関係、ルール。子どもは全身で適応しようとしています。そのため、登校しぶりや泣きながら帰宅、ときには「学校に行きたくない」と言い出すことも珍しくありません。そして不登校になると一気に親も出勤が負荷に。こうした「心の不調」は、保育園時代にはあまりなかった壁であり、親としても“時間を取る覚悟”や、それを念頭においた支援体制の再構築が必要です

保育園と小学校は、何がどう変わる?

親として、人としてどう生きていきたい?

どんなに疲れていても容敵なく始まる、働く親の1日。待ってもらえない仕事。思い通りには進まない育児。満足にとれない自分の時間。睡眠不足。そして、周囲と比べて焦りや罪悪感を感じてしまう日々。働き方は、子どもとの関わり方は、自分自身の人生は、本当にこれでよいのだろうかと迷いながらも、ゆっくり考える余白もない。そんな日々であっても、忘れてはならないことがあります。


それは、これまでの人生でもたくさんの“役割”があったように、「親」という役割もあなたの人生の役割のひとつにすぎない、ということです。今まさにしている「子育て」、つまり“親という役割”がずっと続くように感じられるかもしれません。しかし、いつか子どもは成人して巣立っていきます。その後に待っているのは、「あなた自身の人生」。50歳の自分、70歳の自分がどうなっていたら幸せか、どんな人生があなたにとっての「豊かさ」なのかを考えることが重要なのです。それが「今」、どのように働いて、どのように家庭を運営していくかに、大きく関係してきます。

だからこそ、親としての役割を通じてあなたの人生を考えることも大切なのです。

※ここまでは『働く親のためのサバイバルガイド』(文響社)の一部から引用・再構成しています。

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著 岸畑聖月/イラスト Okuta  文響社 1,958円(税込)

「子どもはかわいいけれど、毎日、体力が限界ギリギリ!」
「時間に追われて、キャリアを考える余裕がない」
「夫婦2人とも頑張っているのに、噛み合わない」

1,000名以上の現役”働く親”の声からわかった
リアルな「両立の壁」に、
2,500組以上の働く親の両立支援をしてきた著者が
全ての知見を詰め込みました!

「共働き子育てのスペシャリスト」を名乗る不思議なペンギンとともに
20年間の育児と仕事の両立の航海にいざ、出発!

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構成/HugKum編集部 イラスト/Okuta 

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