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「うちの子は勉強がきらい」って思いすぎないほうがいい
――磯貝さんはご自身の著書『東大・最年少気象予報士合格を支えた 没頭勉強術』を出され、勉強を楽しんできた様子がたくさん書かれています。そしてそれがすばらしいキャリアの結果につながっている様子。でも、ほとんどのお子さんは、勉強がきらいなんじゃないでしょうか。どうやったら好きになれると思いますか?
磯貝さん 私は大学時代に中学受験のお子さんの塾講師やチューターをしましたけれど、よく親御さんに「うちの子、勉強がきらいなんですけれどどうしたらいいですか?」って言われていました。

磯貝さん 小学生くらいだと、まだ勉強を「おもしろい!」と思う体験がそれほど多くないと思うんです。逆に、つまらないって断言するほどでもない。そんな時期に、塾などで宿題がたくさん出て「勉強はやらなければいけないもの」って大人に言われて、負荷だけ増すと、勉強が魅力的に見えなくなってしまいます。
じゃあ、磯貝ははじめから勉強が好きだったかというと、正直それはわからないです。勉強にしろ何にしろ、取り組み始めからおもしろいことって、そもそもそんなにないんじゃないでしょうか。それと、たとえば私は短距離走が苦手なんですが、運動全部がきらいなわけじゃない。勉強もこれは好き、これはあんまりっていうのもあるわけで、1個きらいだとしても、全部きらいなわけじゃないですよね。
だから、今の段階で「うちの子は勉強がきらい」って思いすぎないほうがいいんじゃないかな。いろいろ試してみたら、意外に好きっていう内容もあると思います。
実際、勉強がきらいと言っている子の家庭教師やチューターをしたことがあるんですよ。きらいな理由が「親御さんに厳しく怒られるから」とか、「勉強するためにゲームするなと言われる」とか。それはきらいになってしまいますよね。勉強とネガティブなニュアンスが結びつかないといいなって言うのもあります。
「わからないのにわかったフリ」をしなくてはならない環境を変えて
――勉強する内容がうまく理解できていなかったり、すごく難しそうだと思うと、イヤになることもありますね。
磯貝さん わからないものが楽しいってそんなにないですよね。親御さんはお子さんがうまく理解していないと、「こんな大事なことがわからないの?」ってお子さんの将来が不安になってしまうと思うのですが、悲観せずに、「わからないものはわかっていけばいい」と思ってください。焦らずに、わかることを1個1個積み重ねると、わかるようになります。
学校でも塾でもカリキュラムがあるので、一度教えてもらったら、もう次にいかないといけない、と思ってしまう。完全にわかっていなくても、「わかった?」と大人に言われると、子どもって期待に応えたくて「はい」って言ってしまうんじゃないでしょうか。

私が家庭教師していたときも、そう感じるときがありました。それで、「もしかしてしっくりきてない?」と思って説明のしかたを変えたらわかってくれて、「ああ!」って楽しそうにしてくれる瞬間があったんです。遅れちゃうから、などと考えずにちゃんとわかるまで待ってあげるといいですよね。
質問も、どんどんするように言ったらいいと思います。先生は質問しに来る子には親切に教えてくれるもの。ちゃんとわかっていないのが恥ずかしい、なんて思わなくていいんです。「わからなくても恥ずかしくないよ、先生は教えてくれるんだから」って言ってあげてください。
「勉強ギライになる要素」を取り除いてあげたい
磯貝さん とにかく、大人がするといいのは、「勉強ギライになる要素を取り除いてあげること」。やりたいことはがまんしすぎない、睡眠を削ってまで勉強しない。興味のあることから広げていく。ネガティブなことを言わずに、子どもがやりたいことから始めていくといいと思います。
うちでは、学校で詩の暗唱が大好きだった私を見て、母が「この子は百人一首が好きかもしれない、最初はマンガから入るのがいいかも」と、『まんが百人一首』を買ってくれました。興味関心の半歩先で、自分の知らないものを教えてもらえたことは大きかったです。
結果的に、中学以降の古文の勉強にもスムーズに結びつきました。いつもそううまくいくとは限らないけれど、受験勉強とか授業とは関係なしに、その子の「興味の半歩先」を見つけて提示して、そこから進んでいくのが「勉強を楽しい!」と思えるきっかけになると思います。
また、親御さん自身も、楽しそうに本を読んだり勉強をしたりする姿勢を見せると、お子さんも「勉強って楽しいものなんだね」って思うのではないでしょうか。
短期集中で勉強して「資格を取る!」と決め、高1で気象予報士に
――磯貝さんは桜蔭に通いながら、高1の夏休みに気象予報士試験に合格しています。1カ月少しの猛勉強で合格した秘訣はどこにありますか?
磯貝さん もともと、私はアナウンサーになりたくて、それには「気象予報士の資格があったほうがいいんじゃない?」という母のすすめで受けてみようかと思ったんです。もちろん時間もないし、猛勉強が必要だったのですが、始めてみると気象学っておもしろい!もともと学校でも地学が好きだったので、自分に合っていましたね。

それと、私は負けず嫌いでして(笑)。スクールに通ったときに年配の先生に「高校生が一度に取るのは無理だよ、ゆっくり取りなさい」と言われたんです。これで火がついてしまいました。がんばってこの夏に合格しよう、と。親切心で言ってくださったのですが、ある意味、先生が上手にたきつけてくださったことになり、感謝しています。
それと、期間が短かったので、どう時間配分をするかも大事でした。そのあたりは大人の視点で母がどう計画すればいいかアドバイスしてくれたので、とても助かりました。
何を学んでも後の役に立つ。「学ぶ楽しさ」をずっと持ち続けて
――その後、東京大学理科一類に合格しました。アナウンサーの仕事とどう結びついているのですか?

磯貝さん 工学部の社会基盤学科に進み、防波堤について研究したんです。そこまでやったのにアナウンサーになるのがもったいないと言われたこともありましたが、中京テレビで防災担当にしてもらったり、部内とか局内で防災関連の勉強会を担当させてもらったり。学んでいて役に立たないことはないですよ。
――今は中京テレビを退社して、東京大学大学院で学び、2027年3月に修了だそうですね。修論の真っ最中ですか?
磯貝さん そうなんです。修士論文が義務ではない専攻なのですが、せっかく大学院に来たので形にしたくて。集大成にできるよう、がんばっています。
――磯貝さんは、本当に学ぶことが楽しくて、目を輝かせて学んでいる感じがします。そんな人に育てるには、親としてはどうしたらいいと思いますか?
磯貝さん とにかく、安心して楽しめる環境を整えてくれたら、と思います。あたたかいごはんを作って、よい睡眠環境をつくる、ふつうのことでいいんじゃないかなと思うんですよね。勉強をするのはあくまで本人。本人のモチベーションを高めるために興味をもって話を聞いたりほめたりしながら、応援団になってもらえたら。そのうち、お子さんが大人を追い越すこともありますが、「追い越したらすごいね!」って楽しみにしていたら、お子さんもうれしいと思いますよ。
――「がまんして勉強しなさい」ではなくて、「楽しんで勉強できるように環境を整える」。そんな関わり方ができたら、きっとお子さんも学ぶ楽しさを覚えていくのでしょう。心配しすぎず、応援していきたいですね!このほかにも磯貝さんはたくさんの学びの体験をしています。そんな体験をギュッと詰め込んだ磯貝さんの著書『東大・最年少気象予報士合格を支えた 没頭勉強術』、ぜひ読んでみてください!
お話を聞いたのは
1993年生まれ。桜蔭中学校・高等学校を経て、2012年東京大学理科一類に現役合格。在学中の2013年4月から1年間、日本TV『NEWS ZERO』の天気コーナーを担当した。2016年3月東京大学工学部社会基盤学科卒、同年4月中京テレビに入社。2022年3月31日付で、中京テレビを退社、フリーアナウンサーに。2023年4月から東京大学公共政策大学院に進学、2027年3月修了予定。2025年6月1日より、ビジネス映像メディア「PIVOT」MCに。高1のときに気象予報士試験に合格。著書に『東大・最年少気象予報士合格を支えた 没頭勉強術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
勉強が苦行になっていませんか?
「受験のために、今は遊びや自由を『犠牲』にするしかない」「地獄の勉強漬け生活をとにかくこなしていくしかない」
……そんなふうに思っている方に向けて、勉強を「没頭できる楽しいもの」に変えるための方法をお伝えします!
著者の磯貝初奈は、高1で気象予報士(当時女子最年少)合格、桜蔭中高→東大現役合格、アナウンサーを経て東大大学院に合格。「血のにじむような努力とは無縁」の著者がここまで勉強を続けてこられたのは、ただひとつ——「勉強が最強に楽しかったから」です。
この「楽しさ」は、生まれつきの才能や「勉強が得意かどうか」とは関係がありません。楽しさにたどりつく「やり方」さえわかれば、誰でも「楽しいから学ぶ」に変わることができます。
本書では、そんな学びを支えてくれた楽しいから没頭できる、没頭できるから結果が出る勉強術を徹底的に言語化!
この記事を書いたのは
インタビューを中心に教育、子育て、医療、介護、食などのテーマで WEB・雑誌・書籍などの記事を執筆。お話を伺う方にたくさんの学びをいただいています。社会福祉士、法定成年後見人、中学校・高等学校教諭一種免許状、生涯学習2級インストラクター(栄養と料理)
