そもそも「魔法びん」とは?保温・保冷力やいかに?
夏場は暑さが厳しく、冬場はぐっと冷え込む日本の気候。温かいものは温かく、冷たいものは冷たいまま持ち運べる魔法びんは欠かせません。
そもそも「魔法びん」とは、“真空二重構造”の水筒のこと。“真空二重構造”とは、内側と外側の間に空間をつくり、その空間を真空にすることで熱移動による放熱を防ぐ仕組みです。
「われわれ定番の『JNLシリーズ 500ml』の場合、95℃のお湯を入れたときは6時間で68度以上に保温。4℃の冷たい水を入れた時は、6時間で10度以下に保冷できる性能があります」(以下、「」内、すべて『サーモス株式会社』社長室 ブランド戦略課 コミュニケーション2グループ 笹渕真由美さん)

「衛生管理」に注意しよう
水筒を使ううえで、まず気を付けるべきは衛生管理です。
「毎日洗い、清潔を保ったうえで、作りたてのお茶や開封したてのスポーツドリンクなどを入れてください。また、朝入れた飲み物は、その日のうちに必ず飲み切りましょう。
それから、腐敗しやすい温度帯にも気をつけます。もっとも細菌が活発になるのは、夏場の外気くらいの35℃前後といわれています。冷たい飲み物の場合、氷を少し入れていただくだけでも、より冷たい状態をキープしやすくなりますよ」
水筒の洗い方
洗い方には、いくつかポイントがあります。
①柔らかいスポンジでこすり洗いをする
「たとえ麦茶でも、水ですすぐだけでは汚れが十分に落ちず、カビやサビの原因になることがあります」

②「パッキンは必ず外して」洗う
「少々大変かもしれませんが、必ずパッキンも外して洗ってください。
パッキンには、細かな汚れがたまっていたり、いつのまにか消耗していたりして、これが漏れやカビの原因になります。一度カビたら、洗ったり漂白したりしても、カビの根を根絶することは難しいです。1年を目安にチェックしていただき、消耗や汚れが気になる場合は交換をおすすめします。パッキンはサーモス公式オンラインショップでも購入できますよ」

③洗ったあとは水筒内に「水分が残らない」ようにする
「伏せておいたり、市販の珪藻土スティックを入れておいたりするなど、なるべく湿気が乾くようにしましょう。
長期間保管する場合は、カラカラに乾いた状態にしてください。そのうえで酸素系漂白剤で茶渋を取っておくと、汚れやにおいを防ぐことができます」

④茶渋が気になる場合の「つけ置き」にご注意
「酸素系漂白剤を使い、水筒の中だけ漂白してください。ステンレス製魔法びんの水筒は、底のほうに大切な部品が使われています。水筒の外側をつけ置きすることで、ここの部分が壊れてしまう可能性があるのです。また本体には塩素系漂白剤を使用しないでください。さびる可能性があります」
ステンレス製の水筒に「入れてはだめ」なもの
安心・安全に使うためにも、入れてはならないものがあります。
果肉、茶葉
果肉や茶葉は、水筒の飲み口や隙間などにつまる可能性があります。
「これにより、つまってうまく飲めなかったり、漏れたり、急にたくさん出てきたりして、やけどやものを汚す原因になります」
ドライアイス、炭酸飲料
炭酸飲料は、炭酸飲料対応の水筒であればOK。
「炭酸を入れてフタをすると圧力が高まり非常に危険ですので、入れないでください」
味噌汁やスープなど塩分の多い汁物や、スポーツドリンク
塩分の多い味噌汁やスープは入れられません。また、少量の塩分を含むスポーツドリンクを入れる場合は、「スポーツドリンクOK」と説明書などに書かれている水筒を選びましょう。その上で、使用後はなるべく早く、丁寧な洗浄を心がけます。
「塩分の多い汁ものはサビの原因になり、故障につながる可能性があります。
スープジャーも同じ素材ですが、塩分の多い汁物を入れる想定で作られているため、口から手を入れて底まできちんと洗えるようになっています。一方で、水筒は細長く、底まで十分に洗えない可能性もあるため、塩分が多い汁物は避けていただきたいんです」
牛乳やカフェラテなど乳飲料
近頃はカフェにマイボトルを持参し、ミルク入りのコーヒーを入れてテイクアウトする人も増えています。しかし水筒は……。
「小さなマグタイプのステンレス製魔法びんの水筒で、短時間で飲み切るならOK。ただし、容量が大きいスポーツボトルなどに入れるのはNGです。牛乳や乳飲料は腐敗しやすいので、できるだけ早めにお飲みいただき、使用後はなるべく早く、丁寧に洗浄してください」
「買い替えのサイン」を見逃さないで!
パッキンへのカビは、パッキンの交換を告げるサイン。
では、水筒本体を買い替えるサインは?
例えば、使い続けるうちに水筒の底が凹んでしまうことがあります。笹渕さんによると、小さな凹みであれば使えるケースがほとんどなのだとか。ただ、高いところから落として大きな衝撃が加わったり、あまりにも大きく凹んだりしている場合は別です。

「目には見えない小さな傷や穴が空いている場合もあります。
本体が故障しているか確かめるには、水筒に熱湯を入れ、5分ほど待ちます。そして、ボトルの下側の位置を外側から触ってみてください。外側が温かくなっていたら、保温・保冷機能が利かなくなっているということ。これも買い替えの目安です」

このほか、口元が歪んでいる場合も漏れる可能性があるので、買い替えましょう。
「持ち歩き」にもご注意を!
ちなみに『サーモス』のキッズ向け製品は、子どもが咥え飲みしても飲みやすくなっているそうです。また、体にかけて持ち歩くための、ストラップやケースもラインナップ。ただ、便利なストラップやケースですが、注意も必要です。

「わが家にも子どもがいますが、お子さんはふいに走ったり、時には転んだりすることもありますよね。ですから、水筒を持ち歩く時は必ず斜めがけにして、腹部に水筒がこないように紐の長さや位置を調整するのも安心・安全に使うための大切なポイントです」
使い方やお手入れの方法をきちんと守れば、いつでもどこでも、おいしい飲み物が楽しめるステンレス製魔法びんの水筒。今回教わったことを、どうぞ実践してみてください!
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取材・文・写真(提供写真を除く)/ニイミユカ