読書感想文、苦手な小学生が多い!?
読書感想文は、小学校の夏休みの宿題でもよくある課題です。でも子どもたちにとって、最も苦手意識がある課題だということが、小学生を持つママパパ330名を対象に行ったアンケート調査で浮き彫りになりました。
嫌な宿題は「作文・読書感想文」がトップ、全体の48.5%
アンケート調査で、夏休みの間に「子どもが嫌がっていることは何ですか?」という質問に対して、1位は「作文・読書感想文」で全体の48.5%を占める結果となりました。
子どもが夏休みに嫌がっていること
- 1位 作文・読書感想文(48.5%)
- 2位 国語・算数など教科の宿題(41.2%)
- 3位 日記・絵日記(33.3%)
- 4位 自由研究(30.0%)
また「子どもが、作文を書くのが好きですか?」という質問に対しては、「いいえ」が52.4%と半数以上になることがわかりました。一方「はい」と答えた人は15.8%と2割以下でした。
子どもが、作文を書くのが好きですか?
- いいえ 52.4%
- はい 15.8%
- どちらでもない 25.8%
- わからない 6.1%
これらのアンケート結果からわかったことは、読書感想文の宿題に対して半分近くの子どもが苦手意識を持っていて、子どもが「作文を書くことを好きではない」と思っている親も半数以上いるということ。読書感想文は、子どもにとってはかなりの負担になっているようです。
作文学習の開始時期は「小学1年生」
同じアンケートで、「作文学習はいつ頃から始めるのが適切と思いますか?」と聞いたところ、次のような結果になりました。
- 5歳 6.4%
- 6歳(小学校入学前) 17.6%
- 小学校1年生 36.7%
- 小学校2年生 4.5%
- 小学校3年生 7.3%
作文を始める時期として最適なのは「小学校1年生」と答えた人が最も多い36.7%でした。
作文を書くためには、文章力、想像力、語彙力などが必要になりますが、これらの力を育むためには小学校1年生頃から作文学習を始めるのがよいと考えている方が多いようです。
読書感想文が楽しくなる本の選び方
読書感想文に子どもが苦手意識を持ってしまうのは、作文を書くことに加えて、最初に本を読まなければならないことがハードルになっています。
子どもが、読書感想文の宿題に楽しく取り組めようになるためには、まずは本の選び方が重要です。
読書感想文で大切なのは本選び
読書感想文の宿題では、作文の書き方のテクニックが重要と思われるかもしれませんが、作文のテクニックよりもまずポイントとなるのが本選びです。
本を読む段階で、子どもがストーリーに夢中になり、楽しむことができなければ、本を読む行為も、作文を書く行為も苦痛以外のなにものでもありません。子どもがストーリーを気に入り、自分から「この本について、作文を書きたい!」と思えるような本を選ぶことが一番大切です。
読書感想文のための本選びでは、なによりも子どもの興味・関心に沿った内容の本であること、そして子どもの読解力に合った本を選ぶことを重視してください。子どもの読書感想文で大切となる本選びのさらに詳しいポイントは、こちらの記事で詳しく解説しています。
読書感想文におすすめの人気の本
具体的に、子どもの読書感想文におすすめの人気の本をリストアップした記事がこちらです。小学生低学年向けと、高学年向けの本をご紹介しています。
さらに「小学生がえらぶ!こどもの本総選挙」にランクインした本や、「子どもが何度も読み返している」といったママパパの口コミがある本など、小学生によく読まれている人気の本をご紹介しています。
読書感想文の書き方
読む本が決まったら、いよいよ実際に本を読み進めていきます。そのときに、ママパパができるサポートと、読み方のコツがいくつかあります。
準備
まず最初に、親が子どもより先に本を読んでおき、そのストーリーの読みどころや面白いポイントを把握しておきましょう。
こうすることで、「この部分で、どんな気持ちだったのかな?」などと具体的な質問をして、読書感想文を書くときのヒントを与えることができます。
読む
子どもの性格にもよりますが、最初は親が読んであげて、2回目に子どもに読ませてみましょう。
そして3回目は、子どもが「面白い」と思った部分、何か気づいたことがあった部分に付せんを貼っていきます。子どもが「すごい!」と言ったら、その言葉のまま「すごい」と付せんに書いておきます。
そして読み終えた後に、付せんを貼った部分を振り返ってみて、たとえば「すごい」と言ったところは、どんなところがすごいと思ったのかを聞き出し、付せんよりも大きめの紙にメモとして書き出していきます。
すると、子どもが本を読んでどんなところに心が動いたのか、どんなところで何を発見したかが、わかりやすくなります。
書く
書き出したメモを見返してみて、「何を一番伝えたいか」「その理由は何か」「自分はどう思ったのか」の順番に並べ替えてみます。そして、この順番で作文を書いていくと、うまくまとめることができます。読書感想文の構成は、次の3つです。
- 始まり:本を読んで一番印象に残ったことから書き出します。
- 中 :始まりの文章をさらに具体的な話にしていきます。
- 終わり:読み終えて感じたこと、これからどうしたいかをまとめます。
読書感想文のコツ
読書感想文の作文を書くときは、次のようなポイントを意識すると、上手に書けるようになります。
伝える相手を決める
子どもが読書感想文をうまく書けない原因のひとつに、誰に向けて書けばよいのかわからないことがあります。
先生に向けて書く、あるいは、同じクラスの友達に向けて書くなど、読書感想文を書いて伝えたい相手を明確にするとよいでしょう。
手紙のように書く
伝える相手を決めたら、その人に手紙を書くにように文章を書いていきます。
その本はどんな話なのか、どこが面白いのかなどを相手に伝えるつもりで考えていくと、書きやすく感じるようになります。
本を読んで「よかった」と親が感じた部分を自然に伝える
小学生低学年の場合、子どもは本を読んで感じたことや思ったことを、うまく言葉で表現できないかもしれません。
そこで、親が同じ本を読んで思ったこと、感じたことを「私は〇〇のページの△△の部分が面白かったな。あなたはどう思った?」という風に投げかけてみてください。すると子どもはそれを真似して、自分が感じたことを言葉にしやすくなります。
例文やテンプレートも!読書感想文が簡単に書ける本のおすすめ
読書感想文の書き方のコツやポイントをまとめた本があります。これらを参考にしてみるのもいいでしょう。感想文の例文付きの本もあります。
「ドラえもんの国語おもしろ攻略 読書感想文が書ける」
「本の読み方がわからない」「書くことが見つからない」「本を読んでも感動できない」など、読書感想文を苦手とする子どもにドラえもんが攻略ポイントを教えてくれる1冊です。
「ちびまる子ちゃんの作文教室」
まるちゃんのマンガで、作文の基本から、 感想文、日記、手紙、新聞などの文章の知識を解説しています。読書感想文の例文なども載っていて、作文の練習ができます。
「脚本家が教える読書感想文教室」
予約がとれない教室として有名で、これまでに1000人以上の子どもが受講している読書感想文講座。そのメソッドが1冊にまとめられています。
「作文を書けない子が3時間で変わった」という声もあるそう。小学校1~6年の全学年向けです。
「穴うめ式でらくらく書ける読書感想文」
本を読んで「感じたことは?」「その理由は?」など、質問に答えてつなげていくと、自然と読書感想文ができあがるという本です。見本の参考例文も付いています。
「読書感想文がスラスラ書ける本(小学5・6年)」
本選びや読み方のコツなど、読書感想文の書き方から、おすすめの本42冊や、お手本になる感想文の例が20作品分、紹介されています。
小学校5・6年生用のほか、3・4年生用、1・2年生用もあります。
読書感想文には十分な時間をとろう
読書感想文は、本を選んで読み、感想文を書くという、2つのプロセスが必要になります。本を何度か読み直すこともありますし、最初の本選びに時間がかかるかもしれません。
あせらず、じっくりと時間をとって、子どもが自分で本の感想を文章にできるように、ママパパがさりげなくサポートしてあげてください。
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文・構成/HugKum編集部