読書感想文で大切なのは本選び! 書き方の手順や学年別の構成ポイントを解説

新型コロナウイルス感染症の影響が残りながらも、全国で学校が再開されました。夏休みがどのような形になるか分かりませんが、読書感想文の時期もやってくるはずです。そこで今回は、読書感想文のコツをまとめてみました。お子さんの読書感想文を、上手に導いてあげてくださいね。

読書感想文は「本選び」が8割

読書感想文のコツと言われれば、何を思い浮かべますか? まず大前提として押さえておきたいポイントは、本選びの大切さについて。

読書感想文と聞くと、多くの方が「書き方」のようなテクニックを考えてしまうかもしれません。もちろん、そうした技術的な問題も大事です。しかし、その前にじっくり検討したい問題が、実は本選びです。

衝撃!読書感想文は、本選びで8割決まる!【本好きキッズの本棚、見せて見せて!夏休みSpecial】
本が大好きな子なら、まだハードルは下がるけど、ふだんから本を読まない子に、どうやって本を読ませ、しかも感想文を書かせるのぉ~!!? ...

「本選び」が重要な理由とは

読書感想文において、技術論よりも本選びが大事な理由は、何なのでしょうか? 答えは簡単で、子どもが興味を覚えない本を読ませても、読書そのものが子どもにとって楽しくない経験になってしまうからですね。子どもが興味を覚えない理由は、

  • 子どもの読解力に合っていない
  • 子どもの興味関心と大きく外れている

といった原因が挙げられます。「この本について、書きたい!」と子どもが目を輝かせる本を選べるかどうか。この点こそが、読書感想文を上手に仕上げる、最初にして最大のポイントなのですね。

「本選び」では大人の物差しを捨てる!

では、どのように子どもの読解力に見合った本、子どもの興味関心に沿った本を選んであげればいいのでしょうか。その問題を考える際には、大人の勝手な物差しで決めないという考え方が大切になります。

普段の本選びでは、もちろん子どもの好みで選ばせている親御さんも多いはずです。
しかし、親子で読書感想文用の本を選ぶとなると、つい親も構えてしまい、「これはまだ難しいでしょう」だとか、「あなたには早いんじゃない」だとか、「これは、読書感想文には向いていない」などと、余計な口出しをしてしまいがち。
場合によっては「○○年生用」だとか、信ぴょう性の高そうな情報を見て、「これがいい」などと助言してしまいますよね。

しかし、それは単なる親の思い込みかもしれません。「○○年生用」といった基準も、あくまでも目安にすぎません。
極論を言えば、「なんか表紙がかわいい」といったレベルで子どもが選んできた本でも、子どもが選んだのであれば、その選択を尊重してあげたいですね。

何よりも大切にしたいポイントは、子どもが自分で興味関心を示すかどうか。読書感想文の本を選ぶために図書館や本屋に行ったら、まずは子どもが好きなジャンルの本を置いたコーナーへ、連れ出してあげてください。
先入観を捨て、子どもの興味に合わせて本売り場に行き、子どもの目が輝いた本をそのまま選ばせた方が、子どもにとってためになる読書感想文になるのですね。

「読書感想文」が書きやすくなる!小学一年生の本選びポイント3つ
1年生の読書感想文の、親子での取り組み方を、東京都北区立堀船小学校の主任教諭・大野久仁子先生にうかがいました。 HugKumサイト...

読書感想文の書き方の手順とは

ここまでの段階で、読書感想文は本選びで8割決まると紹介しました。さらに本選びにおいては、

  • 読書感想文=学年に見合った物語という大人の先入観を捨てる
  • ジャンルは何でもいいから、子どもの興味が最も向かう本を選ぶ

といいのでした。では、読書感想文の出来・不出来を決める残りの2割、書き方の問題については、どう考えればいいのでしょうか。

読書感想文を書くために3日分の時間を用意する

HugKumがこれまで取材してきた読書感想文の書き方についての記事を振り返ってみると、時間の確保の大事さが強調されているケースが少なくありません。やはり、読書感想文は時間がかかるからですね。

単純に考えて、本を読む時間も必要ですし、読んだ内容をまとめて、書く時間も必要です。
低学年の読書感想文であっても、読む作業に1日、内容のまとめに1日、書く作業に1日など、最低でも3日はかかります。高学年で分厚い本を選んだとなれば、さらに日数は必要です。

夏休みにはいろいろな宿題が出されるので、読書感想文は後回しになってしまいがちです。最悪、夏休みの最終日に取り掛かる親子も居るかもしれません。しかし、1日で何とかなると思ったら大間違い。学年に合わせた形で、余裕を持ったスケジュール管理を行いたいところです。

親は子どもより先に本を読んでおく

子どもの読書感想文を助けたいと思えば、親自身が扱う本を最初に読む必要があります。事前に読んでおかなければ、子どもを上手に導いてあげられないからですね。

特に低学年の場合は、最初の読書を親子で一緒に行います。その作業の前に親としては本を読んでおき、子どもの反応を拾える状態にしておきたいです。

小学生読書感想文コンクール入賞作品を読んでみる

子どもに優れた読書感想文を書かせたいと思ったら、「優れている基準」を親が知らなければいけません。優れている基準を知りたければ、優れていると評価される小学生読書感想文コンクールの入賞作品をチェックする必要があります。

当然、その手の入賞品には、読書感想文をうまく書くヒントがたくさん隠されています。まねするかどうかは別として、どのような読書感想文が「上手」と評価されるのか、事前に理解した上で、根拠のあるリードをしてあげたいですね。

小学生の読書感想文がみるみる上手くなる!書き方のコツや課題図書などをレクチャー
小学生にとって、読書感想文は夏休みや宿題の大きな課題です。苦手な子供は、原稿用紙を前に固まってしまうこともあることでしょう。そこで今回は、読...

書き始めるまでの流れ

ステップ1:1回目は親が音読、2回目は子ども本人が黙読、3回目は一緒に読んで付せんを張る

本を読む段階になったら、読み進め方にもポイントがあります。特に子どもが低学年の場合は、最初に親が子どもに読み聞かせます。

2回目は子ども本人に読ませて、3回目はまた一緒に読みます。3回目の読みでは、子どもが何かを感じた部分に、付せんを張り付けます。付せんには子どもが感じた気持ちを、メモしておくと後で便利です。

ステップ2:付せんを張った場所を親子で振り返り、感想を少し長いメモ書きに膨らませる

次は張り付けた付せんを基に、親子でディスカッションしましょう。親が子どもに「インタビュー」をして、付せんにメモされた気持ちを掘り下げればいいのですね。「インタビュー」で出てきた気持ちを、今度は大きなサイズの付せんにあらためて親が書き記します。

ステップ3:構成を考えて、メモ書きを並べ替える

何枚かのメモが出来たら、今度はそれらを並べ替えます。並べ替える基準については後で詳しく紹介しますが、基本的には学年別で読書感想文に求められる内容を漏れなく盛り込めるように工夫したいです。

ベテラン先生がナビ!【絵日記&読書感想文の進め方】夏休みの宿題を楽しく♪
夏休みの宿題の定番!絵日記・読書感想文はどう仕上げる? 夏休みの宿題でよく出されるのが読書感想文や絵日記。何をどのように書かせたらよいので...

原稿用紙の書き方をおさらいしてみる

メモの並べ替えによって大まかな構成が決まったら、書き始める前に一度、原稿用紙の正しい書き方を復習しておきましょう。特に注意すべき点は、

<題名は2〜3字空けてから>

<段落の最初は1文字空けて>

<句読点やかっこは、行頭につけない>

(全て「小学生の読書感想文がみるみる上手くなる!書き方のコツや課題図書などをレクチャー」より引用)

です。親としても久々の作文で、細かなルールは忘れているはず。親の学び直しの意味も含めて、子どもと再確認したいですね。

書き出しの一文はインパクトある内容に

構成を考え、原稿用紙の書き方をおさらいしたら、書き出しの一文を工夫します。川端康成や村上春樹など文豪のような書き出しが出来なくても、

<問いかけや会話文、印象に残った登場人物のセリフなどからはじめる>

<ダイレクトに自分の読後感を1行で表す>

「小学生の読書感想文がみるみる上手くなる!書き方のコツや課題図書などをレクチャー」より引用)

<本を読んで、いちばん印象に残ったことから書き出す。他に、本を選んだ理由や読む前と読んだ後の印象の違いから入るのもOK>

「ベテラン先生がナビ!【絵日記&読書感想文の進め方】夏休みの宿題を楽しく♪」より引用)

といったテクニックが、これまでのHugKumの取材でも明らかになっています。この書き出し
については、上で紹介した「小学生読書感想文コンクール入賞作品を読んでみる」の経験も生きてきます。書き出しに困ったら、過去の入賞作品を参考にしながら、いいアイデアを考えたいですね。

学年別に何を書けばいいのか。構成のポイント

上では構成を考える場面で、大きめの付せんを並べ替える作業を紹介しました。その並べ替えの作業(構成を考える)場面では、「この学年ならこの程度の内容は入っていないと駄目だよね」といったポイントが、ある程度は決まっています。その内容を漏れなく盛り込めるように工夫してください。

1年生・2年生が読書感想文に盛り込みたい内容

1年生、2年生(低学年)の読書感想文に入れたいポイントとしては、以下の点が挙げられています。

・この本を選んだ理由
・本を読んでどんなところがおもしろかったか
・自分が主人公だったらどうするか
・自分の考え

この4つの要素を「始め」「中」「終わり」のまとまりに整理し、漏れなく書き進めていきましょう。

3年生・4年生が読書感想文に盛り込みたい内容

中学年(3、4年生)の場合は、以下のポイントを意識してください。

・この本を読む前の印象(タイトルからどう思ったかなど)
・読み終わって感じたこと、思ったこと
・いいと思ったところ(感動したところ)
・嫌い、悪いと思ったところ

これら4つのポイントを漏れなく盛り込みつつ、全体を「始め」「中」「終わり」のまとまりで並べて、スムーズに文章が流れるように調整してください。

5年生・6年生が読書感想文に盛り込みたい内容

高学年(5、6年生)の場合は、以下の点を盛り込む必要があります。

・疑問の提示
・本を読んでどう感じたか
・本の内容とリンクする自分の体験やエピソード
・自分の考え

これら4つの内容を、低学年、中学年のように「始め」「中」「終わり」でまとめてもいいですし、高学年の場合は「起承転結」の構成でまとめてもいいです。

さらにこの学年になると、読んだ本を褒めるばかりではなく、逆に面白くないと感想にしてもOKです。

第66回青少年読書感想文全国コンクール(2020年)の課題図書

読書感想文では、子どもの好きな本を選んだ方がいいと冒頭で紹介しました。しかし、選択肢が多すぎて、子どもが決められない場合もあるはずです。

どうしても決まらない場合は、青少年読書感想文全国コンクールで出される課題図書を、読書感想文の題材に選んでもいいかもしれません。

例えば第66回青少年読書感想文全国コンクール(2020年)の課題図書を、幾つかピックアップしてみます。

小学校低学年の部

作・最上一平、絵・有田奈央『山のちょうじょうの木のてっぺん』(新日本出版社)

本体価格:1,300円

小学校中学年の部

作・松井ラフ、絵・大野八生『青いあいつがやってきた!?』(文研出版)

本体価格:1,300円

小学校高学年の部

著・指田和、写真・鈴木六郎『ヒロシマ 消えたかぞく』(ポプラ社)

本体価格:1,650円

読書感想文の書き方まとめ

最後にもう一度、読書感想文の書き方をあらためて整理してみましょう。まずは大事なポイントとして、

  • 本選びが8割

という考え方がありました。親の価値観で本選びに口出しをするのではなく、できるだけ子どもの興味がある本を選ばせてください。物語でなく絵本や科学ものでも構いません。極端な話、図鑑でもいいのですね。

書き方については、

  • 時間に余裕を持って始める
  • 親が事前に扱う本を読んでおく
  • 読書感想文コンクールの入賞作品を読んでおく

といった準備が必要でした。

実際に書く段階になったら、

  • 親が子どもに音読→子どもが自分で読む→親子で一緒に読みながら、子どもの心が動いた場所に付せんを張る
  • 付せんの内容を基に親が子どもにインタビューをして膨らませ、メモ書きにする
  • メモ書きを必要な内容に応じて並べ替える
  • 原稿の書き方を再度おさらい
  • 出だしの一文は、会話文や登場人物のせりふで始めたり、感想を端的にまとめたりする

といった点を重視します。

どうせやる読書感想文なのであれば、子どもの大きな学びになるように、親子で読書感想文に楽しんで取り組めたらいいですね。

 

文・坂本正敬、写真・繁延あづさ

カテゴリから探す

学年から探す

かかる日数から探す

編集部おすすめ

関連記事