1年生の読書感想文の、親子での取り組み方を、東京都北区立堀船小学校の主任教諭・大野久仁子先生にうかがいました。
HugKumサイトの前回の記事では、低学年のうちに親がサポートすることで、子どもが高学年になったとき、親に頼らずひとりで読書感想文を進められるようになることをお伝えしました。今回はさらに、「本選びのポイント」について紹介します。
本選びは、子どもに自由に選ばせるのがいちばん大事なことですが、迷ってしまう場合、次の3つのポイントを参考に一緒に選んであげるといいですよ。
小1の読書感想文は、絵本でもOK
1年生ですから、文字の少ない絵本でもOKです。絵本に描かれている絵を見て感じたことを書いてもいいでしょう。
内容が簡単すぎても、難しすぎても、本の内容に共感しにくくなります。
『小学一年生』編集部がおすすめする、『小学一年生』から生まれた絵本シリーズ「ぴっかぴかえほん」は、絵本から本へと進む時期の小学1年生にぴったりの内容です。
読みやすい文章に、イメージがふくらむ絵がそろっています。数あるラインナップから、気になる作品を探してみてはいかがでしょうか?
たとえば、こんな絵本があります。
『そりゃあもう いいひだったよ』
作/荒井良二(小学館)
あらすじ:ぬいぐるみのクマが本物のクマから手紙をもらって、会いに出かけていきます。旅の途中には、たくさんのワクワクが待っていて…。
『たこやきのたこさぶろう』
作/長谷川義史(小学館)
あらすじ:舞台はとあるたこやき屋。突然旅に出ようとする、たこやきのたこさぶろうを、たこやき家族がひきとめますが、たこさぶろうには、旅に出なければならない事情があったのです…。
推薦図書を参考にしてみましょう
本選びに迷ったら、おすすめされている課題図書や推薦図書から選ぶのも手です。
今年度の「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書は、低学年向けで4冊あります。また、各自治体ごとに推薦されている図書もあります。夏休みには書店の店頭に並んでいるので、実物を見て、お子さんが気になるものを選ぶといいでしょう。
また、学年別のおすすめ本リストは、地域の図書館が発行するものや、学校で配布されるものもあるので活用してみてください。
子どもの好みを重視しましょう
書店や図書館で、子どもの好きなジャンルの本が並んでいるところへ子どもを誘導してみましょう。ただし、子どもがどんな本を選んでも、否定しないようにすることが大切です。
子どもが自分で選んだ本だからこそ、「読んでみよう」「書いてみよう」という意欲も高まります。また、その本を選んだきっかけについても、書きたいことがたくさん出てくるはずですよ。
1年生向けの本には平易なものが多く、短時間で読めるので、おうちの方が一緒に関わることもそう難しくありません。
読書感想文への苦手意識がまだ強くない低学年のうちに、おうちの方がサポートしてあげることで、お子さんが「読書感想文って楽しい!」と思えるといいですね。
このほか、本の読み進め方、読書感想文の書き方の具体例については、『小学一年生』2017年9月号の保護者向け別冊付録HugKumの特集『「小1」読書感想文のすすめかた』内で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
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監修/大野久仁子(東京都北区立堀船小学校主任教諭)イラスト/畠山きょう子