【小学生の読書感想文】みるみる上手くなる書き方のコツや課題図書をレクチャー

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小学生にとって、読書感想文は夏休みや宿題の大きな課題です。苦手な子どもは、原稿用紙を前に固まってしまうこともあることでしょう。そこで今回は、読書感想文の書き方のコツをお伝えします。昨今横行しているコピペ問題にも言及しながら、読書感想文が書きたくなるような課題図書もご紹介します。読書感想文を書くのが苦手な小学生の子どもでも、ちょっとしたコツでぐんと作文がうまくなるのですよ。

読書感想文の書き方

読書感想文を書くのが苦手なお子さんでも、ちょっとしたコツでぐんとうまくなります。まずはこちらでは、原稿用紙の使い方や、書き出しのポイントなどをお伝えします。

原稿用紙の使い方

一般的な原稿用紙は縦20文字、横20行の400字詰です。その原稿用紙に文章を書くときのルールを解説します。

読書感想文1
読書感想文の書き方のポイントを紹介

・題名は2〜3字空けてから

題名は、原稿用紙の1行目に書きます。このとき、2〜3字空けてから書き始めるのがルールです。2行目には、自分の名前を書きましょう。名前は、苗字と名前の間を1ます空け、名前の下も1ます空けるようにします。

・段落の最初は1文字空けて

段落の最初は必ず1ます空けてから書きはじめます。段落をかえたときも、必ず1ます空けてから文章を書くようにしてください。

・句読点やかっこは、行頭につけない

句読点は、1字として1ます使います。句読点やかっこが行の最初にくるときは、そこには書きません。前の行の最後の文字といっしょに書きます(欄外に書いても問題ありません)。

書き出しはインパクトのある1文を

読書感想文の書き出しは、インパクトをもたせるようにすると、読む人が文章に引き込まれます。たとえば、問いかけや会話文、印象に残った登場人物のセリフなどからはじめるとよいでしょう。

また、ダイレクトに自分の読後感を1行で表すのもおすすめです。こうすることで、今から書くことのテーマを提示することになり、スムーズに書き進められます。

小学生読書感想文コンクール入賞作品の例文を読んでみよう

小学生の読書感想文コンクールの入賞作品を読んでみてください。入賞作品には、読書感想文をうまく書くコツがたくさん見受けられます。

青少年読書感想文全国コンクールは、益社団法人 全国学校図書館協議会と毎日新聞社が主催する読書感想文のコンクールです。対象図書には、主催者の指定した課題図書と、自由に選んだ図書があり、どちらでも応募可能です。ホームページには、過去の上位入賞者の作品が掲載されています。書き方を参考にして書いてみると、必ずや上達すること請け合いです。

読書感想文の書き方のコツ

読書感想文を楽しく書くには、読書感想文の構成の仕方や本を選ぶのも重要なポイントです。書き方のコツを抑えれば、スムーズに書くことができます。

読書感想文2
読書感想文に最適な本選びも大切

読書感想文の構成の仕方

読書感想文は、起承転結とも呼ばれる「四段落構成」を意識すると、いちだんと書きやすくなり、まとまりのある感想文に仕上がります。

そのためにも、感想文の骨組みとなる構成を決めて、全体を整理する必要があります。まずは、実際に感想文を原稿用紙に書き始める前に、以下の①~④の「四段落構成」の一例を参考にして、それぞれあてはまる部分を箇条書きで書き出してみましょう。

①本を選んだ背景・理由

読書感想文の書きはじめには、本を選んだ背景や経緯について書くといいでしょう。本を選んだ理由を考えてみて、なぜ自分がこの本に興味を持ったのか振り返ってみましょう。「犬を飼っているので、介助犬の本を読んでみることにした」などと自分の身の回りや生活と関連付けて考えてみるのもいいでしょう。「タイトルをみて〇〇に疑問を感じた」、「〇〇に興味があった」などさまざまな理由が見つかるはず。まずは、本を読む前に自分が感じていたことを書き出してみましょう。

②本の簡潔な内容・印象に残った部分

次に、本のあらすじをまとめ、印象に残った主人公の言動や物語のシーンについて書いてみましょう。例えば、「この本は、主人公である〇〇が、~をするために、△△をした話です。」といったふうに書きはじめ、印象に残っている場面をいくつかストーリー順に挙げてみるのもいいでしょう。あくまでも読書感想文なので、あらすじの部分がダラダラと長くならないように簡潔にまとめて書くのがポイントです。

③自分の感想

②で紹介した本の内容・印象に残ったシーンに基づいて自分が感じたことを書き出します。自分が主人公だったらどうしていたのか、主人公の気持ちになって考えてみるのもいいでしょう。「〇〇は△△をしたけれど、□□だったら~をしていた。なぜなら~だから」などと共感したこと、一方で共感できなかったことを、自分の意見や感想を添えて書いてみましょう。自分の体験談を交えて比較してみると、より説得力のある文章にもなるでしょう。

④まとめ

最後に、本を読み終えてどのように思ったのか自分の考えの「まとめ」を書きます。①の部分で書いた「この本を選んだ理由」と「本を読み終えた感想」を比べてみて、どのように自分の気持ちが変化したか考えてみましょう。「〇〇が△△とわかったので、これからは~するようにしたい」などと、本を読み終えて学んだこと、それを今後どのように活かしていきたいのか自分の表現でまとめて締めくくりましょう。

読書感想文が書きやすい本を選ぶ

読書感想文が書きやすい本があります。それは、

・悲しみや苦しみを乗り越えるストーリーのもの
・子どもの成長を描いた物語
・ワクワクするような話
・自分が興味のあるトピック
・主人公が同世代
・リアルスーリー/ドキュメンタリー

などです。こういった本は、主人公や登場人物を自分に置き換えることで、感想が書きやすくなります。

本を選ぶときは、できるだけお子さんに選ばせてください。そして、子どもがどんな本を選んでも、否定しないようにしましょう。自分自身で選んだ本だからこそ、「読んでみよう」「書いてみよう」という意欲も高まります。また、その本を選んだきっかけについても書くことができますね。

もし、どうしても本が選べないようなら、おすすめされている課題図書や推薦図書から選ぶのも手です。

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低学年は絵本でもOK

低学年であれば、児童書でなく、絵本で読書感想文を書いてもOKです。青少年読書感想文全国コンクールの課題図書にも、絵本が含まれています。お子さんの無理のない範囲の本を選ぶといいでしょう。

書くときには、

・この本を選んだ理由
・本を読んでどんなところがおもしろかったか
・自分が主人公だったらどうするか
・自分の考え

などを書くとよいでしょう。また、低学年にとって書きやすいのは、手紙形式です。主人公に向けた手紙風に書くのもおすすめです。

中学年は主人公になりきって

中学年になると、100ページ程度のしっかりとした児童書を読んで感想文を書くことになります。書くときは、

・この本を読む前の印象(タイトルからどう思ったかなど)
・読み終わって感じたこと、思ったこと
・いいと思ったところ(感動したところ)
・嫌い、悪いと思ったところ

などをうまく構成して書くとよいでしょう。

中学年なら、なりきりで書くのもいいですね。自分が主人公だったら、というつもりで書くと、意外にもすらすら書けますよ。

高学年は自分の考えをしっかり出す

高学年なら、少し重たいテーマの作品を読んで読書感想文を書くことをおすすめします。重たいテーマとは、例えば、戦争、死、別れ、差別などです。そういったものは、身近なエピソードを交えて書きやすくなります。

書き方は、

・疑問の提示
・本を読んでどう感じたか
・本の内容とリンクする自分の体験やエピソード
・自分の考え

の起承転結で書いてみてください。

また、いいところばかり書こうとしなくてもよいことを知ってください。この本のつまらなかったところを書いてもいいのです。意外と、つまらなかったことならいくらでも書けたりするものです。

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読書感想文のコピペの使用はNG

読書感想文のコピペ(コピーアンドペースト)サイトはたくさんあります。しかも、学校提出に限り著作権フリーというサイトも。しかしながら、読書感想文のコピペはやってはいけないことです。

コピペは先生にバレる

コピペの読書感想文は、先生に絶対バレます。それは、学年に対応したもの以外の文章(言葉の選び方)や漢字が使われていることが多いからです。また、先生は児童一人ひとりの個性を知っています。ですので、コピペの感想文を読むと、違和感を感じるのです。

また、同じコピペサイトから引っ張ってきたものを自分以外の児童も提出する可能性があります。まったく同じ感想文であれば、当然「おかしい」と先生は気づきます。

コンクールに応募されることもあるので、コピペはNG

学校側が気づかず、コピペいて提出した読書感想文がコンクールに応募されることもあるかもしれません。コピペサイトは、学校提出用に限り著作権フリーのことが多く、コンクール応募には使えません。コンクールに応募されたとすると盗作となってしまうので、コピペは控えるべきなのです。

読書感想文の課題図書、おすすめの本

ここでは、2024年、第70回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書の中からおすすめの本を、学年別に3冊ご紹介します。

低学年の課題図書「アザラシのアニュー(童心社)」

さむい冬のある日。地球の北のほうにある海の氷の上で、タテゴトアザラシのあかちゃんがうまれました。おかあさんはあかちゃんに、アニューとなまえをつけました。アニューは、おかあさんのおちちをのんですくすくそだちます。ある日、おかあさんがうみにでかけると……。アラスカに滞在して制作をする絵本作家・あずみ虫が描く、野生動物たちの物語。小さな子どもから楽しめるストーリーで、動物への興味の入り口となる絵本です。

中学年の課題図書「いつかの約束1945(岩崎書店)

「あたしは、関根すず。9さい!」ゆきなとみくは、自分は9歳だと言うおばあさんに出会い、共に一日町を歩き回ることに。後日、二人は意外な場所で彼女と再会します。残されたメッセージに込められた思いとは?いっしょに町を歩きまわり、語り合った、忘れられない夏の一日の記憶です。

高学年の課題図書「ぼくはうそをついた(ポプラ社)」

広島に住む小学校5年生のリョウタ。同居する祖父から、原爆で亡くなった祖父の兄ミノルの話を聞きます。平和学習で資料館に行き、戦争は怖い、二度と繰り返してはいけないと思っていた一方、どこか遠い昔の出来事のようにも感じていました。しかし、祖父の話から興味を持ったリョウタは、亡き大おじミノルの足跡をたどろうと思います。平和のために、今、私たちは何ができるのだろう――すべての人が幸せに生きられる世界へ、祈りをこめた物語です。

読書感想文は時間に余裕をもって取り組もう

読書感想文は、本を読む、感想文を書く、という2つの作業が必要となってきます。意外と時間がかかるので、完了までに3日以上はみておいたほうがよいでしょう。時間に余裕をもって取り組むといいですね。

そして、ご紹介したポイントを加味しながら、読書感想文を書かせてあげてみてください。もし、どうしても書けない場合は、親が子供に「この本を読んでどう思った?」などと聞いてあげてください。文字で書くことが苦手でも、話すなら楽しくできるはず。それの文章化をサポートしてあげるのも、読書感想文を書くひとつの手段になります。

参考サイト:第70回青少年読書感想文全国コンクール 課題図書-公益社団法人 全国学校図書館協議会

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文・構成/HugKum編集部

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