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トイレを怖がる小2の娘。外出先でなかなかトイレに入れません
年中の時にASD(自閉症スペクトラム症)と診断された小学校2年生の娘です。いまだにトイレを怖がり、特に外出先ではなかなかトイレに入れません。扉を開けてするか、私が一緒に個室に入らなくてはできません。学校でも我慢してしまうようで1年生の時にもらしてしまったことがあります。最近学校では何とか入れるようになりましたが、外出先などではまだ怖がります。どのように対応すればいいでしょうか。
娘は、衝動性が強く、じゃんけんやゲームの勝ち負けにもこだわりがあります。待つことも難しく、人の会話にも割り込み、相手が自分に注目しないと癇癪を起し、物に当たることもしばしばです。
トイレに持ち込める、娘さんの好きな物を用意してみて。ダメなら、安心できる場所を少しずつ増やしていく方法を
そして、触った物から皮膚感覚や視覚などを使って外の世界の情報を神経伝達で脳へ情報を送ります。この子は、その神経伝達の過程が整っておらず、身体の重心も獲得できていません。
トイレに入れない原因を探ってみましょう。音?そこにあるもの?臭い?
お子さんがトイレを怖がるのには様々な原因があります。説明して理解できるのであれば説明すれば良いですが、発達障害のお子さんの場合説明しても我慢できない場合が多いです。
自宅のトイレの工夫から始めてみて
ご自宅の場合なら様々な工夫ができるでしょう。お子さんの好きな物を用意してみてください。
お風呂用のテレビや映像の流れるデバイスなどを、トイレに置ける場所を作ってみるのはどうでしょうか?
また、トイレに入れたらシールなどお楽しみ(メリット)を用意してあげてください。
家でトイレを済ませてから出かけるなどの配慮を。あとは、娘さんの発達を待つ気持ちで
「どこのトイレでもできるようになって欲しい」という希望は、まだお子さんの発達具合から考えると難しいでしょう。
例えば、ある場所のトイレではできるようになった。でも、そのトイレが大丈夫だからと言ってすべてのトイレが大丈夫という訳にはいきません。それは「その場所のトイレは大丈夫だ」と安心できる様になったという事です。その「安心できる」場所を増やしていく他方法はありません。
そういう場合はお家でトイレを済ませてから出かけるなどの配慮が必要になります。お出かけ前のスケジュールを親子で一緒に作りましょう。その1連の流れの中にトイレに行くという項目を入れ、ルーティーンにするのも一つです。
一つ一つ外での大丈夫なトイレを増やして行きながら、その子の感情の分化が進み、理解できるようになるまで成長を待つ他方法はありません。
本人が成長し何かのきっかけで、トイレは排せつしたらレバーを引いて(おして)水を流すから大きな音が出る、公共のトイレなら色んな人が使う物なんだなど、トイレの概念をパターン化で理解できるようになり、大丈夫になる日がくる事はあるかもしれません。
その子の成長をいじる事はできません。大人がその子の発達を「待つ」しかない事もあります。
1年経って、保護者の付き添いがあればトイレに行けるように
教えていただいたのは
発達障害のお子さんの運動指導の担当をきっかけに、彼らの身体使いの不器用さを目の当たりにし、何か手助けができないかと、感覚統合やコーディネーショントレーニングを学ぶ。その後、親の会から姿勢矯正指導を依頼され、定期的にクラスを開催。周囲の助けを受け、放課後等デイサービス施設「ルーチェ」を愛知県名古屋市に立ち上げ現在に至る。著書に『発達障害の女の子のお母さんが、早めにしっておきたい47のルール』(健康ジャーナル社)『発達障害の女の子の「自立」のために親としてできること』(PHP研究所)がある。
イラスト/本田 亮