幼稚園で友だちがいない娘たち。私もママ友だちの輪に入れなくて…【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴半世紀あまり。常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

姉妹ともに「ひとり遊び」が好きで、幼稚園で友だちがいません。私もママ友だちの輪に入れずに不安です

 

年少と年長の姉妹を、同じ幼稚園に通わせています。2人とも友だちとあまり遊ばないタイプで、いつも1人で遊んでいます。もともと人見知りですが、上の子が年少のころは数人友だちがいました。しかし最近は、その子たちとも遊ばなくなりました。ひとり遊びに没頭できるのはいいことだと思う反面、みんなは友だちと仲良く遊んでいるのを見ると不安になってしまいます。また私自身も、ママ友だちの輪に入れません。お母さんたちの交流を見ていると「このままでいいのかな…」と焦ってしまいます。(3歳の女の子&5歳の女の子のママ)

お母さんは、まず近づけそうな人を一人見つけては。子どもが悩んでいないのなら、お母さんが悩む必要なしです

あなた自身がママ友の輪に入れなくて、寂しいですか? 入りたいような、でも、ちょっと怖いようなでしょう?
お子さんも同じかもしれませんね。ママ友は、まず、一人近づけそうな人をみつけましょう。大人数より、話が通じる人がひとりいれば充分な気がします。

“ひとり遊びをしていると、どこか不安。友だちがいると、なぜか安心”――多くのお母さんが抱く、子ども像だと思います。でも子どもは1人で遊んでいても、実はまわりの子からたくさん刺激を受けています。

幼稚園に行っているのですから、ひとりぽっちで孤立状態とは考えられません。娘さんたちがひとりを好きだとすると、自分のやりたいことを邪魔されないで楽しみたい。もしくは、友だちと遊ぶ煩わしさを感じたりするのかもしれません。ね、あなたと同じでしょう?

今は、1人の時間を楽しんでいる時期なので見守って

4、5歳児の子どもたちが“一人であそびたいとき”もあるし、“ひとりで寂しいときもある“と言います。「そのどっちかは、どうすればわかるの?」と聞きましたら、「かおみればわかるじゃん!」と言われてしまいました。お子さんの表情を観察してみてください。子どもが悩んでいないなら、お母さんが悩むことはありませんよ。

みんなと違っていいと思えるのは、小さいときに培った心の強さにあるはず

私も、1人が好きな子でした。家ではきょうだいと元気にあそんでいましたが。学校に行くと黙って座っているだけ。小学校6年間で授業中、自分から手を上げたのは3回くらいしかなく、いるかいないかわからないような子でした。
今の私になったのは、高校生からです。高校生のとき、ちゃんと親友ができました。みんなと違ってもいいと思えたり、ひとりが怖くないのは、小さいときに培った心の強さがあるからだと思います。今の子たちは、常に誰かと繋がっていないと不安になりがちですが、本当はこうした心の強さを持つことが必要だと思います。

 

教えてくれたのは

柴田愛子|保育者・自主幼稚園りんごの木代表

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて36年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。


イラスト/海谷泰水

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