【体験談レポ】子どもの運動・スポーツに悩んでいる親は84%!やる気やお金問題、どうしたらいいの?

お子さんは運動・スポーツを楽しんでいらっしゃいますか? HugKumでアンケートを実施したところ、「子どもの運動・スポーツに関する悩み」が数多く寄せられました。その声を紹介し、「子どもは運動が大好き」というママさん4名に体験談を伺いました。お悩み解決へのヒントになればと思います!

子どもの運動・スポーツに関して84%が悩んでいる

940人のママ・パパに「お子さんの運動・スポーツに関する悩み」を聞いたところ、84%もの方が「お悩みがある」と教えてくれました。

1位は「我が子が何のスポーツに向いているかわからない」(全家庭の35%)

2位は「月謝や、スポーツ用品の金額がかさむ」(同21%)

3位は「親がどこまで指導したらいいかわからない」(同15%)でした。

お悩み内容

1位の「我が子が何のスポーツに向いているかわからない」はアンケートに答えてくれた全家庭の35%を占めていました。特に子どもが小さいうちは、何かスポーツを始めたほうが良い気はするものの、何をやらせたら良いのかが分からないというお悩みが目立ちました。

お子さんにどんなスポーツを習わせるかは、だれもが一度は考えたことがあるのでは? 向き・不向きを判断するには、やはり一度体験させてみるのが一番。子どもが興味を示して長く続けられる種目なら、その後の上達も見込めます。

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2位の「月謝や、スポーツ用品の金額がかさむ」は、すでにスポーツの習い事をしている家庭からの意見。きょうだいの人数によっても変わってきそうです。

3位は「親がどこまで指導したらいいかわからない」。子どもに苦手な運動があるものの、どのように教えたら良いのかが分からないという声が目立ちました。

走るときの腕振りが気になります。どのように教えたら良いのかわからないので、悩んでいます。(2016年生まれ・女の子、2018年生まれ・男の子のお母さん)
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「かけっこが苦手」と感じている親が多い

続いて、940人のママ・パパに「お子さんの運動や身体能力、スポーツ技能に関することで、気になっていることはありますか?」とたずねました。その結果、47%の方が、何かしら気になる点があるとの回答。 

中でも一番多いお悩みが、「苦手な運動・スポーツがある」こと。苦手な運動の内訳は、過半数が「走ること」で、その後に「球技」「鉄棒」と続きました。

走り方がバタバタしていて 走るのが遅い気がする。(2007年生まれ以前・女の子、2013年生まれ・男の子のお母さん)

かけっこは、さまざまなスポーツや遊びの中で必要になる動作だからこそ、気になるママ・パパが多いのだと思われます。

一方で走るのは得意だけれど他の種目が苦手、と答えた方も。さまざまな苦手種目が寄せられ、お子さん一人ひとりによって得意・不得意は違うのだと実感しました。

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そもそも子ども自身にやる気が感じられない!

お子さんの運動や身体能力、スポーツ技能に関することで、気になっていることはありますか?」という質問への答えで、次に多かったのが「意欲がない」というもの。

「練習があるから何となく言われて行っているが、本人のやる気がもう少しあると上達するのではと思う」(2012年生まれ・男の子、2014年生まれ・男の子のお母さん)

目標を持ち、続けることで達成感を得られ、やる気につながることも多いものです。しかし、そもそも続けられない・始められないという声も数多く寄せられました。

長引くコロナ禍で運動不足も懸念

また、長引くコロナ禍の影響で、子どもたちから運動の機会が奪われているとの声もありました。発育に影響があるのではないかという長期的な心配から、実際に肥満気味になってしまったという目下のお悩みまで。

子どもたちのために、今まで以上に積極的に体を動かす機会を作ってあげたいですね。

【体験談1】「我が子が何のスポーツに向いているかわからない」にアドバイス

ここからは、「子どもは運動が大好き」というママさん4人の体験談をご紹介します。

まずは、お悩み1位の「我が子が何のスポーツに向いているかわからない」。

子どもの「やりたい」を応援し、少し珍しいスポーツを習わせたというお母さんに、お話を伺いました。お子さんは自分でやりたい種目を選び、目標を持って続けているのだそう!

お話を伺った方は

小学5年生 男の子のママ タグラグビー・合気道を習う

タグラグビー

――タグラグビーと合気道、いずれも少し珍しい種目ですが、習い始めたきっかけを教えてください。

タグラグビーは小学1年生から、合気道は今年の夏から習い始めました。幼稚園までは遊ぶことに夢中で習い事をしていなかった息子が、「何か球技を習いたい」と言い出したのがきっかけです。他の子たちが楽しそうに習い事の話をするのを聞いて「自分もやってみたい。どうせなら人とは違う種目を」と思ったようです。偶然、小学校の校庭でタグラグビーの課外クラブが練習しており、面白そうだからやってみよう、となりました。コーチの中に海外出身の元プロラガーマンがいて、その体格の良さや本物のアスリートの格好良さにもひかれていました。

――お子さん自身がやってみたいとおっしゃったのですね。本物のアスリートを目にするなど、憧れは大きなモチベーションになりそうです。

実際にタグラグビーを始める前に、プロラグビーチームの体験会にも行きました。競技場でプロラガーマンたちに教えてもらうという経験は、息子にとって大きなモチベーションになったようです。体験会に参加していた他の子どもたちを見て、「続けると自分もこんなに上手になれるんだ」と思えたのも良い経験になり、息子の中に身近な目標、目指せる目標もできました。

――合気道はどうして始められたのでしょうか?

幼稚園時代のママ友が合気道の体験に行くというので、息子も一緒に連れて行きました。ケガをしやすい息子のために、親である私のほうが習わせたいな、と思ったんです。息子は体験教室で道場の先生が袴を着ている姿を見て、「大好きなアニメキャラクターと同じ格好だ! 自分も強くなりたい、袴が着られる(級位・段位が上がる)までは合気道を続けてみたい」と言い、習い始めてくれました。

――お子さんのやる気を上手に引き出していらっしゃるのですね!

子どもの興味はどこから湧いてくるか分かりません。うちの子の場合も、必ずしもアスリートやスポーツそのものに興味があったわけではありません。子どもにスポーツへの関心を持たせるには、普段から子どもの関心事を聞くなどし、どんな物事が好きなのかを知っておくのが大切ではないかと思います。その関心事に結びつける形で目標を持たせ、導いてあげると良いのではないでしょうか。

子どもの好きや興味にも、習い事の体験にもアンテナを張って、子どもの「やりたい」を上手に引き出し応援してあげられたら素敵ですね。

【体験談2】「月謝やスポーツ用品の金額がかさむ」にアドバイス

お悩み2位の「月謝や、スポーツ用品の金額がかさむ」。

きょうだい合わせて7つものスポーツ系習い事(スポーツ系以外の習い事も!)に通わせているお母さんに、お金にまつわるお話を伺いました。上手な節約方法はきっと参考になるはず。

お話を伺った方は二人の男の子をもつママ

小学1年生 男の子 サッカー・水泳・タグラグビー・剣道・野球(過去には体操も)を習う
年少 男の子 体操・サッカー・空手・野球・タグラグビーを習う

節約法

――現在、ご兄弟合わせて7つのスポーツ系の習い事をされているとのこと。毎月のお月謝などは相当な金額になると思うのですが…?

兄弟ともに運動が大好きなので、いろいろな習い事をさせています。習い事を続けるためには、費用面も重要になってくるので、習い事の教室はしっかりと選んでいます。例えば、剣道は警察署の教室に通っていて、無料で教えてもらっています。タグラグビーはボランティアで教えていただいており、無料。次男が通うサッカーも地元のパパさんたちにボランティア価格で教えてもらっていますし、水泳・空手は自治体の施設を利用した(営利目的でない)教室に通っています。習い事の数の割に、費用はかなり抑えているほうだと思います。

――探せばいろいろと見つかるものなのですね! 教室の情報はどのように探されているのですか?

一番頼りになるのは、幼稚園のママ友から聞く地域の情報です。教室の雰囲気はどうなのか、体験教室はやっているのか、金額はどうなのか、という生の声を聞けるので助かります。金銭的にも負担が少ない良い教室があれば、体験に行くようにしています。

――家計の面で節約している部分はありますか?

食費やレジャー費は節約を心がけています。入園料があまりかからない場所に遊びに行くようにしたり、無料のイベントを探したり。インスタなどのSNSで「遊びに行きました」系の投稿を見かけて、いいなと思ったら、公式サイトで入園料などをチェックするようにしています。初めてコンタクトをとる方に「ここはどこですか?」とたずねることもあります。ネット検索にもある程度時間を割いており、「都内 アスレチック」や「イベント 無料」など、よく検索しています。習い事同様、ママ友に安く遊べる場所を教えてもらったりもしていますよ。

情報収集に時間をかけ、家計にメリハリを付けつつ習い事を掛け持ちしている様子を教えてもらいました。皆さんのお住まいの地域にも、思わぬお得情報が眠っているかもしれません。

【体験談3】「苦手な運動・スポーツがある」にアドバイス

多くのママ・パパを悩ませる「苦手な運動・スポーツがある」。

昔は運動全般が苦手だったけれど、現在は陸上部で活躍する高校生のお子さんを持つお母さんに、お子さんが運動好きになったきっかけを教えてもらいました。「得意を見つける」のがカギのようです。

お話を伺った方は

高校2年生 男の子のママ 陸上を習う

長距離走

――お子さんは高校でも熱心に部活動を続けられているとのこと。昔は運動が苦手だったとはとても思えません。

息子は小さいころから運動が苦手でした。太り気味だったことも運動嫌いを加速させていたように思います。かけっこはもちろん、他の競技も他の子のように上手にできないため、本人も引け目を感じていたようです。

――息子さんの苦手克服のきっかけは何だったのでしょうか。

小学校高学年になって、ひょんなことから地元のランニングクラブに通うようになり、中距離走を始めました。コーチにフォームなどの指導をしてもらいながら、中高生や大人に混じって定期的に走り続けるうちに体力がつき、中・長距離走ならクラスの中でも12位を争うほどになりました。

――他の種目に対する苦手意識も克服されたのですか?

努力をすれば結果がついてくる、と知り自信をつけた後は、体育の授業で他の種目にも積極的に取り組むようになりました。クラスメイトたちに負けないよう、家に帰ってからも暗くなるまで自主練をしていました。中学・高校では陸上部に所属し、中・距離走を続けています。今は何よりも陸上第一。自己ベストを更新する喜びがあるようです。

今回お話を伺った4人のママさんたち全員が「子どもは運動が大好きだけれど、苦手な運動もある」とおっしゃっていました。しかし共通していたのは、苦手な運動を克服することにこだわっていないということ。「だれにでも苦手はあるのだから、得意な運動を褒めて伸ばしてあげるようにしている」と話してくださいました。お子さんが好きになれそうな運動・スポーツがある場合、まずはそこから自信をつけさせていくのは良い方法かもしれません。

【体験談4】「意欲がない」にアドバイス

ママ・パパを悩ませる「意欲がない」問題。

もともとお子さん自信は興味がなかった習い事を、長く続けさせた経験を持つお母さんに、子どものやる気が出ないときの上手な誘い方や乗り越え方を教えてもらいました。運動以外のモチベーション作りも大切とのことです!

お話を伺った方は

中学2年生 女の子 水泳(過去には陸上も)

年少 男の子 水泳(過去には体操・陸上も)を習う

のママ

友達

――お子さんは2人とも運動が大好きだと伺いました。習い事も、ご本人たちから始めたいとおっしゃったのですか?

体操に関しては、2人とも自分から始めたいと言いました。水泳は、自分の命を守るために、親の私たちが習わせたかった習い事です。娘が小さいころから何度誘っても断られていましたが、お友達に誘われたことをきっかけに通い始めてくれました。娘は陸上も習っていたことがあるのですが、それは小学校のマラソン大会で1位を取るなどして、長距離走が好きになったから。校外のマラソン大会で陸上クラブの子たちがとても速く走るのを目にし、「自分も練習してもっと速くなりたい」と陸上クラブに入会しました。弟の水泳と陸上は、姉に影響され、本人が始めたものです。

――娘さんはその後、乗り気でなかった水泳を9年間も続けていらっしゃいますね。どのように始められ、そして続けられたのでしょうか?

4歳のころ、娘のお友達が水泳教室に通っていることを耳にし、その子のお母さんに、娘が水泳に行きたがらないことを相談してみました。お友達とお母さんとで娘を水泳教室に誘ってくれ、それをきっかけに娘が「行ってみる」と言い、始めました。娘が続けやすいよう、お友達と同じ日時のクラスを受講し、教室後にはお友達とお菓子の交換をしたりするなど、水泳以外の楽しみも作るようにしました。

――特に子どものころは、友達の力が大きいですよね。

私の都合で、途中から別の曜日のクラスに変更しなければならなかったのですが、娘にはすぐにお友達ができました。練習後に一緒に遊んだり、夏休みに皆で出掛けたりするようになるなど、お友達のおかげもあって「スイミング=楽しい場所」になっていきました。また、お友達に早く追いつきたいと、短期講習などにも参加したがるようになりました。

――息子さんについては、モチベーション維持の方法はなにかありますか?

息子も水泳を習っており、やはりお友達の力は大きいと感じています。時々やめたいと言い出すことがありますが、今やめるとせっかく覚えた泳ぎを忘れてしまうことや、将来お友達同士で海やプールに行ったときなどに、万が一事故があったら泳げるかどうかで未来が変わってしまうことを説明しています。「泳ぎを忘れないような年齢までは水泳を続けてほしい」と、目を見て真剣に伝えています。また、これは2人ともに共通するのですが、続けていれば停滞期もあり、不安になったり落ち込んだりすることがあります。そんなときには冷静に、「停滞期にも続けることで更に伸びる」ことなどを図に書いたりして説明すると、安心するようです。

子どもにとって、お友達パワーは大きいもの。新しい友達もできるので、友達と一緒に通ったり、習い事の後に触れ合える時間を作るなど、工夫すると良さそうです。また、大人がやらせたいが本人が乗り気でない場合には、なぜその運動・スポーツをしてほしいのか、理由を納得いくまで説明するのも大切なのだと感じました。

悩みを抱えるのはお子さんのことをよく考えているからこそ。オリンピック・パラリンピックを経て、子どもたちの運動・スポーツへの気持ちが盛り上がった今、何かを始めてみるチャンスかもしれません。お子さんをうまくモチベートして、ぜひ親子で楽しみながらいろいろな運動・スポーツにチャレンジしてみてください!

文・構成/竹島千遥

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