「脳科学」と「方眼ノート」を使った整理術とは?掃除嫌いな子ども&夫を動かすテクニック

子どもや夫が掃除嫌い&片づけ嫌いの場合でも、うまく巻きこむコツを専門家に聞きました。忙しい年度末だからこそ、手際よく進めましょう!

「脳科学」と「方眼ノート」を活用した、整理収納アドバイザーの今井知加さんにうかがいました。

「片づけ」も「掃除」もためず、日々コツコツと!

片づけはモノを整えること、掃除は汚れを落とすことです。片づけをしておくと掃除がしやすくなり、普段から少しずつやっておくことで大きな手間が省けます。今年の大掃除をきっかけに普段の片づけと掃除を見直してみましょう。

床や台の上にモノを出さない

床や棚へ直置きするものを減らすと、掃除がしやすくなります。直置きを減らすには、収納スペースに収まるよう、モノを減らす必要があります。モノが多いことが片づけのうまくいかない原因になっていないか確認してみましょう。

子どもでもわかりやすい収納に

家族に片づけをしてもらううえで「ラベリング」は必須です。何をどこにしまうかがひと目でわかるラベルを作り、収納場所につけておくと、片づけやすくモノを探す手間も省けます。


しまうモノの写真を撮ってコピー用紙に印刷(上段)。しまうモノに柄のマスキングテープを貼って区別(下段左)。家族と一緒に工作感覚でラベルを手作りするのもおすすめ。

一日の中で部屋を「リセット」するタイミングを決める

日々の片づけは「リセット」に近い意味だと考えてください。出かける前に部屋を片づける、寝る前に片づけて自動掃除機をセットするなど、1日の中で室内をリセットするタイミングを決めておきます。

毎日の習慣の前後にすることを忘れない

子どもに対しても、次の日の学校の準備をしたら机を片づける、寝る前に自分の部屋を整えるというように、毎日する習慣の前か後に片づけ・掃除をやるよう決めておきます。こうすると忘れにくく、続けやすいです。

子どもや夫を巻きこんで、部屋をきれいに!

きれいな部屋を保つために、家族の協力を得てママの負担を減らし、いつも片づいた状態を目ざしましょう!

まずは「掃き掃除」と「拭き掃除」をやってもらう

子どもや夫が手伝いやすいのは、掃き掃除と拭き掃除です。ブラシ、ミニちり取りを出し入れしやすい場所にしまっておき、「机を使った後は片づけて掃く」と決めておくといいでしょう。食後のテーブルや床の拭き掃除は、掃除用スプレーとクロスをひとまとめにしておくと、取りかかりやすいです。

子どもと夫への声かけ、これはNG!

「片づけなさい!」「ここに収納して!」と決めつけるような言葉かけは逆効果。「一緒に片づけようか?」「掃除するから、ちょっとだけ手伝ってくれる?」などと、それとなく巻きこむ声かけが効果的です。協力してもらえたら、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。

片づけを強制するよりも、片づけたいと思う理由や理想の状態を伝えましょう。まずママが片づけて、「すっきりして気持ちいいね」などと結果を見せると、行動につながりやすくなります。


片づけの効果を言葉で伝えることも大切。きれいになって「気持ちいい」「うれしい」など、自分がどれだけその行動で助かったかを伝えるようにしましょう。

「自分で決めたこと」は素直にやってくれる!

勉強しようと思っていたところに、「勉強しなさい!」と親に言われると、やる気がなくなるように、「人に言われるとやりたくなくなる」ものです。これは能動的にやろうと思っていた勉強が、親に言われたことで受動的なことへと変わるからです。
片づけ・掃除も強制せず、自分からやってくれたことをきちんとほめましょう。すると片づけが「得意だ」と自信がつき、進んでやってくれるように
なります。

「お楽しみの前」は片付けのチャンス!

友だちが遊びに来る、家族で出かけるなど、楽しいイベントの前は片づけのチャンスです。「お友だちが来たとき(家に帰ったとき)、部屋がきれいなのと、そうでないのどっちがいい?」などと問いかけて、自分で決めさせましょう。すると、子どもや夫が自分から動いてくれます。

実践!家族で大掃除

大掃除は家族のイベント。子どもも夫も一緒に、楽しみながら進めましょう!

まずは、高い場所から

「高いところから低いところへ」が掃除の基本です。普段あまり掃除しない換気扇の上、冷蔵庫や棚の上、照明器具、高窓、洗面台の上などのホコリを取り除きましょう。棚の上などには、掃除後にラップを敷き、マスキングテープなどで留めておきます。次の掃除のとき、ホコリのたまったラップを取り替えるだけでよく、手間が省けます。

拭き取り不要!時短窓拭き掃除

窓掃除は雑巾を使わず、スプレーとスクイージーだけがおすすめ。雑巾の繊維が窓につかず、時間短縮で
きます。スクイージーは100円ショップなどで手に入ります。

手順は、
①掃除用スプレーを吹きつける
②スクイージーで水切り
③仕上げに水スプレーを吹きつける
④スクイージーで水切り

床掃除のほか、エリア別の掃除も

最後にやるのは床掃除。掃除機で日々の掃除はしているので、家具のすき間や巾木(床と壁の継ぎ目にある板)の上など、普段やっていないところを中心に進めましょう。

やることがわかるリストを作りましょう

 

掃除の項目と分担を書き込んだ表を作ります。家族全員が同じ数の作業をするようにするのがポイント。できたところからマス目の色を塗っていくと、陣取りゲームのように遊び感覚で掃除を楽しむことができます。

掃除・片づけ力を子どものうちに習慣化

片づけ・掃除の習慣は、決断力や判断力などいろいろな「生きる力」を育み、自分で考えて動ける子どもを育てます。小さなことでも、それを毎日続けることは、勉強や生活面でもきっと何かの役に立ちます。たとえ今は嫌いでも、小さい子どもほど身につきやすい習慣でもあるので、ぜひ身につけていってください。
(今井知加さん)

 

整理収納アドバイザー 薬剤師
今井知加さん
「脳科学」と「方眼ノート」を活用した整理収納術による「片づけ力」の定着、効率的で働きやすい環境づくりの実現など、数々の指導を行う。著書に『そうじ嫌いでも部屋がずっとキレイな収納のきほん』(KADOKAWA)。奈良在住。2児のママ。

 

 

イラスト/やまのうち直子 デザイン/秋吉佐弥佳 構成/村重真紀 『小学一年生』2019年2月号別冊

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