【元小学校校長が伝授】始めが肝心!小学生1年生の子どもに教えるべきルールやしつけ

「しつけやルールは小学校1年生が肝心」とおっしゃるのは、元京都女子大学附属小学校校長の吉永幸司先生。その理由はどんなところにあるのでしょうか。また、しつけやルールを習得させるコツや食事のマナー、人に対するマナー、コミュニケーション術など、小学生1年生の子どもに覚えてもらいたいことを、吉永先生に教えていただきました。

小学校1年生のしつけが大事な理由

教室
「しつけ」は、人間形成の基礎をつくる上で大事な役割をもっています

人間形成の基礎をつくる上で大事な役割をもつ「しつけ」

小学校1年生の子どもたちは、学校について何も知りません。いすの座り方、ランドセルの納め方、話を聞くときの姿勢、提出物の出し方など、当たり前のようなことを一つずつ覚えていきます。この時期に「しつけ」を丁寧に指導するのとしないのとでは、将来大きな違いとなって現れます。
しつけは、人間形成の基礎をつくる上で大事な役割をもっています。1年生で、丁寧なしつけの指導を受け、しっかりと身についている子は、友だちに好かれ、勉学に力を注いでいます。また、折々の判断力や行動、仕草も的確で、学校生活も充実しています。

学校のしつけや教室のルールが子どもを成長させる

しつけやルールは始めが肝心

家庭や保育園、幼稚園などである程度のしつけやルールを身につけて、子どもは小学校1年生になります。しかし、それぞれの家庭や園で取得したことには違いがあります。1年生の子どもたちは、改めて小学校のルールとしつけを学ぶことになります。彼らは、それらを「今までと同じ」と思ったり、「少し違う」と思って小学生になろうします。一番初めに学習するルールやしつけは、初めが肝心です。子どもたちに具体的にわかりやすく指導をして、小学生になったという得意な気持ちにさせましょう。

ルールとしつけを習得させるためのコツ

小学校1年生にルールとしつけを習得させるためのコツがあります。

1. ルールやしつけは、一度できても日がたつと乱れるので、繰り返し指導すること
2. 「できるようになった」ことを増やし、よい子になったという実感を持たせること。
3. ルールやしつけはは、最初は親が手本になって、丁寧に指導をすること。
5.  一度にたくさんのことを指導するよりも、確実に「できた」ことを増やすこと。
6. できない場合は、できない原因や理由があることを理解し、叱責しないこと。

家庭でも実践したい、学校のしつけと教室のルール

給食
「いただきます」や「ごちそうさまでした」は感謝の気持ちを込めて

食事のマナー

食事の時間は、食事をいただくだけでなく、食事に関わるマナーをする時間です。食事の時の「いただきます」や「ごちそうさまでした」は、動物や植物の命を食べ物として頂いていることや、食べ物に関わってくださった人々(収穫や調理をしてくださった人)に感謝の気持ちを込めていう言葉です。食器を正しく持つ、姿勢良く食べる、箸を正しく持って使えるようにする、食べている途中で、席を立たないことは、大事な指導の内容です。

コミュニケーションのとり方

人間関係を豊かにする上で、コミュニケーションは大事な働きをします。相手に対してどのような気持ちを持っているかについて、話し方、聞き方でわかるからです。話をする時、聞く時に大事にすることを、できるようになるまで繰り返しましょう。

伝えたいことを受け止めて聞く

仲間を作る言葉や仲良しを広げる言葉として、「仲間に入れて」「一緒に遊ぼう」というような「誘う言葉」や「受け入れる言葉」を教え、コミュニケーションの基礎を作りましょう。

目上の人と丁寧な言葉で話す

目上の人との会話は敬語を使って話す学習の場になります。

人に対するマナー

人に対するマナーは、2つあります。

ひとつ目は、仕草や動作です。家族や近所の方へのあいさつは、心を豊かにします。
ふたつ目は、言葉です。朝や帰りの日常のあいさつはもちろん、感謝の言葉、お詫びの言葉、たずねる言葉などは、しつけの基本となります。
人に対するマナーで大事なことは、「丁寧」にすることです。行動の丁寧さは落ち着いた動作、言葉の丁寧さは相手への尊敬の気持ちが伝わります。習慣になるよう、根気強く繰り返すことで、しっかりとマナーを習得していきます。

・感謝の気持ちを伝える

「ありがとうございます」を使うと、やさしい気持ちになれます。

・人に迷惑をかけた時は、謝る

素直に謝りましょう。コツは、すぐに謝る、「ごめんなさい」と言う、次にどうするかを考えてお詫びの言葉にすることが大事です。素直に謝る子は賢く育ちます。

参考書籍「深い学びを育てる 教室のルール&学校のしつけ」

深い学びを育てる 教室のルール&学校のしつけ
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「深い学びを育てる 教室のルール&学校のしつけ」について

学習自立に生きる「教室のルール」は、賢い子を育てるうえで、大事な前提です。授業中の姿勢、立って話す、座って聞く、挨拶や手の挙げ方などのルールを学び、「勉強をしたい」という気持ちを大事にしながら、「教室のルール」を習得すると賢い子になることを教え、気づかせる指導が、1年生担任の大事なことです。
生活自立に生きる「学校のしつけ」は、生きる力を育てる根っことなります。集団生活を送る上で、「学校のしつけ」を身につけることが、生活自立につながり、深い学びを育て、「生きる力」になります。そして、中学校、高校、大人になっても大事なことばかりです。
本書は、「教室のルール」「学校のしつけ」を習得させる指導のコツが、具体的に、学校内、教室での場面ごとの写真とイラスト、著者の解説で説明されています。きっと、1年生の指導に悩む若い担任には、とくに、有益になります。

「深い学びを育てる 教室のルール&学校のしつけ」著者・吉永幸司プロフィール

吉永幸司(よしなが ・こうし)
滋賀大学学芸学部卒業。滋賀大学教育学部附属小学校教諭(26年間)、同副校長、公立小学校校長、京都女子大学教授・同附属小学校校長を歴任。国語指導、道徳指導に長年携わる。著書に『教育技術MOOK考える子どもを育てる京女式ノート指導術小学校国語』『教育技術MOOK吉永幸司の国語指導入門』『教育技術MOOK吉永幸司の国語の強化書』『教育技術MOOK吉永幸司・森邦博の子どもが輝く読書力を身につける指導術』(小学館)他多数。第27回「読売教育賞」(読売新聞社)、「優秀教育企画賞」(全国初等教育研究所)他、受賞多数。

吉永幸司の国語教室 絆−365日

 

文・構成/HugKum編集部

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